常念が見える部屋から

ここから北アルプス常念岳が眺望できます。
季節の移ろいに写真を添えて発信します。

彼岸の入り

2008年09月20日 | 季節の便り
彼岸花

夜半にわずかな雨を落して道草台風は洋上に去って、明け方雲の切れ間から、月が瓦屋根を白く照らした。
実りに向かう秋の台風は農家にとって脅威である。
彼岸の入りの夜明けに、月の白い光がたおやかに、安堵の色彩を田園に降り注いでいた。
今年も彼岸に、露を含んで紅い彼岸花が咲いた。
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街路樹の嘆き

2008年09月19日 | 季節の便り
秋草

休日に行事が予定されていて、道草台風の進路や速度が気になる日々である。
気がつけば秋彼岸が迫って、街路樹の落葉の量が急に増えた。
松本城の外堀から内端に続く並木は桂が大きく茂って、夏の終わりごろから病葉を落とし始める。
限られた面積に閉じ込められて、大きく根を張るには窮屈なのだろう、春の芽吹時の精彩を失って久しい。
大樹に育つ桂は、せせこましい街の街路樹には不向きなのかもしれない。


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オクラ

2008年09月18日 | 季節の便り
オクラ

オクラは比較的新しい野菜である。
夏の気温上昇とともに驚くほど成長し、秋の訪れを肌で感じる頃、急激に勢いを失う、アフリカ原産の熱帯植物であるときいた。
島の娘の髪飾りに似合いそうな花をつける。
オクラが含むネバネバは植物性の繊維質で体によい作用をするらしい。
一夏中 生で、煮て、揚げて、漬けて、食べたことが夏バテせずに乗り切れた要因の一つだと思っている。
咲く寸前の蕾も食材として珍重されるらしいが、まだその気になれない。
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パッションフルーツが結実しない訳は?

2008年09月17日 | 季節の便り
パッションフルーツ

我が家のパッションフルーツは「七重八重花は咲けども・・・」である。
以前 同僚とタイに旅行した折、果物屋さんからあらゆる果物を買ってホテルに持ち込んだ。フルーツパーティを安く上げるためである。
予備知識はいらない、皮をむいて、かたい種子を外せば何でも食べられた。
自分の庭でとれた南国の果物でパーティを開くのが夢である。
アボカドもマンゴーもライチーも順調に葉を茂らせている。
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稲刈りのころ

2008年09月16日 | 季節の便り
釣り舟草

腰が痛くて、穂先のトンボや、稲葉の裏に隠れるイナゴにばかり気をとられて、稲刈りの手の動きが鈍くなる頃になると「お小昼(おこひる)」の時間である。
広げた蓆は、酒こそないが花見の宴席のように思えた。
午前と午後のこの時間帯が楽しみだった。
せせらぎの岸で、マルハナバチが釣り舟草の花を揺らしていた。
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農繁期休み

2008年09月15日 | 季節の便り
アザミとアゲハ

天候に恵まれて稲刈りが始った。
農繁期に、学校が休みになったのはいつ頃までだろう。
すべての農作業を人力に頼っていた時代、子供は貴重な労働力であった。
一家総出で、一株一株手で刈り取って、束ねて、はぜに掛ける。
今でも左手の小指の爪に鎌で切り裂いた痕跡が残っている。
大きなコンバインが爆音を立てて、粉砕した稲藁を撒き散らし、またたくまに実りの秋だけを掠め取ってゆく現在とは全く異質な産業であった。

コメント (2)
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限りなく模様に近い目

2008年09月14日 | 季節の便り

南国土佐のブンタンが鉢植えにされて、縁あって我が家で葉を繁らせている。
越冬のスペースに制約があるから、花が咲いて実がなる事を期待するのはやめた。
その代わりに毎年数匹のアゲハが育っている。
幼虫達は延び過ぎた新芽を茎ごと貪欲に食べるから、整枝の手間が省ける。
この幼虫の面構えが素晴らしい。
頭部中央の左右に付いている黒点は眼だろうか?眼らしくもあるし、模様らしくも見える。ルーペを持ち出して観察した。
その結果、限りなく模様に近い目であると断定した。
どんな機能を持つ目なのか、まだ解からない。

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やられた蕎麦畑

2008年09月13日 | 季節の便り
鹿に食べられた蕎麦

例年 白い毛氈を敷き詰めたように咲き誇る蕎麦の花の季節である。
それが今年は鹿の食害で無残なことになってしまった。
二重に張ったバリアーが、簡単に破れれた現実に遭遇して、もはやお手上げである。
遊び心の蕎麦作りである、これがもし、人間が冬を越すための大切な食料であったらどうであろう。飢え死にである。
飢えを満たすための動物の行動は想像をはるかに越えている、ネットを飛び越え、突き破り、したから潜り込む。
農園主の端くれとして心休まる日は遠い。
もし鹿がすべて駆除されてしまったら、それはそれで、今よりもっと心安らかではないだろう。

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秋 暮色

2008年09月12日 | 常念100景

太陽の沈む位置は、冬至点と夏至点の間を半年の時間をかけ、1年で往復している。
今はそのほぼ中間点に落ちる。
夕景色は季節により大気の透明度が変化するのだろうか、研ぎ澄ました刃物のように鋭く光ることもあれば、暖かく童話のように包み込む景色もある。
「玄関に捨てられたらしい子猫が住み着いて、追い払うのも忍びないし、子供たちも望んでいるので是非貰ってほしい」という電話が娘からあったという。
我が家では鼠が跋扈して悪さを繰り返すので、その対策には有効かもしれない。
後日相談することにした。
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献眼

2008年09月11日 | 季節の便り
盗人萩

生前 献眼に同意されていた方が亡くなられたので、その尊い遺志に添って手続きを行った。
施行規則第6条第3項及び付則第3条第3項による眼球摘出承諾書(心停止下)を確認した担当医により摘出が行われた。
摘出後、眼球摘出記録書を添えて信州大学病院眼科に搬送し、我々の任務は終了した。
午前3時から始まった長い一日であった。
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