或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

マンハッタンの哀愁

2012-06-04 05:44:53 | 350 映画
東京からの出張帰りに新幹線の中で観たのが映画「マンハッタンの哀愁」(1965年)のDVD。きっかけは女優のアニー・ジラルド。映画「パリのめぐり逢い」(1967年)が細切れながらYouTubeに全編投稿されていて、フランス語がチンプンカンプンながら、若きキャンディス・バーゲンと不倫する夫役のイヴ・モンタンの妻を演じていた彼女が魅力的で、別の作品も観てみたいなと。

それでウィキで調べて驚いたのが、彼女が出演したひとつ前の作品が映画「マンハッタンの哀愁」(1965年)だったこと。おいおい、これって黒人ジャズピアニストのマル・ウォルドロンが音楽監督を務めたやつじゃなかったっけ?と、大昔の記憶が蘇ってきて。この手のマイナーな作品がTSUTAYAに置いてあるはずもなく、アマゾンでDVDが2千円で販売されていたので即購入。なるほどマルのソロピアノによるヒット曲”All alone”が、アニーのフェイバリットソングとして登場していた。

内容は、ニューヨークで出会ったフランス人同志が、お互いの淋しさを紛らわせるために安ホテルで一夜を共にするところから始まり、後はあーだこーだとぐだぐだやり合いながら、最後は互いの愛情を確かめ合い、二人で新しい人生を始めるというラブストーリー。正直なところ、映画の中身そのものは、古臭さが感じられるだけで、とりたてて見所はなかったような気がする。

だけど音楽が素晴らしかった。まるでこの時代のNYのジャズシーンのドキュメント。マルが音楽担当ということで根暗な感じに終始しているかと思いきや、なんのなんの。それなりのスコアによるビックバンドやヴォーカルが最初から最後まで十二分に楽しめた。これは嬉しいサプライズだった気がする。特に上の画像のナイトクラブでのシーンは、なかなか洒落ていたなあ。

映画の中でやけに眼についたのがタバコと酒。とにかく二人とも四六時中バーでタバコを吸ってはウィスキーのストレートをあおっている。やけにそんなシーンが多くて、こりゃ体に悪いだろうなと。そういえばマル・ウォルドロンもかなりのヘビースモーカーだったような。話は変わるけど、120本もの作品に出演した大御所アニー・ジラルドは、昨年2月に79歳で他界していた。

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