或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

キャバレー

2005-08-25 06:29:20 | 300 絵画
昨日の日野皓正の記事でジャズ喫茶やキャバレーが出てきましたが、面白い話を思い出しました。

学生時代というのは貧乏なのでバイトがつきもの。かくいう私も喫茶店のウエイターから、建築現場のビルの掃除までいろいろやりました。その中でよく思い出すのがキャバレーのバンドメンバーのトラ(代役)。不定期だったけど、金銭的にはダントツ良かったなあ。

キャバレーにはショータイムがあって、手品から漫談、ダンス等様々ですが、ヌードショーもよくありました。事の始まりはその前の曲の打合せ。ちなみに“キャバクラ”や“クラブ”では、こういうショーがないそうです。僕は料金で分類かと思ってましたが、別の分類があったんですね。(笑)

確か暑い夏、40歳ぐらいの女性がクーラーの効いていない狭い楽屋に入ってくるなり、下着姿になってタバコを吸い始めました。バンドのメンバーと親しいのか、「最近なんか太ったでしょー。あらこの子、トラなの?」なんて言いながら、わざと足を座っている私の目の前に。ステージで踊っている時にも、私の側に寄ってきて、体を摺りつけながら微笑みかけられました。

やられましたね。まあ彼女にとっては商売なんで何てことはないんでしょうけど、うぶな私にはねえ。音楽が、ジャズが、コルトレーンがどうのこうのなんて、もう関係ない世界。この頃からですね。私の人生観が歪み始めたのは。(笑)

特に女子中学生の家庭教師をやった後すぐに、キャバレーにトラで行ってこういうヌードショウがあった時には、なんか頭の中が交錯して、妙な気持ちになりましたから。(笑)

写真はマティスの最晩年の作品、押絵本“ジャズ”から「Bule NudeⅠ」(1952年)。今日の話との関連で紹介するのは、巨匠にちょっと失礼かと気が引けましたけど。美しさと妖艶さと清々しさが一度に味わえます。

絵画写真の引用元:「easy art」(http://en.easyart.com/)