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或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

呉市立美術館

2012-10-09 05:47:27 | 300 絵画
通常はどんなに祝祭日があろうと土日休みをかたくなに守っているのが自分の勤めている会社なのだけど、今回だけは珍しく3連休。土曜日は釣りを楽しみ、日曜日はその休養、なんていうのが土日休みの定番なのだけど、3連休ともなると、カミさんの気分転換のために何処かに連れて行かないとまずいんじゃないかと。ちょっとネットで検索したらヒットしたのが呉市。

呉(くれ)市というのは広島市から南へ約30Kmぐらいの距離にある中堅都市。ヒット作である映画「海猿」シリーズの舞台となっている街と言った方が分かり易かったりして。もっと言えば、かの有名な戦艦「大和」が建造された第2次世界大戦中に海軍工廠があった場所。そのつながりから、近年では「大和ミュージアム」が建設されて人気の観光スポットになっている。

きっかけは呉市立美術館で開催されている特別展”南薫造と教え子たち 荻太郎・渡辺武夫・野見山暁治・新延輝雄”が目に留まったから。そう言えば、南薫造から遠ざかっているなと。調べると、1998年に広島県立美術館で開催された”南薫造展-イギリス留学時代を中心に-”の図録をヤフオクでようやく手に入れたのが昨年9月だった。あれから1年。なんか懐かしくて。

彼はもともと広島県豊田郡安浦町の出身で、晩年もそこで暮らしていたので、程近い呉市で今回の展覧会が開催されるのは納得がいく。歴史を感じされる街並みの中に溶け込んでいる美術館に入ると、地下のフロア全てを使って彼の作品が展示されていた。中でもとりわけ印象深かったのが、イギリス留学時代の作品で、出世作でもある上の画像の「坐せる女」(1908年)。

バックの薄暗いベージュとくすんだ濃い紫色のスカートのコントラストが何とも言えない上品な雰囲気を醸し出している。なんてセンスが良いのだろうと。それといつもながら筆使いが巧いなと。入船山公園の同じ敷地内にある旧呉海軍工廠塔時計や旧呉鎮守府司令長官官舎のレトロな風情と相まって、久しぶりに南薫造ワールドを満喫したかな。


マウリッツハイス美術館展

2012-09-05 05:54:59 | 300 絵画
どうしても、いや絶対に見ておきたかった絵の中の1枚が、フェルメールが描いた「真珠の首飾りの少女」(1665年)。だけどまさかこの絵を日本で見ることができようとは。マウリッツハイス美術館展が開催されるということを知ったのは今年の春だったかな、とにかく見逃す訳にはいかないなと。開期は東京が6月から9月、神戸が9月から12月と長いので、必ずチャンスは来ると。

先週の火曜日、千葉での仕事を午前中に終えて、午後からは広島へ帰るだけという日程が決まってからというもの、頭の中は、この絵のことばかり。帰りの新幹線を何本か遅らせ、なんとか1時間ぐらい確保できるスケジュールを立案して。幸いアクシデントもなく、午後3時過ぎに上野の東京都美術館へ到着。並ぶこともなく、すんなり入場券を購入できたまでは良かった。

驚いたのは展示室へ入るゲート。けっこう人が並んでいて。中へ入ると、とりあえず一目散に、もう1点のフェルメール作品である「ディアナとニンフたち」(1654年)の前に。さすがに人だかりができていて。残存している彼の作品中、唯一の神話画。画題のせいもあるけど、その特異な訴求性という観点ではフェルメールらしさに欠け、いまだに贋作疑惑があるのもうなづけた。

時間がないので、とりあえず本命をと、その後は「真珠の首飾りの少女」へ直行。するとフロアの半分くらいがロープで仕切られていて、100人ぐらいが列を作って並んでいた。「待ち時間は30分程度でございます」とのアナウンスが。少々焦ったけど、つくづく平日にして良かったなと。これが土日だと、どうなったことやら。この辺りからかな、胸がときめき始めたのは。

絵に近づくにつれ、その特徴的なターバンの青色が垣間見えてきて。自分の興味は、それがどんな青なのかということ。いよいよ絵の正面に立ち、まじまじと確認したけど、想像通りの赤みのない、くすんだ薄く渋い青だった。なんか妙に安堵したかな。それにしても、漂ってくるオーラはどうだ。他の作品と異なり、物語性がない分、彼女の瞳がこちらに訴えてくる。その後は、他の作品は一切鑑賞せず、時間が許す限り並んでいる客の後ろでずっとこの絵を眺めていたのは当然の結末だった。


San Giorgio Maggiore

2012-06-01 06:01:40 | 300 絵画
先週の金曜日の話だけど、とある打ち合わせがなくなったので、出張帰りに時間の余裕ができて。疲れていたし、そのまま広島まで直行しようかとも考えたけど、やはりもったいないなと。それで頭に浮かんだのがブリジストン美術館。東京駅で乗り換える自分にとっては、八重洲口から歩いて5分という立地が嬉しい。帰りの新幹線の切符をあえて購入せず気分は楽だった。

小雨が降る中を目的地へ辿り着くまで、少しばかり迷ったような。振り返ればいつ以来だろう、もう5、6年振りぐらいになるのかなあ。当日は、”あなたに見せたい絵があります。-ブリヂストン美術館開館60周年記念”という企画展が開催されていた。実際に鑑賞して思ったのは、確かに石橋財団コレクションが所蔵している有名な作品が一堂に集められていたということ。3年前にわざわざ出かけた福岡県の久留米市にある石橋美術館からもかなりの数の作品が出品されていて、こりゃお得だなと。

そのせいでもないのだろうけど、平日の昼過ぎにもかかわらず客の数が多かった。とりわけ老いたカップルが。ただし中にはおいおいと思う男が何人か。たいしたこともない知識を相手に見せびらかしたいのか、いちいち絵の前で講釈するし、しかも耳が遠くなっているせいか声が大きい。係員は注意しないし、あまりにうるさいので途中から順路を外れて逆に周ったけど。

サプライズはその後。最後の部屋に展示してあったのが上の画像で、モネの「黄昏、ヴェネツィア」(1908年)。観るのは初めてだったけど、「おいおい、これって何処かで?」と思い出したのが、少し前に紹介した映画「Thomas Crown Affair」の中で登場した下の画像の「San Giorgio Maggiore at Dusk」(1908年)。ちなみに上の画像の英語題が「San Giorgio Maggiore, Twilight」。

サン・ジョルジオ・マッジョーレ教会堂を同じ構図で2枚描いていて、しかもその中の1枚をこの美術館が所蔵していたとは知らなかった。調べるとモネは知人の紹介で妻アリスと共にヴェネツィアを訪れ、街に魅了され30点あまりを製作したのだとか。映画の中の絵を盗むシーンが脳裏をかすめ、その場から持ち去りたい気持ちになったけど。なんか、やけにつながってしまった。



損保ジャパン東郷青児美術館

2012-03-02 05:49:31 | 300 絵画
東京国立近代美術館に続く、出張帰りの東京での美術館巡りの第2弾。水道橋から新宿へJR中央線で移動して、西口から歩くこと約5分。新宿の高層ビル群が立ち並ぶ一角に損保ジャパンの本社ビルが。その42階にあるのが東郷青児美術館。いつだったか行ってみると改装のため休館になっていて、えらく落胆したのを憶えている。そのリベンジがようやく叶うことに。

玄関から入ると係員にエレベータへ案内されて。なんか美術館というより高層ビル見学へ行く時のような雰囲気。館内へ入ると展示室へ続く通路から東方向の景色をパノラマ的に眺められるように工夫してあった。こんな景色は六本木ヒルズの大展望台以来のこと。すっかりミーハーになって、あれは何のビルだったっけ等、東京の都心の建物探しにしばし我を忘れたかな。

その景色の中でひときわ興味を引いたのが今話題のスカイツリー。防衛省の電波搭の左側後方に大きなタワーが遠目に見えた。実はそれまでスカイツリーが何処に建設されているのか知らなかった。えらく北にあるなとは感じたけど、墨田区とは。浅草のすぐ傍。てっきり山手線内と思っていたけど大きな勘違い。なんか外観イマイチ。金属調で、無機質な印象だった。

本題に戻ると、当日は企画展として”東日本大震災チャリティー企画 日本赤十字社所蔵アート展”が開催されていて、関係者と思われる客でけっこう混雑していた。新幹線の発車時刻まで時間が押していたので、駆け足で鑑賞したのだけど、最も印象に残ったのが東山魁夷の「晴れゆく朝霧」(1979年)。これまで見た作品の中では出来が突出して素晴らしかった気がする。

そしてお目当ては、最後のフロアに常設展示してあるゴッホの「ひまわり」(1889年)。1987年に当時の安田火災が約58億円という高額で落札したことでつとに有名。驚いたのが絵のサイズ。40号と、やけにでかい。これまで見てきたのは30号程度だったので、その大きさに圧倒された。後で調べると、このサイズがゴッホのサインがないことに相まって贋作疑惑が生じているのだとか。シロウト眼には筆致はまぎれもなくゴッホ。まあ真贋はともあれ、一度見ておいて損はない作品だと思うけど。


東京国立近代美術館

2012-02-28 05:46:54 | 300 絵画
少し前の土曜日、出張帰りに東京で美術館のハシゴを。まずは竹橋にある東京国立近代美術館。前回訪れたのが、6年前の“生誕120年 藤田嗣治展”。その時は地下鉄の駅を出た頃から相当な人混みだったし、館内でも、おしくら饅頭状態だったのをよく憶えている。それが今回は”所蔵作品展「近代日本の美術」”という地味な企画だったためか、恐ろしく人が少なかった。

話はそれるけど、東京におけるJRの乗車券の使い方が最近ようやく分かってきて。東京駅から一方通行で乗り継げば、山の手線や中央線の範囲であれば何度でも乗り換えができる。今回も東京駅から水道橋まで中央線で行って、そこで地下鉄に乗り換えて竹橋へ。竹橋から水道橋へ戻って新宿へと。さすがに有人駅で切符をチェックしてもらわなければならないけど。

話を美術館に戻すと、ほとんど貸切のような感じでゆっくり眺めて周ったのだけど、何点か琴線に触れる作品が。まずは佐伯祐三の「ガス灯と広告」(1927年)。彼の代表作なのは間違いないところ。他とは全く異なる次元の圧倒的な迫力でこちらに迫ってくる。自分が絵の前に行った時に、美大生と思わせる若い男の子が同じ目線で眺めていて。よほど気に入った感じだった。

だけど自分的に最も印象深かったのが安井曾太郎の「金蓉」(1934年)。その鮮やかなブルーのチャイナドレスが何ともいえない色気を醸し出している。モデルは小田切峰子という上海総領事の令嬢で、当時の政財界では有名人だったとか。彫が深い顔立ちに派手な化粧がよく似合っている。安井のパトロンだった熊本細川家の当主・細川護立に依頼されて描いたもの。

渡欧時代にセザンヌから影響を受けた彼が、帰国後は極度のスランプに陥って。佐伯同様に、欧州と全く違う日本の風景を前に思うような絵が描けない時期が長く続き、1930年頃になってようやくたどりついたのが「安井様式」と呼ばれることになる独自のリアリズムの世界。帰り道に、久留米の石橋美術館で観て感銘を受けた最晩年の作品群を思い出したっけ。


神奈川県立近代美術館

2011-10-03 05:45:44 | 300 絵画
出張帰りに横浜でジャズのライブを聴いた話の続きだけど、翌日は、何故か鎌倉へ。最初は横浜や都内の美術館を物色したのだけど良い企画が見つからない。悩んだ挙句に決めたのが鎌倉にある神奈川県立近代美術館。実は数年前に、これまたひとりで鎌倉へ遊びに行き、有名な観光地巡りをしたのだけど、何故かこの美術館だけがコースから外れていた。

場所を調べていて驚いたのが、鶴岡八幡宮の境内にあったこと。前回ニアミスしていたことに気づいて。確かに参道からやや外れているし、建物そのものが古いので目立たない。それもそのはず、ここは20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエの愛弟子、坂倉準三が設計し、日本で最初の公立近代美術館として1951年にオープン。なんか国立西洋美術館の雰囲気につながるなあと感じていたのだけど、なるほどと。無機質的でシンプルな中にどこまでもモダンって感じ。

今回興味を持ったのは、”開館60周年 近代の洋画 ザ・ベスト・コレクション”という企画展を開催していて、何か日本の近代洋画で出会いがあればなと淡い期待を抱いたから。展示室に入ると、高橋由一の「江ノ島図」(1876年)が出迎えてくれて。それから特集されていた松本竣介の「立てる像」(1969年)等を鑑賞。佳作揃いだったし、美術館の雰囲気とマッチしていた。

サプライズは上の写真の佐伯祐三による「門の広告」(1927年)。和歌山近代美術館の回顧展でも展示されていた作品。近代を飾る数多くの画家の作品の中でもひときわ異次元の光彩を放っていた。特に圧倒されたのが背景。なんでもない薄汚れたベージュの曇り空なのだけど、筆致がすさまじい。情念のほとばしりとしか言いようかない程心に訴えてくる。さすが佐伯。

十分に堪能した後で休憩しようと階段を下りると、眼前に蓮(ハス)と睡蓮の池が拡がっていて。和んだなあ。置いてあった黒いソファーに腰掛けると、快い風が体を通り抜けた。なんという心地良さ。平日のせいか辺りに人影はなく、30分ぐらいだったかなあ、そこにたたずんだのは。その辺りの独り占め。今思えばこの上なく贅沢な時間だったような気がする。


没後120年ゴッホ展

2010-12-09 06:00:37 | 300 絵画
ブルーノート東京でチック・コリアを聴いた翌日の午前中は国立新美術館へ。ここは3年ぶりで3度目。没後120年を記念したゴッホ展が開催中であることを知っていた。今回特に興味を持ったのはオランダにあるクレラー=ミュラー美術館からの貸出作品が多かったから。この美術館をいずれ一度訪問したいと思っていて。今回の作品はゴッホ美術館とここで約半々ぐらい。

その日の東京は雲ひとつない快晴。周囲の木々はほとんど落葉していて完全に冬モード。この企画展は10月から始まっていて12月末の終了のやや前ぐらいで、土曜日だし、午前中だし、そんなに客はいないだろうと思っていたら甘かった。企画展の開催ブースに行くと黒山の人だかり。もともと広い美術館じゃないし、館内は暑いしで、鑑賞する環境としてはイマイチだった。

展示は時代別に区切られていて分かり易かった。自分的に新鮮だったのは、やはりクレラー=ミュラー美術館からの貸出作品。プレーンでモダンな印象の木の額が特徴的。その中では若い頃の作品がとても勉強になった。だけどピンとくる作品がなくて、やや不満を憶え始めた頃に出会ったのが「ヒバリの飛び立つ麦畑」(1887年)。ていねいで繊細な筆致が楽しめた。

この辺りからは見応えがある作品が続く。そして圧巻だったのが「アイリス」(1890年)。この画題の絵はロスのポール・ゲッティ美術館で一度観たことがあり、その時にえらく感動したのを憶えている。それはサン=レミの精神病院に入院していた時に庭に咲いているのを描いたもので、今回のはそこを出て、終焉の地であるオーヴェールへ旅立つ前に自宅で描いたもの。

なんかね、ふつふつと感動が体の中から湧いてくる久しぶりの感触。くすんだバックの黄色との対比の中に、葉のグリーンとアイリスのうねるようなブルーが力強く訴えてくる。感極まるとはこのこと。それからというもの、とりつかれたように列の最後尾に並んでは順番を待って眺める、この繰り返し。最後は後ろ髪を引かれる思いで会場を後にしたけど。いや、素晴らしかった。


東京国立博物館

2010-10-20 06:10:22 | 300 絵画
記事にするのを忘れていたけど、東京出張の合間に出かけたのは国立西洋美術館だけじゃなくて東京国立博物館も。なにせ2時間以上あったので暇をつぶしかねて。もともと博物館というのはあまり行かないのだけど。ここは上野の森の奥に位置していて、国立西洋美術館からは歩いて5分程度。雨だったからか、途中にある公園の噴水の周囲には人影がなかった。

館内に入ってまず驚いたのは外国人が多いこと。おそらく客の6、7割はそうだったような。国立西洋美術館とは対照的。やはり外国人というのはコアな日本文化に興味を持つんだなあと。目つきが物珍しそうなのでなんとなく分かる。その意味では浮世絵とか、かつて西洋に紹介されて一大ブームにもなったことがあるから、日本に来るぐらいの人間には当然なのかも。

ただし自分的にはイマイチ興味をそそられる作品が少なくて。その中で、これは凄いのだろうとなと納得したのが室町時代に描かれた上の写真の狩野元信「商山四皓竹林七賢図屏風」。墨画なのだけど、その迫力には圧倒されるものがあった。平安時代きらびやかで派手な色使いから打って変わって、いわゆる黒と白の世界。そういえば、雪舟もこんな雰囲気だったような。

実はここも国立西洋美術館と同様に、基本的に写真撮影が可能。ふと思ったのは、他の日本の美術館や博物館もフラッシュを禁止した上で写真撮影を許可してくれればいいのになと。そうすればいつか写真を眺めながら訪問を懐かしむことができるのに。海外ではほとんどOKなのに日本だけがNGというのもいかがなものか。売店で写真集を売りたいということなのかなあ。

それで博物館を後にしながら、ふと感じたことがひとつ。館内や敷地内にセンスの悪い宣伝のノボリを建て過ぎ。せっかくの歴史を感じさせる景観が台無し。外国人が多いのだから、その辺りは学芸員がキチンと目を配って日本らしさを守って欲しい。


国立西洋美術館

2010-10-08 05:40:56 | 300 絵画
先日は東京出張の合間に上野へ。午前中の打合せが相手の都合で早朝になったのが幸いして2時間程度すっぽり空き時間ができたのがきっかけ。あいにくの雨の中を何処に行こうか悩んだけど、特に興味を引く企画展もなかったので、まずは国立西洋美術館へ。ここは2度目。これといって思い出はないけれど、松方コレクションの凄さに驚いた記憶が残っている。

10時頃に正門から入ると、平日のせいか客はまばら。館内に入ると、想像した程は閑散としておらず、多種多様な客が興味深そうに作品に見入っていた。企画展は版画の特集で、特にインパクトもなく、必然的に常設展が中心。と言っても充実している古典モノには興味が湧かないので、それらをすいすいとパスして近代の展示室へ。ふと気になったのは移動の途中。

修学旅行か学校の課外授業と思わしき制服姿の学生のグループが結構多くて。外見からは中学生か高校の低学年といったところ。その中のひとりの女の子が手に持ったインスタントカメラをブラブラさせていて。監視員の眼前だったから、すぐに注意されるだろうと思っていたら全くその気配がない。そのうちなんとその女の子が飾られている絵の写真を撮り始めて。

これにはねえ、驚いた。美術館のルールぐらい知っておけよと。ところが監視員がそれでも注意しない。ひょっとして自分の認識が間違っているのか?という疑念が湧いたので尋ねてみた。「すいません、ここって写真を撮影してもかまわないのですか?」と。すると彼女から、「ええ、フラッシュさえ焚かなければ、外部から委託されているもの以外はOKですよ、その場合は作品の横に撮影NGのマークが掲示されています、例えばこの展示室だと、これとあそこの2枚になります」と。

うーん、知らなかった。なんか情けない。完全にノックアウト状態。海外じゃ当たり前だけど、日本で撮影可能というのは初めて、しかもこんな有名な美術館で。それからは気に入った作品を撮りまくったかな。上の写真のモネの「睡蓮」(1916年)もその中の1枚。しかしねえ、気づいて良かったなあ。もし後で分かったりしていたらショックは相当大きかっただろうから。


島根県立石見美術館

2010-09-26 11:03:41 | 300 絵画
先週の3連休にカミさんと久しぶりに遠出を。まずは何処に行くかネットでいろいろ調査。その時に頭をよぎったのがETCの話。昨年の春に国が助成金を出すと聞いて駆け込みで装着したのをよく憶えている。だけどそれからまともに高速道路を利用した憶えがない。それからいろいろと割引制度が施行された気がするけど、それを利用せずじまいに終わったような気がして。

今回調べてみると、ETC装着車優遇制度が復活し、加えてETC装着者でも非装着者でも適用される無料化試験区間が設定されていた。その中に山陽と山陰を結ぶ浜田自動車道も含まれていることを発見。これは是非とも利用したいなと。それで山陰に目的地を絞って検索している時に見つけたのが、島根県益田市にある島根県立石見美術館で開催されていた企画展。

これは嬉しかった。目的地に対してはっきりモチベーションが湧いたから。それで朝10時に自宅を出発。五日市インターチェンジから入って浜田ICまでスイスイと。意外に空いていた。それから国道9号線を西に進み目的地の益田市へ。区画整理によりすっかりリニューアルされたJR益田駅周辺を過ぎると右手に見えてきたのが島根県芸術文化センター「グラントワ」

正直驚いた、やけに立派な外観だったから。近づくと全て褐色の焼き瓦で埋め尽くされていて。デザインも日本の伝統を意識した古風なもの。ここは美術館とホールの集合体。館内に入るとさらにビックリ。天井の高さと通路の幅の広さ、加えてピカピカに磨かれた床がとてもゴージャズ。失礼だけど、こんな田舎にこれだけの建物があるとはねえ。こりゃサプライズでしょ。

展示室も一流で、そんじょそこらの地方美術館をはるかに凌いでいる。今回の企画展のテーマは”神々のすがた”で、古事記や日本書記にまつわる様々な作品が展示されていた。日本画、洋画、写真、衣装、地元出身の作家の作品等、ゆったりと余裕のあるスペースに作品が展示されており羨ましい限り。それだけに、どれだけ赤字が出ているのか心配したりしたかな。