和歌山カレー事件の最高裁判決が出て、死刑判決が確定しました。状況証拠だけでの死刑確定には色々な意見があるのでしょうが、少しでも疑問を感じるならば死刑判決は出さなかったはず。死刑か無罪かどちらかしかないという難しい判決ですが、報道で上っ面だけを見て批判だけは止めるべきではないでしょうか。それぐらいの信頼は日本の司法にはある。
そんな中で、今回の裁判を絡めて裁判員制度を批判する報道が相次いだ。問題点だけをあげつらうやり方だ。確かに報道されるような問題点もあるだろう。しかし、難しすぎる専門用語、長すぎる裁判、市民感情や被害者の心情からかけ離れた判決・・・これらの解消に向けた裁判員制度であり、こういった一般市民の声が届く方向はむしろマスコミが提案していたのではなかったか。
そして、今回のカレー裁判にしても、二審や最高裁では裁判員の関与は無い訳であり、あまりにも判決への責任論を裁判員に押し付ける論調にも疑問を感じます。
他にも、全国共通学力テストが月曜日に実施されましたが、こちらにも問題点ばかりをあげつらう報道が続きました。それもイチャモンに近い類の問題点を一杯・・・。
こちらは、もちろん実施する意義の方がはるかに大きく、今年はついに日本全国の公立校での実施となりました。学力の地域差などは、今回の学力テストが無ければ明らかにはならなかったことばかり。まさか、大都会である大阪府が下から4番目とは・・・。
実は中学校間の格差も内々ではささやかれていたことでしたが、教育委員会までですけれども、ようやく数字になって明らかになった。ほとんど意義しかないようにも思われるのですけど。
こういうことでも、政府が実施すれば問題点や批判だらけとなる。確かに、無批判に受け入れたり批判できない情況はダメですが、せめて利点も合わせて報道するという姿勢は必要なのではないでしょうか。