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北村西望「永山武四郎之像」 旭川の野外彫刻(38)

2021年03月27日 11時26分00秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 買物公園から七条緑道を経て、いよいよ常盤公園へと入っていきます。
 この永山武四郎之像は、常盤公園の入り口にそびえ立っています。


 もっとも、この像をあらためて記事にするにはすこし迷いました。というのは、すでに2008年に取り上げているからです。
 永山の伝記などについては、そちらに書きました。

 旭川には彼の名にちなんだ「永山」という地名があります。
 そこには永山神社があり、1994年にはこれとは別の「永山武四郎将軍之像」が建てられているはずですが、同マップ2020年版には記載がありません。


 作者は、長崎平和祈念像などで知られる日展系の大御所、北村西望(1884~1987)。
 札幌・ススキノの南4西5にも作品があります。

 右手に帽子を持ち、左足と左腕を前に出し動感を出しています。
 マント姿で、堂々たる体軀です。

 横から見ると、さっそうとした感じが際立ちます。

「旭川野外彫刻たんけんマップ」によると、ブロンズ製で294×107×129センチ。
 昔風に、台座が高いのが特徴で、清掃には苦労するようです。


 題字の町村金五は、戦後、民選になってから2人目の北海道知事。
 社会党系から自民党系に知事の座を奪回した人で、3期12年務めました。

 構想・加藤顕清とあるように、もともと彼が作る予定でしたが、1966年に亡くなったため、北村西望が引き継ぎました。

 加藤顕清は、この前の項目まで何度も取り上げている、旭川にゆかりの深い彫刻家です。


 銘板には次のようにありました。
 戦後、活字で刻まれていますので、判読は容易ですが、最後の署名だけは読み取るのにちょっと苦労しました。
 広瀬経一氏は、北海道拓殖銀行(拓銀)頭取で、札幌商工会議所会頭、道商連会長、北海道経済同友会の初代会長幹事などを歴任した、戦後道内を代表する経済人のひとりです。


 永山武四郎は鹿児島県の人。明
治五年開拓使出仕となり、同七年
屯田兵の設置されるや、専らその
育成にあたり、のち屯田兵制の整
備とともにその司令官に任ぜられ、
北海道庁長官を兼ねた。武四郎は
北海道を墳墓の地と定め、心血を
そそいで北門の警備と開拓にあた
り、とくに上川地方の重要性に着
眼し、開発の基礎を築いた。同二
十九年、第七師団の設置とともに、
初代師団長に就任。よくその大任
を果たした。その勲業まことに偉
大である。
 ここに北海道百年を迎えるにあ
たり、その偉業を回顧し、功績を
後代に長く伝えるため、この像を
建立する。
  昭和四十二年十月
北海道開拓功労者顕彰像建立期成会
        会長 廣瀨經一




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