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空充秋「地」 旭川の野外彫刻(39)

2021年03月30日 09時09分09秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 常盤公園に入って左側に折れ、道立旭川美術館のほうに向かうと、芝生のなかに空充秋さん作の石の彫刻2点が置かれているのが目につきます。

 入り口に近いのは「生きる」です(冒頭画像で右奥に見えています)が、話の都合上、こちらの「地」から先に紹介します。

 これは第16回中原悌二郎賞(1985)の優秀賞を受けた作品。
 長方形の白御影石6個を、螺旋 ら せん階段のように積み上げたものです。

 空さんの彫刻は、石を彫ったり削ったりするのではなく、積み上げ、組み合わせることで形をつくっています。
 木片どうしをこういうふうに組み合わせるのはよくありますが、石では珍しいといえます。


 旭川叢書『あさひかわの彫刻』に空充秋さんの言葉が引用されているので、ここに引きます。

宇宙の地・水・火・風・空・識の中で、人間は自然と係わり合いながら生きている。その変遷を石自体の力を誘うように、柄と螺旋状にり上げた六段の石組で、日時計をも表現した。それらはお互いに力を合わせ、雪の北海道を強く生きていく指針であるかの如く


 「旭川野外彫刻たんさくマップ」によると、150×250×120センチ。
 高さ1.5メートルだと、積雪の最も多い時季には、てっぺんのほうしか見えないでしょうね。

 同マップには1984年制作とありますが、『あさひかわの彫刻』には1985年制作、1986年設置とあります。

 野外彫刻コンクール・UBE(宇部)ビエンナーレのサイトによると、空さんは1933年(昭和8年)、広島県生まれ。多摩美大卒。
 現代日本彫刻展で神奈川県立近代美術館賞や特別賞を、神戸須磨離宮公園現代彫刻展で東京国立近代美術館、神戸市緑化芸術賞、大賞を、連続して受賞しています。
 1987年に第5回ヘンリー・ムア大賞展で優秀賞。第6回でも優秀賞を受けています。







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