北海道美術ネット別館

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道新プラザ・ギャラリーがオープン

2007年06月06日 23時49分11秒 | 情報・おしらせ
 北海道新聞の本社北1条館の1階にきのう(5日)あたらしくできた「道新プラザ」のギャラリーに行ってきました。

 おなじ建物のなかで働いてるんだったら、初日に行ってこいよ、おまえよく恥ずかしくもなく北海道美術ネットのブロガーなんて名乗ってるな-という声も聞こえてきそうですが、5日は、仕事をしていて、気がついたら午後6時になっていました。ごめんなさい。
 (午前10時-午後6時という時間設定に不満がないわけではない。土日もあいてるようなので、その点は評価します)
 6日、仕事を抜け出して、ようやく足を踏み入れることができました。

 ギャラリーの壁面は、北海道新聞(6月3日)によると、縦横それぞれ、およそ11メートル。高さは2.8メートル。
 壁は白く、突起などがないのは、使いやすいと思います。スポットライト、レールなどもソツなくそろっているし。
 ただ、つくりが無難なぶん、
こういうギャラリーにしたいんだ!
という強い主張は感じられません。
 門馬アネックス、CAI、コンチネンタル、法邑…など、近年オープン・改装した札幌のギャラリーにくらべると、オーナーの意思が伝わってこない設計、オーナーがなにをしたいのかよくわからない設計だと思います。
 まあ、没個性的なギャラリーがあってもいいですけど。

 ただ、ギャラリーといえばつきものの、案内状やフライヤーなどを置く場所がありません。これは改善を望みます。


 オープン第1弾は、夕張市美術館所蔵作品展です。
 45点の過半数を油彩が占め、水彩5点、版画6点、書11点、日本画1点という内訳。立体・彫刻は1点もありません。
 佐藤忠良の作品も、彫刻ではなく銅版画です。
 また、どういう基準で誰がえらんだのかは、どこにも明記されていません。

 作者別にみると、畠山哲雄(1926-99年)が6点で最多。
「晴れた日の山」「ずり山のある」など、炭鉱が栄えていた時代の夕張を、おだやかな写実で描いた油彩がならんでおり、いかにも夕張市美術館らしい作品といえます。

 
 意外だったのは、バリバリの社会派美術家として名高い富山妙子(1921-)の作品があったこと。
 ただし、炭鉱を描いたおとなしい写実の小品です。
 もうひとり「おやっ、こんなのも持っていたのか」と思ったのが、伊原宇三郎(1894-1976)。こちらも穏和な写実の人物画でした。


 出品作は次のとおり。
小林政雄(1917-)
 「炭鉱譜」(1980)「悲報」(1960)
大黒孝儀(1907-96)
 「地球岬灯台」(1932)「コールビン雪景」(1950)
畠山哲雄
 「工場春日」(1952)「晴れた日の山」(1956)「ずり山のある」(1963)「冬のまち」(1974)「冬のやま」(1969)「校舎のある丘」(1977)
木下勘二(1917-89)
 「馬市」(1942)「鉱夫」(1958)
蔦子葉(1917-77)
 「静物」(1950年代)=日本画
加賀谷松雄(1939-86)
 「炭鉱のモニュメント」(1957)
富山妙子
 「角田炭鉱」(1957)
森川昭夫(1927-)
 「夕張岳」(1999)
白江正夫(1927-)
 「三つの窓」(1999)=水彩
斎藤清(1907-97)
 「北海道(C)」(1961)「パリ朝市」(1989)「会津の冬115(西会津・軽沢)」(1993)
佐藤忠良(1912-)
 「帽子の女」(1985)=銅版画
伊原宇三郎
 「画集を見る女」(不詳)
イサジコウ(1951-)
 「クレマチスの花」(1985)「山へ」(1986)=木版画
森熊猛(1909-2004)
 「鎮魂」(1948)=水彩
江川博(1937-)
 「冬の時代」(1976)
比志恵司(1935-)
 「鏡の中の自画像」(1982)
土屋千鶴子(1939-)
 「ニケ」(1999)
松原攻(1940-)
 「9月の空」
今本哲夫(1932-)
 「蒼の行進」
藤野千鶴子(1937-)
 「海は見ている」
山本作兵衛(1892-1984)
 「子ども」「蓬莱豆売り」
書は、藤根星洲、五十嵐秋報、藤根凱風、中野層翠、山田太虚、我妻緑巣、水野良子。


 なお、北海道新聞によると、今後の日程は次の通り。
21日-7月3日 夕張市所蔵の映画ポスター展
7月5-17日  ばん馬写真展
7月19-31日  風間健介写真展


 参考までに、北海道新聞の記事から引用しておきます。

 北海道新聞社は五日、本社北一条館(札幌市中央区大通西三)一階に、読者や道民向けの自由広場「道新プラザ」を開設する。プラザ・ギャラリーでは十九日まで、財政再建団体となった夕張市への支援活動として、「夕張市美術館展」を開く。

 夕張市美術館が所蔵する約一千点の中から、夕張ゆかりの作家二十八人による絵画や版画、書など四十五点を展示する。

 油彩画では、山並みの集落をしっとりと描いた作品や、炭鉱事故を大胆な構図で切りとった作品など、どれも夕張がたどった歴史を凝縮している。

 道新プラザのロビーと新聞閲覧コーナーは、午前九時-午後六時(年末年始を除き無休)。美術展は、午前十時-午後六時(最終日は午後四時まで)。いずれも入場無料。


(7日、書家の場所を入れ替えました)


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