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書の一分野、墨象(ぼくしょう)のグループ展です。
「墨人」という全国グループがあり、そのうちの札幌と旭川の会から選抜されたメンバーが展覧会をひらいているのです。
といっても、出品者はほぼ全道に及んでいます。
筆者にとっては、道内の墨人の作品は、量塊性と力強さを重視し、紙からはみ出さんばかりに書いた一文字書-という印象が強いです。
近年はやや多様化しているのようですが。
冒頭の手前の2点は、滝川出身で神奈川在住の中森博文さんの特別出品。「吾亦紅」の2点です。
なにがユニークといって、線にほとんど肥痩(ひそう)がなく、同じ太さで上から下まで一気にひとつの線で書かれているところがおもしろい。なんだか、ニシキヘビみたいにも見えます。墨をついだところがまったく見えません。一気に書いたのでしょう。
墨人のもうひとつの特徴は、額装・軸装している作品が少ないところですが、今回はいつになく軸装してあるものが目立ちました。といって、装具にもお金がかかりますし、書風からいっても、してもしなくても良いような気がします。
冒頭の画像で、天地に藍色の部分が見えるのは、樋口雅山房さんの「遊」です。三角形のかたちが安定をもたらしています。
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右はベテラン馬場怜さんの「色は匂へど」。
道内の墨人の展覧会で、一字書以外が出るのは、まれなことです。
馬場さんとしても、飄逸とした軽さの感じられるめずらしい作品だと思います。
向こう側の壁で、左側は、伊藤廸子さん「問」。
安定と余韻を感じさせます。
その右隣は、旭川のベテラン照井心磊さん「墟」。
これも引き締まった作品だと思います。
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右は、久保哲哉さん「洗」です。
出品作は次の通り。
荒野洋子(後志管内倶知安町)「獨」 180×160
石田光子(札幌)「海」 140×180
伊藤廸子(後志管内余市町)「問」 180×280
太田秋源(旭川)「虚」 180×142
太田暁雲(江別)「梵」 152×90
太田俊勝(札幌)「博」 140×180
木村重夫(小樽)「底」 152×90
久保昭(札幌)「継」 90×140
久保哲哉(札幌)「洗」 180×280
佐藤志珠(網走管内遠軽町)「空」 70×135
渋谷北象(旭川)「霊」 180×144
杉原和夫(後志管内岩内町)「淑」 90×120
助川有紀子(函館)「曳」 59×135
高橋節男(後志管内共和町)「戒」 90×152
立石芙美子(札幌)「堅」 180×140
近澤鷹齋(旭川)「慈」 116×80
丁名塚幸美(後志管内京極町)「叫」 70×140
塚本宏美(札幌)「丘」 180×140
照井心磊(旭川)「墟」 142×180
中野隆司(札幌)「仁」 90×180
馬場怜(後志管内余市町)「色は匂へど」120×140
樋口雅山房(札幌)「遊」 100×225
増子宏子(小樽)「灼」 140×180
山崎貫二(登別)「変」 180×140
吉田敏子(札幌)「粋」 140×180
特別出品
中森博文(神奈川)「吾亦紅」136×61(2点)
08年9月17日(水)-21日(日)10:00-18:00(最終日-16:00)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)
20日14:00と21日11:00から公開制作
21日14:00から公開研究会
■第6回
□樋口雅山房さんのサイト http://www.h7.dion.ne.jp/~gazanbou/index.htm
・地下鉄東西線「バスセンター前」駅から徒歩4分