
(承前)
※「過去の関連記事へのリンク」を追加しています
昨年(2024年)10月の帯広への「日帰りバスの旅」が、あと2回というところで、中断してしまっています。
ほかにも中断シリーズはあるのですが、取り急ぎ、残り回数の少ないこのシリーズを終わらせようと思います。
まずは、個展を企画したリサイクル業者のマテックのサイトから引用します。
思えばこの会場ほど、大橋さんの個展にふさわしい場はないかもしれません。
今回はリサイクル工場へ出向いて映像を撮る一方、そこで回収されるパソコンやビデオカメラ、デジタルカメラ(コンパクトも一眼レフも)、ポータブルDVD、ワイヤレスイヤホン、キーボード、ゲーム機などさまざまな電気・電子製品が、作品の素材となっています。
つまり大橋さんはそれらを写真に撮ってプリントアウトし、再度組み立てて、作品として提示しているわけです。
そこには「リアルとフェイク」といった問題設定が当然予想されるわけですが、これほどまでに記録媒体が多くあると、そこにこめられていたはずの、使用者の人生みたいなものの気配を感じてしまい、ちょっと感傷的な気分にもなってきます。
会場に並んでいるのは本物のカメラやパソコンではないので、使用者の人生も記録されてはいません。
といって、本物のカメラやパソコンをじっとにらんだところで、書物とは異なって、その人生は読み取れないことも、言うまでもないわけですが。
しかも、リサイクル業者は、それぞれのハードディスクに収められたあらゆる記録を完全に消去するのが仕事なのです。
ハードディスクの中身が人生そのものではないのはもちろんですが、なんだか諸行無常の思いが漂ってきます。でも、それは大橋さんの作品を鑑賞する姿勢として、なんだかあんまり正しくないし楽しくもないような気もしてきました。
「人生」が大規模に集められ、破砕され、消去される場所としてのリサイクル工場。
それは、すぐれて現代的な施設のように思えます(…と書いたけれど、われながら少し安直なまとめだなあ)。
ところで、大橋さんの展示歴って、もちろん札幌でもちゃんとあるわけですが(下のリンクには札幌パルコが入っていない)、網走、東京など地元以外が目立っていて、こんどは帯広です。
大橋さんに限らず
「この人に展示の機会をもっと」
と思ってしまう作家が地元には何人かいます。
※「過去の関連記事へのリンク」を追加しています
昨年(2024年)10月の帯広への「日帰りバスの旅」が、あと2回というところで、中断してしまっています。
ほかにも中断シリーズはあるのですが、取り急ぎ、残り回数の少ないこのシリーズを終わらせようと思います。
まずは、個展を企画したリサイクル業者のマテックのサイトから引用します。
本展示では、電子機器の解体の過程を記録し、その形を立体作品として表現しました。
マテック石狩工場で、人々の記憶を宿した電子機器たちが辿る「生と死」の物語を、映像と立体作品を通して提示します。
<大橋 鉄郎/プロフィール>
北海道札幌市出身。札幌大谷大学芸術学部美術学科メディアアートコース卒業。
インターネット上の画像などを起点に、紙とデジタルを融合させた立体作品を制作している。
目に見える表面的な情報の裏側にある、現代社会の欲望や虚構を独自の視点で描き出す。

今回はリサイクル工場へ出向いて映像を撮る一方、そこで回収されるパソコンやビデオカメラ、デジタルカメラ(コンパクトも一眼レフも)、ポータブルDVD、ワイヤレスイヤホン、キーボード、ゲーム機などさまざまな電気・電子製品が、作品の素材となっています。

そこには「リアルとフェイク」といった問題設定が当然予想されるわけですが、これほどまでに記録媒体が多くあると、そこにこめられていたはずの、使用者の人生みたいなものの気配を感じてしまい、ちょっと感傷的な気分にもなってきます。
会場に並んでいるのは本物のカメラやパソコンではないので、使用者の人生も記録されてはいません。
といって、本物のカメラやパソコンをじっとにらんだところで、書物とは異なって、その人生は読み取れないことも、言うまでもないわけですが。
しかも、リサイクル業者は、それぞれのハードディスクに収められたあらゆる記録を完全に消去するのが仕事なのです。

ハードディスクの中身が人生そのものではないのはもちろんですが、なんだか諸行無常の思いが漂ってきます。でも、それは大橋さんの作品を鑑賞する姿勢として、なんだかあんまり正しくないし楽しくもないような気もしてきました。
「人生」が大規模に集められ、破砕され、消去される場所としてのリサイクル工場。
それは、すぐれて現代的な施設のように思えます(…と書いたけれど、われながら少し安直なまとめだなあ)。

大橋さんに限らず
「この人に展示の機会をもっと」
と思ってしまう作家が地元には何人かいます。
札幌でも見られる機会が増えると良いのですが。
2024年10月6日(日)~20日(日)午前10時~午後7時(最終入場6時半)
マテックプロダクツ 2Fギャラリー(帯広市西22南3)
□https://tetsuro-ohashi.com/
過去の関連記事へのリンク
Table 大橋鉄郎 葛西由香 (2024年5月、画像なし)
■WHAT CAFE EXHIBITION vol.35 (3月22日~4月7日、天王洲)ー2024年春東京(20)
■VOCA展 現代美術の展望─新しい平面の作家たち(3月14~30日、上野) 2024年春東京(10)
■写真展 “Future is in the Past” 未来は過去にある。 (2024年1~2月)
■大橋鉄郎展「これって正解です(か?)」 (2021、網走)
■竣工50年 北海道百年記念塔展 井口健と「塔を下から組む」 (2020、小樽)
■ 塔を下から組む―北海道百年記念塔に関するドローイング展 (2018)
■JR Tower Art Planets Grand prix Exhibition 2018(画像なし)
札幌大谷大学芸術学部美術学科メディア表現領域3年展 / SAN-NEN-TEN 2014 (画像なし)
2024年10月6日(日)~20日(日)午前10時~午後7時(最終入場6時半)
マテックプロダクツ 2Fギャラリー(帯広市西22南3)
□https://tetsuro-ohashi.com/
過去の関連記事へのリンク
Table 大橋鉄郎 葛西由香 (2024年5月、画像なし)
■WHAT CAFE EXHIBITION vol.35 (3月22日~4月7日、天王洲)ー2024年春東京(20)
■VOCA展 現代美術の展望─新しい平面の作家たち(3月14~30日、上野) 2024年春東京(10)
■写真展 “Future is in the Past” 未来は過去にある。 (2024年1~2月)
■大橋鉄郎展「これって正解です(か?)」 (2021、網走)
■竣工50年 北海道百年記念塔展 井口健と「塔を下から組む」 (2020、小樽)
■ 塔を下から組む―北海道百年記念塔に関するドローイング展 (2018)
■JR Tower Art Planets Grand prix Exhibition 2018(画像なし)
札幌大谷大学芸術学部美術学科メディア表現領域3年展 / SAN-NEN-TEN 2014 (画像なし)
(この項続く)