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故・田村宏さんの「森語り」…7月23日の日記・2

2006年07月24日 12時08分44秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
 岩見沢市外から、美流渡、万字方面へと向かう道道夕張岩見沢線を走っていると、朝日地区の旧朝日駅の向かいあたりに、田村宏さんの作品を展示しているという小さな看板があった。

 ここは、何度かとおっているのだが、そんな看板は初めて見た。
 さっそく右折してみると、広場の奥に、「森語り」と書かれた立て札と、奇抜な木彫が20体ほど(ちゃんと数えてこなかった。すいません)ならんでいる。
 着彩されているものもあり、まさに森の精霊のような感じだ。



 田村さんは、昨年1月に亡くなられた彫刻家・画家である。
 1934年、樺太・豊原生まれ。
 道学芸大(現・道教大)岩見沢校を卒業。
 道展会員(油彩)だったが、「THE VISUAL TIME」展、「12稜空間展」、TODAY、サッポロトリエンナーレといった、戦後の北海道美術の歴史を画する前衛グループ展の多くに参画している。
 筆者は、晩年の、「北の彫刻展」の木彫や、ギャラリーどらーるなどで展示していた、目の粗い麻袋や、紙パレットに描いた絵しか知らない。
 交友のあった砂澤ビッキに関する小説も書いていた。
 笑顔が人懐こそうで、「きっと、生徒に慕われた学校の先生だったんだろうな」と思えるような人だった。


 あとで、スクラップアート美術館(岩見沢市栗沢美流渡)のババッチさんに聞いたら、この向かいに、田村さんが借りていた大きなアトリエがあったそうだ。
 田村さんが亡くなって、アトリエを整理し、そのうち作品ぽいものを、現在の敷地にまで運んで並べたのだという。




 なお、この広い敷地は、1999年に統合になった朝日小学校のあった土地らしい。
 校舎などはすっかり取り壊されて跡形もなく、小学校があったことを記念する、小野寺紀子さん作の少女像が立っている。
 おばけの中にひとりだけ人間が迷い込んだようにも見える。

 田村さんの作品は、材質が木だから、このまま放置しておくと、そのうちに朽ちてしまうだろう。
 それはいかにも惜しい気がする一方で、朽ちていくのがふさわしいような気もする。

 おおまかな地図です。
http://www.mapion.co.jp/c/f?grp=all&uc=1&scl=250000&icon=mark_loc%2C%2C%2C%2C%2C&coco=43%2F11%2F37.514%2C141%2F49%2F06.207&el=141%2F52%2F32.497&pnf=1&size=500%2C450&sfn=all_maps_00&nl=43%2F09%2F24.335&map.x=249&map.y=232


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
田村宏先生 (くどうようこ)
2011-07-25 12:40:41
何故かふと、先生のことを思い出してここにたどり着きました。有名な先生だったんですね。って今頃わかったりして(汗)
高校時代、美術を担任していただきました。いつも職員室には居なくて美術室に居るところが好きでした。押し付けがましくなく、生徒を自由にさせてくれました。先生のその後がわかって良かったです。ありがとうございました。
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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2011-07-26 00:07:02
くどうようこさん、はじめまして。
コメントありがとうございました。

田村宏さん、わたしも何度かお会いしただけですが、生徒さんから人気があったというのは、わかるような気がします。

ギャラリーたぴおで遺作展が開かれているのも見ました(たしか、道新に出ていました)。

また、ブログにあそびにいらしてくださいね。
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