北海道美術ネット別館

美術、書道、写真の展覧会情報や紹介。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメント、トラバはお気軽に。略称「ほびねべ」

ようこそ「北海道美術ネット別館」へ

2045年08月06日 08時15分17秒 | 展覧会などの予告
 ほぼ毎日更新しています。

 こちらもごらんください。
2013年7月29日到着分以降の情報の送り先について (2016年3月一部修正)



 東日本大震災をはじめ災害の犠牲者の皆さまにつつしんで哀悼の意をささげるとともに、避難者が一刻も早く落ち着いた生活に戻れますよう、祈念しております。




 このエントリは、掲示板のかわりとして、冒頭に置いています。展覧会の告知などでコメント欄を自由にお使いください。
 使い勝手をよくするため、会期が終わったコメントについては削除し、主宰者のレスは原則としてつけません。

 告知される方は、展覧会やイベントのタイトル、会場の名称と住所、会期と時間をかならず書いてください。よろしくお願いします。(かんたんな内容も書いてくださるとありがたいです)

 なお、初めていらした方は、こちらに、このブログの概要が書いてありますので、お読みください。

 筆者への連絡先は、右カラムにあります(あっとを@にしてください)。申し訳ありませんが、以前のメルアドは開けません。

 このブログの作品画像は原則として作家、あるいはギャラリー関係者、主催者に許諾を得ています。無断転載はお断りします。
(許可したおぼえはないので削除せよ-という方はご連絡ください)
 作者ご本人が使用されるのは、もちろんいっこうにさしつかえありません(「北海道美術ネット」から-と付記していただけるとうれしいですが、その旨なくてもさしつかえありません)

 このエントリは、随時改稿します。



twitterで、個展やアートの情報をほぼ毎日午後8時50分ごろから流しています。

 また原則、毎週木曜夜に、新着情報を流しています。

 @akira_yanai のフォローをお願いします。ツイッターでのつぶやきは、毎日未明に自動的にまとめられてこのブログにも掲載されます。



 RISING SUN ROCK FESTIVAL IN EZO (ライジングサン・ロックフェスティバル)の話題は、ひとつのカテゴリにまとめてあります。
 右のカラムをご覧ください。
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大雪の記録。大通公園の「一石を投じる」、市電線路その他の写真 Heavy snow in Sapporo

2016年12月11日 01時01分01秒 | つれづれ写真録
 
 雪に覆われて何がなんだかわからなくなっている、札幌市資料館前の「一石を投じる」。




 大通公園の西12丁目。




 大通公園の西11丁目。




 市電はこの日、終日全線が運休した。




 西4丁目電停。これはちょっと驚きの眺め。




 西4丁目交叉点。これでは電車が走れない。




 西3丁目から見たテレビ塔。
 4丁目からはまったく見えなかった。
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12月10日(土)のつぶやき その3

2016年12月11日 00時52分01秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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12月10日(土)のつぶやき その2

2016年12月11日 00時52分00秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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12月10日(土)のつぶやき その1

2016年12月11日 00時51分59秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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■第56回道都大学中島ゼミ展 版と型をめぐって 5つの個展と11人の冒険 (2016年12月6~11日、札幌)

2016年12月10日 21時56分02秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 シルクスクリーンの版画や染色の分野で多くの人材を創り手を輩出してきた道都大中島ゼミの展覧会。
 56回というすごい回数になっているのはかつて年に複数回開いていたためです。
 このゼミ展以外にも「ナカジテクス」「ナカジプリンツ」と題した小品即売会や、学生の2人展なども数多く開かれており、ゼミ生は精力的に制作に取り組んでいます。

 「版と型をめぐって」と題したゼミ展は、近年は12月に札幌市民ギャラリーで、学生5人をピックアップして個展形式で展示し、他の学生やOBをグループ展で展示するというパターンになっています。
 その5人は、

 板谷有実子、小林ちほ、瀬川綺羅、田中咲、棚上吉

 このうち瀬川さんと田中さんは昨年の第55回でも個展形式で発表しています。

 5人のうちシルクスクリーンを手がけているのが2人だけというのも、自由なこのゼミらしいところです。

 なお、冒頭画像は、指導教授の中島義博さんが自らの飼い猫をテーマにした「カエッテキタヨ」です。



 板谷さんは「天気」「気候」がテーマ。
 シルクスクリーンで刷った「くもりのち晴れ」などの作品を、洋傘に仕立てました。骨の部分は市販のビニール傘を流用しています。
 たしかに、傘というものは日常生活をおくるのに欠かせませんが、透明なビニール傘や紺色・黒の傘ばかりではつまらないです。ただでさえ気分が重くなりそうな雨降りの日に、こんな明るい色づかいの傘があると、外出も楽しくなりそう。
 板谷さんは「防水は一応ためしてみましたが、日傘で使うのもいいかなと思います」と話していました。
 ほかに、カーペット用の厚い布に刷った作品もありました。




 ギャラリー犬養の個展でショッキングな題材の絵画を多数発表してきた田中さん。
 今回は正面の壁に、200号はありそうな「樹胎 II」という絵を、木枠も額装もなしに直接貼り付けています。
 焦げ茶色の土の中に、白く細い根が伸び、その下に裸婦が横たわっています。周囲には、毛虫やモグラ、アンモナイトなどが配されています。この女性は行きながら埋葬されているのでしょうか、それとも土の中から新たな生命を得て生まれ出ようとしているのでしょうか。

 会場には題のない作品もあり、散らかった部屋の中で首のない人物が、人間の頭部を、長い髪をつかんで振り回している絵や、バレリーナの格好をしてベンチに座った女の手前で、男が首をつっている(ただし胸から上は描かれていない)絵もありました。
 「はんぶんちょ」は、女が、正座している男の頭頂部にナイフをあてて彼を縦に二つに切り分けようとしている場面です。
 グロテスクな作品が多く、画家の気持ちがひりひりと伝わってくるようです。




 棚上さんは5人のなかで唯一、オーソドックスな版画作品を展示しています。とはいっても、エディションを見るとすべて1/1で、いずれもモノタイプのようです。
 紙版画のような画肌の「はんぱもん」、淡い色合いの「知らないことを知る」など、多様な作風です。
「なにかありそうだから立ってる」は、題の通り人物3人が立っている様子を描いていますが、画面のあちこちでめまぐるしく交錯するモノトーンの濃淡がダイナミックな雰囲気を画面にあたえています。




 小林さんのペーパークラフトは美工展でも見ましたが、驚くほどの精緻さです。
 たいていの人はその細かさを人物などの描写に用いがちですが、彼女は抽象的な文様に仕立てたり、あるいは具象的な絵でも、全面を細かい切り絵で埋め尽くすのではなく、ここぞというところに集中して使うので、見た目にメリハリというか、インパクトが生まれるのだと思います。
 たとえば「大きな声」は、ヒマワリの花々を図案化し、花の中だけを細かい文様で埋めています。

 画像は「線リンゴ」「コピーリンゴ」「石目リンゴ」の3部作。
 同じ図柄で、中央のリンゴの表現方法だけを、細い線の集積にしたり、網目模様にしたりしています。
 これには、筆触で空間とモノを表現するあたらしい絵画を生み出そうとしたセザンヌもびっくりではないでしょうか。




 瀬川さんも絵画で、昨年はグループ展12回、個展3回という恐ろしいほどの活動ぶりでした。
 淡々とした筆致の人物画が中心ですが、人の腕をなめる女を描く「這う舌」、黒い目隠しをした女の顔がモティーフの「赤い感覚」など、どこかエロチシズムをたたえているのが特徴です。
 正面の壁にある、最も大きな作品は「日々のあなた」。両手の指と指をつないでつくった空隙の隙間から、寝転がりながら靴下をはく女などをのぞいて見る―というふしぎな構図です。

 このほか、ナガイユカリさん、かとうちひろさん、吉永眞梨香さん、安井智美さんがシルクスクリーンの布作品を並べた部屋も見応えがありました。
 吉永さんの「メジロとレモン」「ヒトデと洗濯ばさみ」は、似ていないようで似ている二つのモチーフを散らして並べたところがおもしろいです。


2016年12月6日(火)~11日(日)午前10時~午後6時(初日は午後1時~)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)



・地下鉄東西線「バスセンター前駅」から約200メートル、徒歩3分
・ジェイアール北海道バス、中央バス「サッポロファクトリー前」から約520メートル、徒歩7分(札幌駅バスターミナル、時計台前などから現金のみ100円)
・周辺にコインパーキングあり

□中島ゼミのFacebookページ https://www.facebook.com/nakajimazemi/

田中咲個展「お部屋」 (2016年8~9月)
田中咲個展「いる」 (2015年9月)

第7回有限会社ナカジテクス (2016年4月)※瀬川さん出品
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12月9日(金)のつぶやき その2

2016年12月10日 00時52分43秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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12月9日(金)のつぶやき その1

2016年12月10日 00時52分42秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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■佐藤武自選展 1967-2016(2016年12月5~10日、札幌)

2016年12月09日 23時59分59秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌時計台ギャラリーは、来週も再来週も展覧会が行われるが、高校生以下の展示なので、プロの画家の登場は今週が最後になる。そして、事実上のアンカーが、佐藤武さんである。
 佐藤さんは若いころ、同ギャラリーのオーナー荒巻義雄さんとインドを旅し、その際の体験が、後の画風に大きな影響を与えている。そのことは、作品を見れば一目瞭然である。札幌時計台ギャラリーの最終走者として、これほどふさわしい人はいないだろう。

 佐藤さんは1947年千歳生まれ。
 油絵も版画も独学というから驚く。
 団体公募展には属さず、67年以来、各地で述べ87回の個展を開いている。

 2階の全3室を使い、初期の1970年ごろから近作までの絵画を展示している。
 一部デッサンもあるが、版画は3カ月ほど前にギャラリー山の手で個展を開いたので、今回はない。
 正確には、A室に近作を並べ、B室は1980~90年代が中心。廊下を挟んで、C室には1970年代の小品が展示されている。
 個人的には、C室の作品ははじめて見たので、興味深かった。

 初期作品のおもしろさというのは、画家のルーツがどこにあるのかを知る楽しさともいえるかもしれない。
 たとえば79年の「時計のある室内」。
 古風な掛け時計のある部屋に、赤と白の格子模様の布が掛けられたたんすが置かれ、布の上にはタロットカードとその箱が置かれている。時計の左側の壁には「BOSCH THE GARDEN OF DELIGHTS」と付記されたポスターが貼られているのだ。
 もっとも、いまの佐藤さんの絵には、ボッスのような風刺性はあまり感じられない。

 80年「冬の日」は、灰色の空を大きくとった縦構図の風景画。
 下部には雪原が広がるが、右下に手前から奥へと連なる電線と鉄塔の列が描かれ、はるか遠くには赤と白の大きな煙突が3本立っている。火力発電所か工場か。
 どこかドイツロマン派的な雰囲気は、近年の作品にも通奏低音のように流れ込んでいるのかもしれない。

 もうひとつ、非常に感服、脱帽したことがある。
 84年の「五月の陰翳」など、尖塔や城壁が崩壊する瞬間を精緻かつ静かな筆致で描いた作品は、悪いものではないが、透視図法がやや生硬というか、いかにも透視図法を使って描いていますよ、という感じがぬぐえない。
 それが、最近の「旅の終わり」シリーズなどを見ると、透視図法を強調した構図は後退し、はるかな荒野に長い城壁や石造りの廃墟が点在するような、自然な風景描写になっている。自然な、といっても、草ひとつはえず、人っ子ひとりいない荒野の描写は、超現実主義的な光景であるが。

 最近作「旅の終わり(雪降る頃)」2枚のカンバスからなる大作。
 以前空を音もなく横切っていたオベリスクに代わり、直線が中空に走る。
 地上には雪は降っていない。きわめてリアルな描写だが、荒涼とした光景は非現実的でもある。いや、似た風景は、インドにあるのだろう。
 インド体験が数十年の時を経て佐藤さんの内部で熟成し、現実とも架空ともつかない、空間も時間も超越した不思議なはるばるとした光景を、現出させているのかもしれない。


2016年12月5日(月)~12月10日(土)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)

http://tsart1113.wixsite.com/tsart1113

関連ファイルへのリンク
佐藤武銅版画展 55年の軌跡 (2016年9月)
佐藤武展 (2014、画像なし)

佐藤武展 時空の果て (2013、画像なし)
【告知】佐藤武小品展 (2013年7月1~30日、石狩・厚田)

【告知】佐藤武展-暮れゆく大地ー (2011、札幌)

見えるもの⇔見えないもの-イマジネーションのちから-(2009)
佐藤武展 25年の軌跡(2007)
佐藤武展(2005)
佐藤武銅版画展(2004、画像なし)
佐藤武展(2003、画像なし)


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毎日新聞「この1年 書」は今年も道内の書展を取り上げた

2016年12月09日 00時59分59秒 | 展覧会の紹介-書
 けさ(2016年12月8日、北海道配布)の毎日新聞を見たら「この1年 書」という記事が載っていました。

http://mainichi.jp/articles/20161206/dde/018/040/016000c

 もう年末の回顧ものの季節なんだ、早いな~と思いました。

 ところで、アートに関する書き手のなかで、筆者がもっとも尊敬しているひとりは、毎日新聞の書道担当、桐山正寿記者です。

 彼は以前から、道内で注目すべき展覧会があれば、東京から足を伸ばして見に来るのです。
 こういう記者やジャーナリストはほかにはいません。

 今年の年末回顧でも、収穫として挙げた五つの書展のうち一つは、8月に札幌市資料館で開かれた「大川壽美子書展」です。

 大川壽美子書展(8月)は、「かなの美」を味わいつくそうという壮大な意欲が満ちあふれていた。日本文学史総ざらいという趣。

 さらに、今年の収穫として七つの個展を挙げていますが、その中に、10月にスカイホールで開いた「山田太虚傘寿記念書展」が含まれています。
 また、道立函館美術館の「金子鷗亭の世界」(鷗は鴎の正字)にもふれています。

 けっして長くはない文章の中で、道内の書の展示を三つも挙げているのは、やはりすごいといわざるをえません。書道王国=北海道の面目躍如であると同時に、それをきっちりと受け止めて全国に向けて発信してくれる記者がいることのありがたみを、あらためて感じるのです。

関連記事
毎日新聞「書の世界」が、創玄展での北海道勢の活躍を特筆
ことしの「この1年 書」(毎日新聞)
毎日新聞文化欄「この1年 書」から。道内の書展をきちんと全国の書の動向の中で位置づけている文章 (2009)
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12月8日(木)のつぶやき その3

2016年12月09日 00時52分23秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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12月8日(木)のつぶやき その2

2016年12月09日 00時52分22秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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12月8日(木)のつぶやき その1

2016年12月09日 00時52分21秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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■木田金次郎の本棚(2016年11月10日~17年3月28日、岩内) バスと列車で後志の4館を巡る(5)

2016年12月08日 21時57分48秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
(承前)

 木田金次郎の書棚にあった本を、彼の絵とともにならべて展示するという企画です。
 画家の読書傾向を知ることのおもしろさは確かにありますが、それよりも、書物とその入手経路を通して彼の交友関係がわかってくるたのしさの方が大きいと思います。

 かつて木田金次郎のイメージといえば、ひとことで言って「孤高の画家」だったのではないでしょうか。
 北海道の漁村に引っ込んで、絵を売ることもほとんどなく、戦後になるまでは個展すら開くこともめったになかった画家。いずれかの団体公募展に所属することが一般的な時代だったにもかかわらず、縁がなかったのも異例です。戦後は全道展の創立に参画しながら、ついに一度も出品していません。

 しかし、木田金次郎美術館は、毎年の企画展で調査を重ねて、孤独かと思われがちだった画家が意外にも広い交友圏をもっていたことを、粘り強くあきらかにしてきました。
 むしろ、画壇外の人が多いので、ふつうの画家よりも興味深いといえるかもしれないほどです。
 また、戦前から、たまに雑誌などに本人が登場しています。

 では、どんな本が絵のとなりに陳列されているのでしょうか。列記してきましょう。

菊地一雄「ロダン」(中央公論社)
高村光太郎訳「ロダンの言葉」「続 ロダンの言葉」(新潮文庫)

 大正から戦前にかけては日本のロダン熱が今よりもはるかに高く、「白樺」派の面々は崇拝しているといってもいいぐらいでした。有島武郎も白樺派でしたから、木田もその影響をとうぜん受けているはずです。
 実際、ロダンの言葉は、彫刻の入門書としてすこぶる役に立ちます。芸術家の生き方を記した本としても、学ぶべきところがいまでもある本だと思います。
 岩波、講談社文芸の各文庫で入手できます。


式場隆三郎訳「ゴッホの手紙(三)」(創芸社 近代文庫)

 この文庫ははじめて知りました。
 いうまでもなくゴッホも日本人が好きな画家。彼の書簡集も岩波文庫で版を重ねています。近年、みすず書房から新しい訳と編纂の書簡集が出版されました。


小高根太郎「富岡鉄斎」(吉川弘文館人物叢書)
茅沼炭鉱産業株式会社「開礦百年史」

 木田が文章を寄せています。茅沼は岩内のとなり、泊村にあった歴史の古い炭坑で、ここに敷かれた軌道は、手宮―札幌間よりも古いという説があります。

 次に列挙するのは、壁ではなく、床の上のコーナーにまとめて置かれた本(の一部)です。
 講談社「日本美術大系」全11巻、平凡社「世界大百科事典」全32巻、「現代絵画の四巨匠 ルオー、ピカソ、マチス、ブラック」「ペルシャ美術」「原色版人物画選 KLEE」「美術手帖」1956年12月号、原色版ライブラリー「ボナール」、「ルーブル国立美術館」「フランス美術展解説」

 壁面に戻ります。
和田日出吉「岩内山の邂逅」

 これは本ではなく、有名な月刊誌「文芸春秋」1960年4月号の巻頭随筆です(今とレイアウトがまったく変わっていないのがすごい)。
 和田さんは人気女優の木暮実千代の夫で、木暮さんは木田の「岩内山」が気にいってコレクションしていたのでした。

 続いて、NHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」コーナー。
 主人公のモデルとなった大橋鎭子しずこは、ドラマでは浜松出身となっていましたが、実際は幼いころを北海道で過ごしており、共和町の小沢こざわにいたのです。
 木田の絵「牡丹」は大橋が所蔵していたもので、朝日新聞の論説委員で木田を推していた笠信太郎が亡くなったさいに彼の遺族から贈られたものだとのことです。


石森延男「コタンの口笛」(東都書房)

 北海道を舞台とした児童文学の代表作。


三宅泰雄「岩内の郷土画家」

 「黒潮」という1943年刊の随筆集に収められた文章。よく見ると「ネヴォといふコーヒー店」などというくだりもあります。戦前、文化人がたむろした札幌の伝説的な喫茶店です。
 三宅は東京教育大(現筑波大)教授。この近くに、木田、猿橋勝子、三宅が、島本融の邸宅でいっしょに撮った写真が展示されています。いまは猿橋勝子のほうが有名かもしれません。彼女の名を冠した猿橋賞が、女性科学者に与えられています。
 また島本邸は、札幌・藻岩山そばに移され「ろいず珈琲店」として現存しています。


 …とまあ、こんなぐあいで、ほかにも
中澤茂「助命嘆願」(草土社)
呉茂一「ギリシア神話」(新潮社)
八木義徳「女」(河出書房)
島本融「銀行生誕」(ダイアモンド社)

などがあります。
 島本の本は、木田が表紙を描き、装丁も担当しています。
 ほかにも装丁した本は何冊かありました。

 最後は、木田の絶筆となった「バラ」を彼にオーダーしたといわれる花崎利義「人生の坂」と、美術雑誌「みずゑ」1959年6月号掲載の針生一郎による個展評です。
 名高い美術評論家の針生は、木田の個展を「事件」とまで呼んで絶賛しました。


 美術館の岡部さんは「苦し紛れで…」と謙遜なさっていましたが、けっして予算が潤沢ではないであろう中で、工夫をこらしてユニークな視点の美術展を開いているのは、ほんとうにすばらしいことだと思います。
 筆者は50分しかいませんでしたが、もっとじっくり見たい展覧会でした。

 というか、木田の絵のことをほとんど記してなかったので、少しだけ。
 木田金次郎美術館の所蔵品は、岩内大火後の作品が多いという印象がありましたが、今回見ると、それ以前の絵や戦前のものが多くて、びっくりさせられました。少しずつ所蔵品、寄託品が増えているようです。
 個人美術館とか常設展とかも、しばらく見ないとだめですね。
 


2016年11月10日(木)~2017年3月28日(火)午前10時~午後6時(最終入館~5:30)、月休み、
木田金次郎美術館

一般500円、高校生200円、小中生100円

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札幌時計台ギャラリーの閉鎖と絵画の凋落

2016年12月08日 00時59分00秒 | つれづれ日録
 すでにお伝えしたとおり、道内の美術シーンを牽引してきた札幌時計台ギャラリーが半世紀の歴史に幕を閉じる。
(参考:■札幌時計台、たぴお、大同の各ギャラリーがない札幌アートシーンとはどんな世界なんだろう。 2016年2月24日アップ)

 今週(12月5~10日)は佐藤武さんの個展と北海道版画協会展が開かれている。
 来週が大谷高・中の展覧会で、最終週が子どもの絵画教室展なので、こう言ってはなんだが、ラストスパートに入ったと言ってさしつかえないだろう。
(この段落の誤変換、直しました)

 時計台ギャラリーが閉まることについては、上記の記事、とくに3章と4章で述べておいたので、できれば読んでください。

 北海道新聞2016年12月7日夕刊で、時計台ギャラリーのオーナー荒巻義雄さん(SF作家)と、42回もの個展を開いてきた画家の伏木田光夫さんが対談している。
 そこで、伏木田さんが重要な指摘をしている。

東京は個展と画商が連携しているが、北海道は美術市場があまり成立しなかった。だから純粋に芸術の発表の場になり、見る方もそれを求めていた。

 それに対し、荒巻さんが「顧客にこびたような商売用の「売り絵」を描くとバカにされてたね」と応じている。
 実際、時計台ギャラリーで荒巻さんは、サムホールや10号ぐらいの絵ばかりの個展に対しては、評価は辛かった。その一方、団体公募展で発表した100号クラスの絵だけを2、3年分並べる個展もあまり好きではないらしく、大作から小品までバランス良く展示された会場を好んだ。

 上記の紙面には、美術評論家として長く同ギャラリーでの展覧会を見て来た吉田豪介さんの談話も出ていて「絵描きにとって憧れの場所」という見出しがついている。



 さて。
 以上のことからあきらかになるのは、同ギャラリーが(おそらく無意識のうちに)、展示物として想定しているのが、もっぱら絵画であるということではないだろうか。

 筆者も、ぜんぜん関係のない人から「ヤナイくん、絵を見るのが好きなんだって」と言われることがたまにある(とくに、年上の人が多い)。
 業界以外の人にとって、美術(アート)と絵はイコールなのである。

 確かにかつては、絵画(とくに洋画)が美術界で首座の地位を占めていた。
 いまも道展や全道展、新道展などでは、絵画(油彩)部門の展示数が最も多い。

 だがもちろん、美術は絵画だけではない。
 貸しギャラリーを利用するのは、彫刻、書道、写真、インスタレーション、工芸などいろいろな分野があるのは、いうまでもないだろう。
 時計台ギャラリーでは、絵画展が大きな割合を占めている。
 これは、書道については昔からスカイホールが強みを発揮しており、また写真に関しては、市内に複数の専門ギャラリーが存在するという事情もあるだろう。
 その上、時計台ギャラリーでは、搬出・搬入を、最終日の土曜午後5時からの1時間で済ませるのが通例になっているという(実際には、それよりも長引くことも少なくなかったようだが)。かように慌ただしい搬入作業では、インスタレーションなどの設置は難しい。
 また、時計台ギャラリーは、新しいギャラリーに比べると天井があまり高くない。150号の絵画の展示には支障がないが、近年の大型インスタレーションには対応しきれていない。45年前の設計なので、やむをえないのだが。

 ご存じの通り、絵画の首座は現在、前衛側と裾野側の双方から脅かされている。

 国際芸術祭など現代アートの最前線では、ワークショップやリサーチ型展示、映像、鑑賞者参加型などの発表が増え、一般的な絵画はごく少数派となってしまった。
 もちろん絵画が制作されていないわけではない。しかし、絵画の主舞台はビエンナーレなどではなく、商業画廊やアートフェアなどに移り、その結果、100号大の作品などは、団体公募展などに出すのでもない限り、日の目を見なくなってしまった。

 その一方で、日曜画家も減っている。
 趣味で美術制作に携わる女性や若者の多くは、油絵ではなく、「ものづくり」と呼ばれる、アクセサリーやイラストレーションなどに取り組む傾向が目立っている。
 こういう人は時計台ギャラリーを借りないし、絵を見に来ることもない。

 時計台ギャラリーの稼働率が低下した背景には、このような美術界の状況が影を落としているものと考えられるのだ。

(この項続く) 
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