北海道美術ネット別館

美術、書道、写真の展覧会情報や紹介。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメント、トラバはお気軽に。略称「ほびねべ」

ようこそ「北海道美術ネット別館」へ

2045年08月06日 08時15分17秒 | 展覧会などの予告
 ほぼ毎日更新しています。

 こちらもごらんください。
2013年7月29日到着分以降の情報の送り先について (2016年3月一部修正)



 東日本大震災をはじめ災害の犠牲者の皆さまにつつしんで哀悼の意をささげるとともに、避難者が一刻も早く落ち着いた生活に戻れますよう、祈念しております。




 このエントリは、掲示板のかわりとして、冒頭に置いています。展覧会の告知などでコメント欄を自由にお使いください。
 使い勝手をよくするため、会期が終わったコメントについては削除し、主宰者のレスは原則としてつけません。

 告知される方は、展覧会やイベントのタイトル、会場の名称と住所、会期と時間をかならず書いてください。よろしくお願いします。(かんたんな内容も書いてくださるとありがたいです)

 なお、初めていらした方は、こちらに、このブログの概要が書いてありますので、お読みください。

 筆者への連絡先は、右カラムにあります(あっとを@にしてください)。申し訳ありませんが、以前のメルアドは開けません。

 このブログの作品画像は原則として作家、あるいはギャラリー関係者、主催者に許諾を得ています。無断転載はお断りします。
(許可したおぼえはないので削除せよ-という方はご連絡ください)
 作者ご本人が使用されるのは、もちろんいっこうにさしつかえありません(「北海道美術ネット」から-と付記していただけるとうれしいですが、その旨なくてもさしつかえありません)

 このエントリは、随時改稿します。



twitterで、個展やアートの情報をほぼ毎日午後8時50分ごろから流しています。

 また原則、毎週木曜夜に、新着情報を流しています。

 @akira_yanai のフォローをお願いします。ツイッターでのつぶやきは、毎日未明に自動的にまとめられてこのブログにも掲載されます。



 RISING SUN ROCK FESTIVAL IN EZO (ライジングサン・ロックフェスティバル)の話題は、ひとつのカテゴリにまとめてあります。
 右のカラムをご覧ください。
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■Golden Round (2017年3月4~26日、札幌)

2017年03月26日 01時11分11秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
Hello darkness,今日のニュースでは、最新のテクノロジーが生身の知性よりもはるかに先鋭な直観を開発したと報じられたらしい。私の頭の中には、いまだ言葉にならないイメージの揺籃。矩形の窓から差し込む光は煌めくけれど、この部屋の小さな陰影に何を映せばよいのだろう。そしてこれからも絵画は続く。

公園に朽ちた遊具ジャングル・グローブを見いだして、そこにエネルギーの充実とそのグローバルな循環のたわみを読み取り制作してきた林亨は、いま最新の科学技術における技術的特異点に新たなエネルギーの喧騒を見出している。大井敏恭の作品のなかでは、言葉の形をとらない思考mentaleseが、絵画を通して響くように表現される。エナメル質の桎梏で心電図のリズムを刻み音楽の波を描いてきた末次弘明は、絵画材料の薄闇に目を凝らし、そこに新たな光を見出そうとする。彼らの絵画におけるゴールデン・ラウンドは、この地からそれぞれに輝く軌道を描き、絵画をめぐる新たな旅となるだろう。
(塚崎美歩) 
   

 絵画3人展。
 ここでは、末次弘明、林亨、大井敏恭の順に画像を並べました。
 3人とも、題は付していません。

 時々耳にするのは、メンバーが重複していて、会場も同じだった「絵画の場合」展と、違いがよくわからない―という声です。
 しかし「絵画の場合」展のときに加わっていた「絵画から発展してすでに平面でなくなっていたメンバー」がすべて抜けているので、「絵画」展という純粋さがよりはっきりとしているのは確かだと思います。






 末次さんの絵は、オシロスコープとか心電図を思わせます。
 エナメル質の鮮烈な黒の波動は、音楽のようです。
 鑑賞ワークショップでは、水田や麦畑を連想した人もいたようですが。







 林さんの絵は、何層にも色とストロークが重なり合い、近代の透視図法とは別の奥行き感があります。こればっかりは、画像ではどうにもうまく再現できません。
 画面にあちこちに、規則性を排して置かれた円の水玉、そして絵の具の塊は、もっとも手前側にあるように見えます。
 これが、浮遊する魂なのか、あるいはもっと造形的な意味を持つのかは、見る側の解釈にゆだねられています。






 ギャラリーの中二階には大井敏恭さんの作品。
 上の作品は「玉手箱」、下の画像の左側の絵は「北の島、南の島」というそうです。

 大井さんは、会場で無料配布している小冊子「WIP JOURNAL」vol.1 で自作を解説しているので、お読みいただければ幸いです。


 
 ゴールデンラウンドとは、1788~1826年に就航していた、米国船による世界一周航路のことで、北太平洋からハワイを経て、広州、ボストンと回っていたらしい。

 3人の画風は異なるが、鑑賞者の視線をたくみに誘導させつつ、さまざまな連想を促すという点では共通しています。単純な写実ではなく、といってカラーフィールドペインティング的な純粋抽象とも異なります。
 
 見ごたえのある展覧会です。


2017年3月4日(土)~26日(日)午前10時~午後7時、無休
北翔大学北方圏学術情報センターポルトギャラリーA(札幌市中央区南1西22)


関連記事へのリンク

【告知】Golden Round

The songlines (2016年4月)
【告知】NO-DOアートプロジェクト―ポルト・由仁「夏の遠足2015」
北翔大北方圏学術情報センタープロジェクト研究美術グループ研究報告展 Caustics (2015)
Art in Progress 企画展「Timeless:時の肖像」 (2013)
【告知】絵画の場合2012 -最終章-
=以上、3人とも出品


SAG INTRODUCTION(2009)
絵画の場合(2007年1月)
絵画の場合(2005年)
=以上、大井氏と林氏が出品


WAVE NOW 2016
林亨展(2004年)
林亨展(2002年)
林亨展(2000年)


第71回全道展(2016年6月)=末次さん出品。画像なし
末次弘明のまとめ展 (2012年)





・地下鉄東西線「西18丁目駅」1番出口から約390メートル、徒歩5分。2番出口から約490メートル、徒歩7分
・同「円山公園駅」5番出口から約460メートル、徒歩6分

・ジェイアール北海道バス「北1条西20丁目」降車、約420メートル、徒歩6分
※手稲方面行きが止まります。快速や都市間高速バスは止まりません
・ジェイアール北海道バス、中央バス「円山第一鳥居」降車、約680メートル、徒歩9分
※手稲、小樽方面行き(都市間高速バスを含む)全便が止まります

・ジェイアール北海道バス「桑11 桑園円山線」の「大通西22丁目」降車、すぐ目の前。
※桑園駅-大通西22丁目-円山公園駅―啓明ターミナルを走っている路線です
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■札幌美術展 柿崎熙―森の奥底 (2017年1月28日~3月26日)

2017年03月25日 14時58分15秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 札幌芸術の森で開かれている柿崎ひろし展にようやく行ってきました。
 40年以上にわたり道内の現代美術をリードしてきた作家の一人である彼の全体像をとらえた好企画でした。

(なお「崎」の字はポスターなどでは異体字が用いられていますが、機種依存文字でもあり、当ブログは一般的な字体を用います)


 1.柿崎熙という人

 柿崎さんは1946年留萌生まれ。
 ことしで70歳ですが、そうとは見えない若々しさで、札幌のギャラリーでも奥様と一緒に鑑賞なさっているのをよくお見かけします。

 留萌高校から道教大の特設美術科(いわゆる「特美」。道内で活躍する美術家の多くを輩出した)に進みます。
 初期には油彩やシルクスクリーン(こちらは現在まで続く)を手がけていましたが、のちに立体やインスタレーションに移行します。
 80年代以降は、野外展や大型グループ展に参加するとともに、韓国の現代美術家との交流にも力を注ぎ、同国の作家も参加する「水脈の肖像」展の開催にあたり中心的な役割を果たしました。
 現在は石狩在住です。


 2.おおまかな流れ

 開催・企画した札幌芸術の森美術館の佐藤友哉館長が図録で「弁証法」という語を用いていますが、それに従うと、今回の展覧会で示された図式は、次のようなものといえます。

 つまり

イ)最初期の油彩「変容への呪縛」(1970)や、石膏によるインスタレーション「密会の廟より 2」(82)にみられるように、現代の閉塞へいそく状態に対する異議申し立てをこめた、ある意味で若々しい作品

ロ)丸太と金具を連結した「異形の地平から」(1984、2017再制作)で表現した、空間の構成に重点を置いた作品


の二つの傾向がまずあり、そこから、

ハ)バードウォッチングなどで体験する身近な自然から着想した、90年代以降の「林縁から」などのインスタレーションのシリーズ


が形成されていく。そういう流れが見えてきます。

 ちなみに「林縁から」は、最初は色とりどりの羽がとりつけられたようなスタイルでしたが、途中からは白一色になり、種子やハスの花などさまざまな形の立体を、壁に取り付けたり、床置きしたりして、配置したものになっています。

 これに加え、作者が余技という、鉛筆で描いた野鳥の絵を数点展示しています。


 3.「林縁」と「森の奥底」

 「林縁から」は、作家が感じた札幌郊外の自然の営みを、そのまま写生するのではなく、昇華させて展開したシリーズと、とりあえずは要約することができるでしょう。

 これまで筆者が見た「林縁から」はどちらかというと、ライトで軽快という印象を受けていました。
 大型グループ展では、力作の間にあって、いわば交響曲の第2楽章のような、ちょっとホッとするような位置づけの作品だったと思います。
 また「真正閣の100日」展などでは、和室の畳の上にさりげなく作品が置かれ、精緻な工芸品のような顔も併せ持った、気さくな立体のように感じられました。

 このことは「林縁から」シリーズが、北海道の過酷な大自然とがっぷり四つに格闘した作品というよりは、札幌郊外の親しみやすい自然との交歓から生まれたものであることと無関係ではないでしょう。

 ただし、今展覧会は「森の奥底」という副題がついています。
 展示室の照明はやや落とされており、これまで筆者が見てきた「林縁から」とは微妙に異なって、神秘的かつ荘重な雰囲気がかもし出されているように思われました。
 住宅地に隣接した防風林の自然ではなく、大雪山系などで着想したような作品にも感じられました。

 これは、どちらかが正しい、というものではないかもしれません。でも、展示方法って、けっこう大事なんだなあと思いました。


 4.野外展も大事

 さらに会場の最後に、野外展の資料、平面「親密な森」シリーズなどを紹介しています。
 この中では、帯広市郊外で開かれた防風林アートプロジェクトの巨大インスタレーションを、空撮した映像は必見でしょう。
 柿崎さんのキャリアでは、野外美術展はけっして「おまけ」ではなく、「林縁から」シリーズと同様の重さをもつものだと思います。

 できれば、帯広での「万感飾」を、中庭などに再現展示してもらいたかったと思います。高さ9メートルを超すものですから、さぞかし迫力が伝わったでしょう。ですが、これはないものねだりでしょう。



2017年1月28日(土)~3月26日(日)
札幌芸術の森美術館(南区芸術の森2)

地下鉄南北線真駒内駅で、2番乗り場始発の中央バス(滝野すずらん公園行き、芸術の森センター行きなど、全便)に乗り継ぎ「芸術の森入口」降車




関連記事へのリンク
帯広コンテンポラリーアート2016 ヒト科ヒト属ヒト

防風林アートプロジェクト (2014)

遠のいていく風景を求めて 「酒井忠康+その仲間たち」展(2013)
柿崎熙「胚胎する森」 ハルカヤマ藝術要塞 (2013)

「札幌作家グループ展」阿部典英+柿崎熙+下沢敏也 真正閣の100日 (2011)

水脈の肖像09-日本と韓国、二つの今日 (2009)

SCAN DO SCAN (2007)
第13回さいとうギャラリー企画 夏まつり「風」パートII(2007、以下画像なし)

北海道立体表現展’06

柿崎熙展-林縁から(2004)

柿崎煕展 「林縁から」(2003)

水脈の肖像2002
北海道立体表現展 (2002、言及無し)
第2回しかおいウィンドウ・アート展 (2002)
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■1+1+1+1+1+1=6人展 (2017年3月21~26日、札幌)

2017年03月25日 10時30分53秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 全道展会員で絵画の土井義範、黒木孝子、島津明美、富田知子の4氏と、江別のガラス作家橋本祐二さん、後志管内俱知安町の陶芸家林雅治さんによるグループ展。さいとうギャラリーの部屋があいていた(=予約が埋まっていなかった)ために今回限りで集まったメンバーと思われます。

 一人ずつ、簡単に紹介します。

 近年は、鋭角的な直線の組み合わせによる抽象絵画に取り組んでいる黒木孝子さんは、今回「邂逅」というシリーズを6点出品しています。
 全道展や主体美術で見る作品に比べ、オーカー系などの色彩が後退し、モノトーン中心に構成されているという印象を受けました。

第44回主体展
黒木孝子個展
第6回主体美術北海道グループ展(2006年、画像なし)
黒木孝子展 1985年から2003年の500枚の小さな世界(2003年、画像なし)
黒木孝子展(2001年)
主体美術8人展(2001年)


 千歳市の島津明美さんは、段ボールにボールペンで描いた絵で知られます。変わった技法ですが、チープさは感じません。
 今回も同様の手法で制作された5点。
 なかには、支持体に切り込みを入れて、左側から見るのと、右側から見るのとで、絵柄が異なる作品もあります。オプアートというのともちょっと違うと思いますが。

 島津さんは2006年に2人展、10年に個展を開いていますが、全道展以外で作品を見る機会はそれほど多くない人です。


 土井隆義さんは「童夢」と題するシリーズを6点も出しています。
 いずれも題のとおり、子どもの夢のような、幻想的な世界を描いています。
 たとええば「月の輝く夜に」という副題を持つ1点は、満月の浮かぶ群青の夜空の下、尖端に木馬の付いた棒が立つ城の塔がひっそりと立ち、手前では車輪を転がしてあそぶ女の子と、色とりどりの球体に乗る曲芸師とが向かい合っています。
 「にぎやかで騒がしい夜」という副題の作品は、窓の向こうにサーカスが繰り広げられ、ちょうど窓枠が、手前で横たわる人物が見ている夢と現実の境界線になっているようです。
 土井さんの絵は幻想文学の世界に、いまの道内の油彩画家でいちばん近い存在かもしれません。


第15回あなたと育てたい北区のアーティスト展 (2013)
第30回 馬齢会展 (2003)
=以上画像なし、土井さん出品


 この4人の中では、個展など、全道展以外で作品を目にする機会がいちばん多いのが富田知子さんだと思います。
 モノトーンを基調に天使や十字架、女性、樹木などのモチーフを、力強いマチエールで描き、見ていて気持ちが引き締まる絵を描きます。
 この引き締まった感じは、小品でも変わりませんが、活字の数字などをコラージュしてちりばめているのは、全道展で見る100号クラスの作品にはない特徴です。「Dream Box」は、コラージュの小品を額の中にずらりと並べています。

行動展北海道地区作家展 (2016。画像なし)
【告知】富田知子展 (2013)
さいとうgallery企画 第15回夏まつり「星・star」展 (2009年、画像なし)
富田知子展(2008年)
行動展北海道地区作家展(08年2月)
富田知子展(03年)
富田知子・林雅治・林玲二 三人展(01年)


 工芸畑の2人にうつります。

 橋本祐二さんは、道立総合研究機構工業試験場でガラスを担当する技師のかたわら、作家活動もしています。
 使用済みのガラスびんに熱を加えて変形させた作品が多いです。
 今回のインスタレーション「どこ行くの?」は、各30ないし31本、あわせて92本を展示。
 ただ変形させただけではなく、サンドブラストという技法で、表面をマットな状態に加工しています。

置戸コンテンポラリーアート (2012)
はこ展(2009)
橋本祐二ガラス博物誌 (2002年)


 最後は、長年オブジェを手がけている林さんです。
 うつわと並行して、これだけ長期にわたり造形活動もしている陶芸家は、道内でも数少ない存在です。

 今回は「ヒップなマンティス」と「ヒップな白いマンティス」の2点を出品。
 マンティスはカマキリの意味で、たしかに逆三角形の顔がカマキリに見えます。

 林さんのオブジェは白いことが多いですが、今回は酸化鉄を加え、チョコレート色に仕上げています。

□FAF工房 http://www8.plala.or.jp/FAFkoubou/
FAF工房展 (2015)
置戸コンテンポラリーアート (2013)
林沐雨とFAF工房展(~15日)、および、趣味の器「ギャラリー和香思」のこと(2012年)
札幌市西区西町に大和屋ギャラリーがオープン(2009年)
FAF工房陶展(2009年)
林雅治個展(2008年)
風の中の展覧会 IV (2007年)
NAC展13th 陶による造形(2007年)
FAF工房陶展(2007年)
■レリーフによる作品(06年)
■12th NAC展(06年)
■風の中の彫刻展(06年)
■新春茶わん展(06年、画像なし)
■風の中の彫刻展(05年)
■林雅治個展 陶による造形(03年)
■林雅治個展 ニュースペーパーは伝える After the fall(02年、画像なし)
■第7回NAC陶展(01年、画像なし)
■富田知子・林雅治・林玲二3人展(01年)
■林雅治個展(01年)



2017年3月21日(火)~26日(日)午前10時30分~午後6時30分(最終日~午後5時)
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)※H&M のあるビル


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2017年3月24日は5カ所

2017年03月25日 01時01分01秒 | つれづれ日録
(承前 一部の表現を手直し)

 雪がひどい。

 バスを「中島公園入口」で降りて、道立文学館へ。
 26日で終了する『手仕事の日本』と民藝の思想を見た。
 展示は大きく3部に分かれており、いちばん面積をとっている第1部は、柳宗悦の代表作『手仕事の日本』に登場する工芸品の中からいくつか実物を紹介している。
 第2部で、柳の盟友である棟方志功や芹沢銈介(銈はかねへんに圭)が装丁した本を陳列し、第3部で、民藝という概念を創始した柳の思想を概説する―という流れになっている。

 まあ「民藝」ということばは、人口に膾炙かいしゃしすぎて、本来の意味が伝わっていないきらいもあるので、あらためて学ぶには良い機会だと思う。

 できれば『手仕事の日本』を事前に読んでいれば話が早いが、もちろん読んでいない人でもそれなりに楽しめる。
 ただ、民藝品とは、鑑賞するものではなく、使ってナンボのものであるから、茶碗にしろ和紙にしろみのにしろ、触ることができないのは、ちょっとストレスである。

 ところで『手仕事の日本』という本は、1943年に原稿が完成し、48年に出版された。
 柳が初めて北海道を訪れたのは戦後のことなので、あれほど日本国中や朝鮮を旅していた柳の本だというのに、北海道は完全素通りである。沖縄も詳しく述べられているのに。
 その欠落を補うという意味もあるのだろう、常設展示の一角で北の手仕事あれこれという企画も行われている。アイヌ民具や、更科源蔵、木内綾、川上澄生といった人々の仕事が簡単に紹介されている。
 こちらも26日まで。
 いずれも有料で、撮影不可。

 ロビーでは、図録(400円)や、会場で紹介されていた和紙で作られた便箋などが販売され、10巻本の柳宗悦選集もあった。そもそも、筑摩から全集が出た現在、選集の在庫がまだあり、流通しているということ自体、ちょっと驚いた。
 さらに「民藝」というリトルマガジンのバックナンバーが300円でたくさん売られていたが、この冊子は表紙に特集の中身などをまったく記さないため、めくって目次を確認しないと内容がわからない。一冊一冊調べるのも面倒である。

 民藝とアートについては、いろいろ考えていることがあるので、ぜひ別項で書きたい。


 中島公園駅から地下鉄南北線でさっぽろへ。

 日生ビルのキヤノンギャラリーで、アサヒカメラ:2016年アサヒカメラ賞受賞作品展(~28日)。

 カラープリントの部7点、モノクロプリントの部9点、組写真の部7点、ファーストステップの部7点。
 そのうち組写真の部に、名寄の向井和栄さんの「青春時代」と「去り日 慕う」がいずれも3位に選ばれている。
 後者は、ピアノを弾く手、アコースティックギターをつまびく老人、グラスを傾ける女性客の3枚で構成され、モノクロフィルムの粒状性もあいまって、昭和期のライブハウスの濃厚な雰囲気をこちらも味わっているような、そんな気分にさせられる作品。

 ファーストステップの部には、旭川の丹野律子さん「静かな夜」が選ばれていた。
 「青い池」と夏の銀河をとらえたカラー作品。


 駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)にもぐり、「一文字展」を見ながら歩いていたら、偶然、後志地方の学芸員諸氏に遭遇。
 このあたりの話は、すでに「札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)で有島武郎・木田金次郎パネル展」の記事に書いた。

 大五ビルに足を向け、ギャラリー大通美術館で「千展」を見る。
水野スミ子さんの率いる、毎春恒例の絵画グループ展。
 すごいエネルギーだが、これでも全盛期から比べればおとなしいほうだろう。

 筆者が若者のグループ展に対してかなり冷淡なのはなぜだろうと思っている読者の方がおられたら、ぜひ「千展」を見てもらいたい。札幌の若者のグループ展のパワーはいずれも、この「千展」の半分にも達していない。おばさん(失礼)5人のパワーに完全に負けているのである。
 26日まで。

 3階の北海道文化財団アートスペースへ。
 展示期間が1カ月ほど延びた国松希根太展へ。27日まで(ただし、土日休み)。
 平面4点だけ、題も無いが、北海道の自然を、表層的ではなく、その精神性を秘めた奥深いところで写生する作家の手際の見事さには、驚かされた。
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3月24日(金)のつぶやき その3

2017年03月25日 00時52分08秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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3月24日(金)のつぶやき その2

2017年03月25日 00時52分07秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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3月24日(金)のつぶやき その1

2017年03月25日 00時52分06秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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2017年3月21~23日は計8カ所

2017年03月24日 22時22分22秒 | つれづれ日録
 21日(火)

 らいらっく・ぎゃらりぃで「ギミッく」展。
 北翔大学芸術学科美術分野の絵画、彫刻、グラフィックデザインのゼミから学生各1人、計3人を選抜した展覧会。とりあえず若さが感じられるのが良い。
 森田さんという学生の作品は、絵画に「Kitty」とか「The Virgin Suicides」などと文字がかき入れられていて、なんだかポスターみたいな感じ。しかし、何かを告知しているわけでもないのがふしぎ。インスタグラムに
「#inmybag」
などというハッシュタグがあるんですね。

 会場には男性学生が2人、当番をしていたが、いずれも出品者ではないとのことで、次は出せるようにと、励ましてきた。

 スカイホールで第39回丹心会書展。漢字の臨書と創作。

 さいとうギャラリーで1+1+1+1+1+1=6人展
 これは別項で。
 となりで開かれていた「モザイクアート 土肥邑子・今井順子展」もなかなかおもしろい。とくに土肥さんは、ビザンツ美術を思わせる精緻な絵柄だ。

 ジュンク堂に寄って、絵画論の冊子を購入。病院に寄って帰宅。



 22日(水)

 この日から遅出(朝刊)。

 早めに自宅を出て、バスを乗り継いで札幌芸術の森美術館へ。
 真駒内駅からのバスは、パキスタンやイラン方面とおぼしき人々が大勢乗ってたいへんな混雑だ。

 美術館では柿崎熙 森の奥底を見た。
 26日まで。図録はもう完成していた。
 まだの方はどうぞ。

 館の前の池は、岸辺から氷がとけだし、氷の中島ができているように見える。

 帰りのバスを柏丘8丁目でおり、そば屋とラーメン屋のどちらに入ろうか迷ったすえ、そば屋に入る。
 冷やしかしわを食う。900円。うまいが、全体的に高い。大ざる850円とか、どうなんでしょう。

 真駒内橋をわたり、gallery kamokamo で畑江俊明個展 swinging with…/揺れるモノたちと…
 23日で終了。

 真駒内駅から地下鉄南北線に乗り、NHKギャラリーで「Bois 版画展」を見てから会社へ。
 力強い木版画が並んでいた。23日で終了。



 23日(木)

 森友学園問題で、参院・衆院の各予算委で証人喚問が行われた。
 札幌は季節外れの雪。

 アートスペース201は「グルッペ空」の第1回展のみ。初日。
 原田富弥さん、植野徳子さんにお会いする。
 別項で。28日まで。

 HOKUSEN GALLERY ivory で、藤女子大写真部の卒展。事実上、平間理彩さんの個展。
 モノクロフィルムのベタ焼き、「2016 釧路」と題されたモノクロ34枚、カンボジアやセブ島で撮った「Life is」のモノクロ28枚、「2015 夏」の題でまとめられた中華系テーマパークの廃墟、モノクロ26回、「なんでもないもの」カラースナップ48枚。
 藤女子って、1学年に1人ぐらいの割合で、とりつかれたような勢いでシャッターを押し続ける人が出る。その気負いと力が、個々のプリントのブレや不具合を超えて、こちらに迫ってくる。すごい。
 26日まで。

続く) 
 
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有島武郎と木田金次郎の初のパネル展、チ・カ・ホで(2017年3月24~26日)

2017年03月24日 22時22分22秒 | 情報・おしらせ
(タイトルを手直ししました)

 出勤前に札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)を歩いていたら、北2条と北1条の間あたりで、パネル展が開かれているのが目に入りました。
 しかも、その前で立ち話をしているのが、木田金次郎美術館(後志管内岩内町)や有島記念館(同ニセコ町)の学芸員さんたち。
 パネルは「有島武郎と木田金次郎」と題されています。

 実は、2018年に『生れいづる悩み』が発表100周年を迎えることもあって、両館が中心となり、有島と木田の知名度アッププロジェクトが昨年から始まっています。
 全国の千人を対象としたインターネット調査では、有島は35.4%、木田は6.3%が知っていると答えた―という結果も出ました。木田は、道内の若者には意外と知られているようです。
 長篇『或る女』、童話集『一房の葡萄』、評論『惜しみなく愛は奪う』などで知られる有島は近代日本文学を代表する作家の一人ではありますが、歿後90年以上がたち、なじみのない人も増えてきました。
 有島記念館のIさんは
「少しでも名前を知ってくれれば」
と話します。

 「パネル、何枚あるんですか?」
と尋ねたら
「さあ。展示したばかりなので」
「今の今まで、照明の調整をやってたんです」
とのお答え。
 自分で数えましたが、ニセコの観光ポスターなどもいっしょに貼ってあって、全部で何枚と言い切るのが難しい。

 2人とも、生い立ちや代表作についてわかりやすくまとめてあり、複製画もあります。
 2枚目に掲げた、木田の「大火直後の岩内港」も、絵の具がギラギラと光を反射しているようにみえますが、複製です。
 有島は20枚、木田は9枚のパネルがありました。

 展示は26日まで。
 通りがかったら、のぞいて見てはいかがでしょう。
 パネル類は今後も、別の場所で展示していくとのことです。
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3月23日(木)のつぶやき その3

2017年03月24日 00時52分53秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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3月23日(木)のつぶやき その2

2017年03月24日 00時52分52秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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3月23日(木)のつぶやき その1

2017年03月24日 00時52分51秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
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2017年3月19日、小樽で2カ所

2017年03月23日 23時46分06秒 | つれづれ写真録
(承前)

 世間では3連休でしたが、筆者は3月18日は仕事。

 19日に小樽へ。
 家族4人で市外に出かけるのは久しぶりです。

 お目当ては、市立小樽文学館の「サカナクション 山口一郎の本棚」展と、市立小樽美術館の末永正子展ですが、その前にちょっと市内を歩いて回りました。
 本当は、真冬のうちに、伊藤整の足あとをたどりたかったのですが…。

 都市間高速バスを「市役所入口」で降りて、花園地区を通ったのですが、ここおもしろいですね!

 以前、札幌の大学写真部がよく撮影旅行に来ていたわけがわかりました。




 高架を走るJR函館線の下。




 とにかく昭和レトロなムードがたまりません。







 「ニューなると」で、名物の若鶏半身揚げ定食。おいしかった!






 花園通りを上ったところにある跨線橋の上から。
 JR函館線の右側に、崖に挟まれた細長い土地があるのは、旧手宮線の跡。

 跨線橋の南東にある南小樽駅から分かれて、花園、手宮へと伸びていました。

 筆者は、晩年の貨物線の時代しか知りませんが、もともとは函館線よりもこちらのほうが先輩です。手宮―札幌間が、道内最古、国内でも3番目に古い鉄路なのですから。

 このまま歩くと、突き当たりに水天宮があります。

(この項続く) 
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2017年3月15~18日は計8カ所

2017年03月23日 12時54分56秒 | つれづれ日録
 ひえー、3月14日の美術館・ギャラリー巡りの記事をのろのろとアップしていたら、また、書かなくちゃいけないことがたまってきました。

 3月14日については、次の記事を書きましたが、まだ道立近代美術館の所蔵品展や道立三岸好太郎美術館についてのアップが済んでいません。

吉川優子写真展 SOLITUDE~ひとりぼっちの白馬の物語 など
追悼・後藤純男展など
キノコの採展 など
片岡球子 本画とスケッチで探る画業のひみつ
北のユートピア
こんの工作所作品展 『す』

 さて、今さら感が強く漂うのですが、15日以降についても、記録しておかねば…。


 15日、仕事帰りに訪れたのは、さいとうギャラリー。

 砂川の陶芸家、内海眞治さんの作陶展「童夢の世界」
 会場に30分以上いましたが、作品の話はほとんどせず、札幌国際芸術祭や現代アートの話をしていたのでした。
 内海さんは現代美術のことに疎いのかと思ったら、実際には、北海道を代表する美術家である藤木正則さんの行為を手伝ったりもしています。いまや伝説になった、札幌市電の中で赤いテープをぐるぐる巻きにするパフォーマンスにも参加していたとか。

 このあと行ったのが、CAI02。
 卒展が開かれていたが、この画像の作品はよかったです。
 「進歩」への果てしない幻想を、わかりやすく提出していると感じました。

 そのあと、病院。



 16日(木)

 バスを豊平3条8丁目でおりて、HOKUBU絵画記念館へ。
 「風土と時代と」展。高橋幸彦、山中現、斎藤清の3人展。
 福島県出身の3人の絵画・版画にスポットをあてた展覧会です。さすがに平日の昼間はほとんど人がおらず、充実したひとときをすごしました。ああ、もっとゆっくり、画集などをめくる時間があったらいいのになあ。



 17日(金)

 中島公園入口でバスを降り、中島公園駅前まで歩いて、ジェイアール北海道バスに乗り継ぎ、旭山公園通18丁目で降車。ギャラリーミヤシタに寄りました。
 守分さんの絵画展。色鉛筆のような画材で、ツイードのような模様をひたすら紙の上に描いた習作的な絵画でした。

 啓明ターミナルから来るバスがいつになく混雑していたので、乗るのをやめて、西18丁目から地下鉄。

 らいらっく・ぎゃらりぃで日本画の2人展を見て、スカイホールに立ち寄ったのもこの日のはず。
 スカイホールは北海高美術部の「どんぐり会」展。
 長年、顧問を務めてきた川本ヤスヒロさんが完全引退し、佐藤仁敬さんが賛助出品していました。フォーブ的な、力いっぱいの絵が多かったどんぐり会も、少し変わっていくのだろうかと思いました。

 らいらっくでは、日本画家のYさんにお会いしました。



 18日(土)

 仕事。
 相当順調に終わったものの、体調がいまひとつ。

 道新ぎゃらりーで、学生写真道展。
 いやあー、良かったなあ。
 うまく撮ろうというスケベ心があまりなくて、自分の「いま」を切り取ろうとすると、こんなにすがすがしい世界が出てくるんだなあ。21日で終了。

 その後、HUGへ立ち寄り、早めに帰宅しました。

 紀伊國屋書店札幌本店で、岩波文庫の復刊『チェーホフ 妻への手紙』上下、講談社学術文庫の柳宗悦『手仕事の日本』、「美術手帖」3月号を購入。

(この項続く) 
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