ガリバー通信

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「もんじゅ」を廃炉せよ。

2009年08月11日 | 日本の課題
 福井県敦賀市にある日本原子力開発機構の研究用の原子力発電所で、高速増殖炉の原型炉として建設された「もんじゅ」が、1991年からの試運転を始めたが、1995年にナトリウム漏出火災事故を起こして運転を休止して以来、運転再開への工事を行い、2007年に本体工事が完成したが、何度も運転再開への予告を行い中止し、今回は来年2月には再開すると発表された。

 1995年12月8日に起きた「ナトリウム漏洩事故」発生から、何と14年もの歳月が経過して、多くの危惧を抱かざるを得ない情報が渦巻く中、敢えて「再開」せざるを得ないのは、どうしてなんだろうか。

 国の原子力政策にのっとって始められた、この「高速増殖炉」という名の危険極まりない計画は、アメリカやヨーロッパ諸国では断念する国が相次ぐ中、日本だけは面子のためか、原子力安全委員会というお国の下請け機関が「No」と言わないので推進する方向で巨額な税金が投入されているのである。

 建設費は約6000億円と言われているが、事故後の修理や経費を合わせれば、約一兆六千億円という巨額の投資がなされているのだが、「もんじゅ」の原子炉設置許可を行った国(経済産業省)に対して、周辺住民が行った、許可処分の無効確認の行政訴訟が1985年に提訴され、争われてきたが、2005年5月30日に、最高裁は「国の安全審査に見過ごせない過誤や欠落があったとは言えない」として、設置許可は違法ではないと判決し、国の勝訴が確定した。

 しかし、反対派は高速増殖炉そのものの必要性を疑問視しつづけていて、日本が将来、核武装するためのものではないかとの疑念もある。

 普通の原子力発電のプルトニゥム燃料は、原子爆弾の材料とするのは難しいが、高速増殖炉の場合はプルトニゥム239の比率が非常に高く、「兵器級プルトニゥム」が生産されると言う。

 実験段階でも現在までに純度97.5%のプルトニゥムを62㎏も生産しており、原爆被災国としては、発表してはいないが、多くの原爆を製造できる技術と材料を持っていると言っても過言ではない。

 1995年に起きた「ナトリウム漏洩事故」に関してのビデオの隠蔽や当時の動燃の総務部次長の因果関係の判明しない自殺体(警察発表)をめぐる「もんじゅ西村裁判」など、今なお、この事故にまつわる不明瞭かつ具体的な資料などの公表がなされていないなど、まだまだ真の情報が公開されていないようだ。

 今回のもんじゅの運転再開の発表に際しても、福井県知事は不明確な態度であるが、結局は国の方針、もんじゅの推進に、いろいろと条件を出しつつも賛成するものと見られている。

 真の「地方分権」など、国の地方交付税をはじめとする補助金や事業への協力に基づく税金投入に多くの足かせがあるために、地方は本当はNOと言いたい事業でも、安全性よりも金の縛りで「YES」と言わざるを得ない羽目に陥れられるのであろう。

 

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