ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

冷麦か素麺か?

2012年05月28日 | 季節の話題
 本格的な夏の到来までには、まだ梅雨があると思いますが、初夏を感じさせる気温の上昇があって、日中の温度は30度近くにもなる日が出てきた5月の下旬となりましたが、私の自然食八百屋のお客様も、冷麺の御所望があったり、素麺や冷麦が食べたいなぁと仰る季節となりました。

 私自身はあまり気にしていなかったのですが、あるお客さんが素麺よりも冷麦が食べたいので、是非来週には冷麦を仕入れて欲しいと仰ったものですから、取り急ぎ「素麺と冷麦」の違いについて、ネットで調べてみることとなりました。

 そういえばラーメンの類でも、この時期からお客さんの要望は、温かいラーメンから冷麺へと変るのですが、その麺の違いがどれほど違うのかをあまり考えたり説明したこともむなく、大好きな麺類なのですが、温かくして食べるか冷やして食べるかの違いだとの思いで、今までは自分でも食していたし、お客様の中でも特に零面と今までのラーメンとの違いを問われることはなかったのですが、この「冷麦と素麺」の違いについては、拘っている方がおられたので、この際にしっかりと納得の行く違いについて調べておくことにしました。

 まず「素麺」は中国からの伝来ですが、碾き臼で挽かれた粒子の細かい小麦粉だけで作る麺であり、この麺に植物油を塗って延すという製法が素麺の製麺法なので、そうめんは索麺と呼んでいたそうなのです。

 それでは「冷麦」はどうでしょうか。

 小麦粉だけで製麺される手法は同じなのですが、麺棒で延して包丁で切るという過程を経たもので太いものが「うどん」であり、うどんより細いものが「冷麦」となったといわれています。

 歴史的には前述した如き違いがあるのですが、現在では日本農林規格(JAS)によれば、乾麺を「機械麺」と「手延べ干し麺」の二つに分類していて、乾麺とは「小麦粉もしくは蕎麦粉に大麦粉、米粉、卵などを加えたものに食塩、水などを加えて練り合わせた後、製麺し乾燥させたものとされていて、手延べ素麺類を除くものとされています。

 その中で、干しうどんが長径1.7mm以上、3.8mm未満、短径1.0mm以上、3.8mm未満であり、ひやむぎは1.3mm以上、1.7mm未満、そうめんは長径、短径とも1.3mm未満のものとするとなっているそうで、太さによる基準しかないそうで、概ね太いものから「うどん」「ひやむぎ」「そうめん」の順番だということができるのだそうです。

 最近は昔の製法と違って機械による製麺がほとんどとなっているために、そうめんとひやむぎの違いは「太さた゜け」となっているようですが、そもそもの製法は元来は違っていて、「そうめん」は、小麦粉を塩水でこねてから、油を塗りながら手でひき延して細くしていく「手延べ麺」であり、「ひやむぎ」は、小麦粉を塩水でこねるまでは一緒ですが、それを麺棒で薄く延して、折りたたんで包丁で細く切る、つまり蕎麦の様な作り方をしたのが「冷麦」だったそうなのです。

 もうひとつの違いは、手で延したそうめんを「手延べ素麺」と称していますが、素麺の多くは小麦粉をこねて打った後に「寝かせる」という工程が入り、冬の乾燥した風を利用して乾燥させ寝かせて、梅雨の高温多湿の季節を越すと熟成されて、素麺のコシが出るといわれているのです。

 さて、そうめんと冷麦の製法の違いを越えて、どちらを好み、どちらが美味しいと感じるかは、皆さんの思いと感受性次第だと思うのですが、あなたは拘られますでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする