今週からこの軸を掛けてみました。
「開門落葉多」(門を開けば落葉多し)
この語は「聽雨寒更盡」(雨を聞いて寒更つく)の後に続く対語です。
寒い夜更けに夜通し聞こえた雨の音に寒さが身に染みた一夜。
しかし朝起きて門を開いてみると、そこここに散るたくさんの落ち葉が。
雨の音と思ったのは降りかかる落ち葉の音だったのだ。
というのが直訳ですが。
更け行く秋の風情と、その侘しさを味わい楽しむ心境が、
そこはかとなく伝わる語句でしょうか。
この軸は寛州老師の自画賛ですが、画が何とも素朴で、
皆で「描けそうで描けないですね」と。
禅語として深めれば、
又もっと厳しいところまで読み取らなくてはなりませんが、
私のような凡人はそこまでで十分心に深く染み入ります。
今日は、秋の味覚のリンゴや柿、洋ナシなどを頂きながら、
晩秋の風情を味わいつつのも、味覚の秋、食欲の秋、の稽古でした。
美味しい美味しいと頂きながら、
"門を開けば落葉多し"の境地はまだまだ遠くと・・。