「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

夜半の秋

2016年09月01日 | お茶三昧

             

 

九月になりました。
どのように残暑が厳しくとも、茶室の中は秋本番です。
九月九日は重陽の節句。
今年の中秋の名月は、九月十五日。
秋を追いかける日々は、一抹の寂しさも伴いつつですが。

今、夜風を入れるために明けた戸の隙間から、
途切れることなく虫の声が聞こえます。
秋の虫はなぜにこんなにもに一生懸命鳴くのでしょうか。

「夜半の秋」
夜半は、「ヨワ」とも「ヤハン」とも読みますね。
「ヤハン」という読み方は昔、よく天気予報で使われていましたが、
今は使っていないようです。
やはりここは「ヨワノアキ」と読む方が、響きが良いです。
荒城の月の歌詞にも、
「ああ荒城の夜半の月~」はヨワノツキ~ですものね。

さあ九月は「月」で楽しみましょうと、
月の軸を準備したり、月に兎のお茶碗を出したりと、
タイミングよく使えるように、昨日は道具の入れ替えをしたのですが、
実はもう気持ちはその先の、十月の名残の茶事に向いています。

やつれ風炉(欠風炉)に灰を入れて、灰形の練習を始めようと思います。
「二文字掻上」の灰形は初めての挑戦です。
以前頑張った、藁灰よりは手ごわくは無いと思いますが。

             

風炉の前で夜な夜な灰と格闘となりましょうか。
もちろんその合間に、芸術の秋も、食欲の秋も忘れたりはしません。

この頃は、秋らしい気候が長く味わえないようで、
春にしても秋にしても、らしいといえる時期が短いですね。
暑いか寒いの両極端では、日本の季節の移ろいの趣が生かされません。
どうか長い残暑の後はすぐに冬、などということの無いようにと、
願わずにはいられません。
九月もよろしくお願い致します。

 

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