GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

鹿児島の旅(5)~桜の木の下で~

2008年04月19日 | 日本の馬
開聞山麓自然公園内は桜が満開。まさかトカラ馬と桜のコンビネーションを撮影できるとは思わなかった。

この馬たちは遊んでじゃれあっているが、群れの中には真剣に争う牡馬2頭がいた。どちらも青毛色の精悍な牡馬だが、どうやら新旧の種馬のようである。現在ハーレムを率いるのはどうやら若い牡馬で、挑んでいる方が年配の牡馬のようだった。ボスの交代劇があったのかもしれない。

トカラ馬の世界は、なかなか厳しいようである。
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鹿児島の旅(4)~開聞山麓自然公園のトカラ馬~

2008年04月18日 | 日本の馬
指宿市から車で30分ほど、富士山を小さくしたような山、開聞岳があります。その麓に広がる自然公園は地元で大きく観光事業を展開させている岩崎観光さんの経営。ここにも30頭近いトカラ馬が放牧されています。

入園料350円。門を入るといきなり若いトカラ馬の牡が3頭たむろっていました。すぐ右手に、今年生まれた子馬と母馬のパドックがあり、3頭の仔馬がじゃれあっていました。
車でさらに奥へ進むと、山の中腹に群れを見つけました。海を望む草地には、ソテツ、ヤシが植えられ、ちょっと都井岬の雰囲気に似た風景です。

入来牧場の馬たちは、ほとんど「野生」ですが、開聞の馬たちは、夜は門近くのパドックで舎飼いされ、朝8時から午後3時ごろまで公園内に放牧されるそうです。餌の心配もなく、親子馬は保護され、昼間は自由たっぷりに園内を歩き回ります。午後3時過ぎになると、馬たちは自ら山を降り、パドックの餌場にやってくるのです。よくしたものだなあと感心します。
馬にとって、もしかしたらこれは最高の環境なのかもしれません。

調教を進めている馬たちが、第一展望台近くに数頭いました。生まれて数ヶ月の仔馬もいました。まだ離乳する時期ではないと思うのですが、仔馬はいたって大人しい。いっぱい、さわってしまいました。
調教を担当されているのは、昨年遠野に研修に来た方ですが、この日はあいにくお休みで、話を伺えませんでした。





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鹿児島の旅(3)~平川動物公園~

2008年04月17日 | 日本の馬
鹿児島市から指宿市へ向かう途中、トカラ馬を3頭飼育しているという平川動物公園に立ち寄りました。

入園料200円。なんと安い!
入口から園内に入ったとたんに目に入ったのが、写真のような光景。広い草地にフラミンゴやキリンや、そしてシマウマが放牧されていました。向うに見えるのは、キリマンジャロ・・・であるはずなく、鹿児島の象徴、桜島です。
こういう飼育形態の動物園は初めてで、ちょっと感動してしまいました。鳥や猿、小動物などは、「緑豊かな公園に放牧されている」といった感じで、とても楽しめました。

でも、ライオン、豹、トラなどの猛獣たちは、狭くて薄暗い檻に1頭ずつ入っています。狭い放牧場がありますが、日替わりで放牧されているのでしょうか。その日はトラでした。
他の動物の恵まれた環境に比べて、すごく落差を感じました。檻の中で悲しげな声で鳴いていたライオンの声が、胸をつきました。

順路どおりに進み、目的のトカラ馬がいる「ふれあい公園」にたどりついたのは、午後3時半過ぎ。ところがちょうど厩舎に帰る時間になってしまい、タッチの差で写真撮影ができませんでした。
あーあ、何やってんだか・・・。

というわけで、ここでは「鹿児島のシマウマ」のみの撮影となりました。
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鹿児島の旅(2)~トカラ馬の親子~

2008年04月16日 | 日本の馬
鹿児島大学付属入来牧場では、2頭の仔馬が生まれていました。母馬ともども、真っ黒な美しい仔馬たちです。

群の若い馬たちは、触れさせてはくれずとも、1メ-トルくらいまで近寄っても逃げません。でも親子馬は違います。常に50メートル以上の距離を保ち、こちらが歩くと親子馬も移動します。親馬は常にこちらに視線をやり、警戒している様子でした。
ごめんねー、怖がらせて。何にもしないからー、、と言っても通じません。

今度撮影の機会を得ることができたら、私も一緒に放牧させていただこうと思います。

それにしても、トカラ馬は美しい馬です。
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鹿児島の旅(1)~入来牧場のトカラ馬~

2008年04月15日 | 日本の馬
日本在来馬の旅、今回は鹿児島です。

トカラ馬は、本来は鹿児島本土と奄美大島の間に点在する島々、トカラ列島に棲息していた馬たち。今は、鹿児島本土の開聞山麓自然公園と、鹿児島大学付属入来牧場、平川動物公園で飼育されていて、トカラ列島では十島村の中之島にだけいます。島へ渡るには日数が足りず、今回は、本土のトカラ馬たちに会いに行ってきました。

まずは、鹿児島大学の入来牧場。いろいろな方たちから評判を聞いていたので、どうしても行きたかった。農学部の先生にお願いして撮影させていただきました。
都井岬の御崎馬は「野生馬」として有名ですが、入来牧場の馬たちも「野生馬」と言っていい状態です。
鹿児島市内から車で40分ほどの標高600メートルの山に入来牧場はあります。観光客の目にふれることも一切なく、大学関係者も必要以上に手をかけることのない30頭ほどの群。青銅色の馬たちは、人間との距離を一定に保ち、決してさわることを許してくれません。かといって人間を嫌っているわけでもなく、こちらに興味を持つと近づいてきてくれます。
種牡馬も一緒に生活しており、すべて自然繁殖だそうです。

つま恋の乗馬クラブや上野動物園で個体のトカラ馬に会ったことはあるものの、群は初めて見ました。
独特な雰囲気をもった、とても魅力的な馬たちです。


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桜花賞を思う

2008年04月13日 | 馬徒然
今日は桜花賞。
鹿児島の取材から戻ったばかりなので、自宅でTV観戦。

初めて遠征したGIレースは、ちょうど10年前、1998年の桜花賞だった。女王に輝いたのは武豊騎乗のファレノプシス。皆で応援していたエイダイクイン(写真)は6着に終った。

私にとって最も印象的な桜花賞馬は、1995年度優勝のワンダーパフュームだろうか。サンデーサイレンスの娘プライムステージとダンスパートナー、公営競馬のライデンリーダーが話題をさらっていた中、トライアルレースの中では一番桜花賞に遠いといわれるアネモネS2着から桜の女王になった。写真でしか見たことがないが、とても目のきれいな品のある馬だった。一度も会えないまま、彼女はソメイヨシノのようにはかなく天国へ行ってしまった・・・。

華やかでもあり、はかなげでもある桜花賞。特別な思いをもって毎年見ている。

エイダイクイン 鵡川生れ
父 メジロマックイーン
母 ユキノサンライズ

ファレノプシス 新冠生れ
父 ブライアンズタイム
母 キャットクイル

プライムステージ 千歳生まれ
父 サンデーサイレンス
母 ダイナアクトレス

ダンスパートナー 千歳生まれ
父 サンデーサイレンス
母 ダンシングキイ

ライデンリーダー 新冠生れ
父 ワカオライデン
母 ヒカリリーダー

ワンダーパフューム 浦河生れ
父 フォテイテン
母 ラブリースター

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休刊「ホース・メイト」

2008年04月09日 | 馬徒然
3月31日発売号をもって休刊になる(社)日本馬事協会の「ホース・メイト」。
お世話になりました。
記事も書かせていただいたし、編集部のM氏には各地で取材する際に多方面の関係者の方々を紹介してもらい、本当に有難かった。

隠岐を訪ねた折、乃木将軍の愛馬だった「壽号の墓」を取材をした。「ホース・メイト」にその記事を掲載するにあたり、現地の歴史研究家の方から拝借した資料の中から旧陸軍が所有していた写真を使うことになった。その著作権を心配した私に、編集担当のM氏は「こちらがすべて責任をもちます」と、力強い一言。編集者の有り難味を実感した。

雑誌が次々と休刊、廃刊となっている。インターネットにその役割を譲ろうとしている。でも私にとって「本」や「雑誌」は、かけがえないのない資料だ。それは著者だけでなく、編集者やいろいろな人の目を経て世の中に出たもの。主観的であり、かつ、客観的でもある。だから「資料」として信用できると思う。けれどそれは古い考え方なのだろうか。

休刊となる「ホース・メイト」に、「在来馬を訪ねる旅を続けて」という一文と2004年1月に岩手県遠野市で撮影した「地駄引き」の写真を寄稿した。
休刊は本当に残念。馬関係の資料として有難かったのに。
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花を惜しみつつ

2008年04月08日 | 馬徒然
今日は、東海から関東にかけて大荒れの天気予報。
久々にまとまった雨。でも今日の夕方、大井競馬場ではトゥインクルバードが出走する上、その後は知人の通夜で藤沢まで行かねばならない。雨よ、あがれ!

写真は、先日上野動物園に行った折、上野東照宮参道から不忍池を望む。午後5時、桜を惜しむように不忍弁天堂の屋台には、たくさんの花見客がくりだしていた。時代がかわっても、こういう庶民の生活は昔と変らないのかなあと思う。

上野の花見は、小学校以来の親友Sとの恒例行事。動物園でトカラ馬の琥太郎と木曽馬の幸泉の撮影につきあってもらった後、季節限定という「さくらソフトクリーム」を食べた。塩づけにした桜の花びらを混ぜているというソフトで、「さくらもち」の味がした。メタボ気味が心配されているという池のカモをながめながら、
屋台の「じゃがバター」をつまんだ。

今年の桜も、終わりである。
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トカラ馬こたろう

2008年04月06日 | 日本の馬
上野動物園で暮らすトカラ馬の「こたろう」。
昨年10月、一般公開されたときに訪れたときは、不安げな仔馬といった感じで、細くて小さかった。
その後、木曽から牝馬「さちいずみ」がやってきて、一緒に生活するようになった。先日の新聞によれば、「こたろう」は「さちいずみ」を母のように慕って仲良くしているとのことだった。

葉桜になりつつある上野。「こたろう」は、「さちいずみ」と一緒のパドックにいて、たくさんの人に囲まれていた。
お客さんは、「あれ、親子かしら?」「日本の馬って小さくてかわいい」などなど、人気は上々。どの人も「トカラ馬」とか「木曽馬」なんて関係なく、「サラブレッドとちがう日本の馬」という目で、親しみをこめて見ていたのが印象的。
「こたろう」は、イケメンである。昨年10月とは違う馬みたい。すっかり「おぼっちゃま」になって垢抜けた感じだった。「さちいずみ」も穏やかな瞳をしていた。
きっと、大切に可愛がられているのだろうと思った。

トカラ馬「こたろう」も木曽馬「さちいずみ」も、故郷からたった一頭で上野動物園にやってきた。馬にとっては、「なんで自分が?」と思うかもしれない。でも、彼らの存在が、たくさんの人に「日本の馬」を知ってもらうきっかけになる。彼らは大切な役割を担っている。

「調整中」と張り紙されたパドックには、芦毛の小さな馬。春に一般公開が予定されている野間馬だと思うが、確認はとれなかった。
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ミモザ賞のユキチャン

2008年04月04日 | 馬徒然
白毛馬のサラブレッド・ユキチャンが、先日土曜日中山のミモザ賞(芝・2000M)に出走、見事優勝した。

真っ白な馬体がトップゴールをしたとたん、場内がどよめき、人の波がウィナーズサークルへと押し寄せた。その日のメインレースは、春の天皇賞を占う古馬オープンの日経賞だったが、ミモザ賞ですっかり盛り上がってしまった。
ユキチャンは、パドックでは透けるように白く、レース後は競馬場の周りで咲き始めたソメイヨシノのようなうっすらとしたピンク色になっていた。
表彰式が終って散らばっていく人たちのほとんどが、若い女性で、どの人も興奮気味だった。

ユキチャンのお父さんはクロフネ、お母さんはサンデーサイレンスの娘シラユキヒメである。競走馬としての血統からいえば、バリバリの超良血お嬢様。
美しくて、強くて・・・となれば、かえって男性より女性の方が夢中になるのかも?
いづれにしてもユキチャンは、今年のクラシック戦線で主役をはりそうである。
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