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GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

回想録・日本の馬たち(1)~木曽馬、みかんちゃん~

2009年05月13日 | 日本の馬
13年前、競馬場と日高のサラブレッド牧場の撮影に夢中になっていたころに、ふと思い立って訪ねた長野県・開田村。そこに暮らすのは木曽馬たち。
私にとって初めての「在来馬」との出会い。

サラブレッドとは全然違う馬たちの魅力にハマり、撮影が楽しくて、馬に会えるのが嬉しくて。
いろいろな日本の馬たち(在来馬)に会いに行こうと決める。

写真は、当時完成前の「木曽馬の里」にいた栗毛の可憐な木曽馬、愛称みかんちゃん(1997年8月撮影)。
一番印象に残った女の子で、ずいぶん写真を撮った。
思えば、日本の馬巡りの旅は、彼女から始まったのかも。

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宮古馬を訪ねて(8)~愛らしい馬~

2009年05月12日 | 日本の馬
宮古島から戻って3週間、馬事公苑ホースショーがあり、GIが続く競馬、そして神田祭・・・。ひたすら奔走していた。
今日は中休み。やっと宮古馬の写真を整理する時間ができ、改めていろいろなことを思い出す。

その中でも一番印象にあるのは、宮古馬たちの人なつこさ、愛らしさ。
どの馬もおっとりして、人を見れば嬉しそうに寄ってくる。初対面の私にずっと寄り添って動かない子もいた。
いろいろな土地で馬を見て歩いたけれど、宮古馬は特に気持ちが人に向いているように思う。

訪ねたどの土地の馬にも、もう一度、いやいや何度でも会いたい。
宮古馬にも会いたい。
行っちゃおうかな、と7月以降の宮古島パックツアーの値段を見たら、海外旅行のように高い・・・。


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宮古馬を訪ねて(7)~太平号~

2009年04月30日 | 日本の馬
宮古島市総合博物館に、剥製となった宮古馬「太平号」がいる。
体高122cm、典型的な宮古馬の体型、鹿毛粕毛の牡馬。

1936年生まれ 1983年2月3日死亡(47歳)

そのように表記されている。
47歳まで生きた宮古馬!?
そんな長寿の馬が日本に存在したなんて!?

何人かの飼い主を経て、種牡馬として活躍し、1976年から平良市営の熱帯植物園で暮した。市民のアイドルだったという。
天寿まっとうの後、木曽馬「第三春山号」の剥製標本にあたった滋賀県在住の人とつながりがあったという那覇の九琉剥製研究所によって剥製化されたそうである。

宮古馬・・・また新しい出会いと発見をした旅だった。
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宮古馬を訪ねて(6)~馬に乗る~

2009年04月29日 | 日本の馬
Yさんのところにいる勝利(しょうり)号は、粟国生れの宮古馬。体は小さいですが、現在24歳、種牡馬としてバリバリの現役です。

Yさんは、勝利号を乗馬としても調教し、お孫さんなどを乗せていらっしゃるそうです。どうやって調教したのか伺うと、「何度も落とされるうちに」という答え。当初はまったくきかない馬だった勝利号は、いまや島で一番調教が行き届いた馬になったそうです。
私も乗せてもらいました。行けの合図にすみやかに反応し、速足の合図にもすぐ応えてくれます。それほど大きくないので、乗り降りも簡単、恐怖感はまったくありません。
人々の暮らしに寄り添ってきた日本の在来馬たちは、女性や高齢者でも扱えることが絶対条件だったので、すっかり別世界になってしまった馬術や競馬の馬と違い、身近なのが嬉しい。

現在宮古島では、荷川取(にかどり)牧場さんで乗馬を楽しめますが、近いうちに、熱帯植物園内に乗馬施設がオープン予定だそうです。
お問い合わせは、下記へ。

荷川取牧場
http://nikadorifarm.ti.da.net
〒909-0013
沖縄県宮古島市平良字下里2606-2
tel:0980-73-3850


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宮古馬を訪ねて(5)~ファミリー~

2009年04月28日 | 日本の馬
宮古島で一番驚いたのは、馬たちが一夫一婦制の「家族」で放牧されていること。
各家には、たいがい1頭ずつ牡馬(種馬)と牝馬がいて、「自然交配」によって子馬が生まれ、その後も父馬、母馬、子馬が同じ放牧地にいるのです。
写真は、熱帯植物園放牧地。父馬・タケハラ、母馬・美羅(ちゅら)、子馬・早紀のファミリー。

ベテラン生産者のY氏のお話では、ハーレムで放牧できる広い放牧地がないから、とのことでした。同じ血統がかたよらないように、カップルの組み合わせは、飼い主さんたちの間で馬を移動させ、毎年変えるそうです。
Y氏の放牧地では、「自然交配」の営み真っ最中でした。
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宮古馬を訪ねて(4)~ネピアグラス~

2009年04月27日 | 日本の馬
馬たちが好んで食べているのは、ネピアグラスという草です。とっても大きく一見硬そうな草ですが、牧草が豊かに見える放牧地にいる馬たちも、ネピアグラスの時間になると、皆集ってきてバリバリと食べます。

ネピアグラスは、宮古島のどこにでも繁茂しているという繁殖力の強い植物だそうです。熱帯アフリカ原産でイネ科。農家にとっては厄介な植物なのだそうですが、九州や南の島では牧草として利用されているようです。
北海道のドサンコが、森に繁茂するササを食べるのと同じように、宮古馬も、このネピアグラスを好んで食べるということに、とても興味を覚えました。
土地に繁茂する植物とそこに暮す在来馬とは、とても深いつながりがあるのだと思いました。

一方、放牧地にクワやバナナの葉があります。地元の人いわく、とても苦く、馬にとっては危険な植物なのだとか。けれど馬は決して食べないそうです。
本当に、馬は賢い!
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宮古馬を訪ねて(3)~おやつタイム~

2009年04月25日 | 日本の馬
荷川取牧場のおやつタイムは、荷川取さん(写真)手作りの黒糖。
さとうきびから作られる黒糖は、香ばしくて美味しいので、人だけでなく馬も、そして犬も大好きなのです。

ジャンプして黒糖をねだるのは、荷川取さんの愛犬マイ。
黒糖欲しさに夢中になって”脱柵”する子馬も!
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宮古馬を訪ねて(2)~さとうきび畑~

2009年04月24日 | 日本の馬
宮古馬保存会員の荷川取(にかどり)さんの牧場風景です。
オーナーの荷川取さんは、熱帯植物園の親子馬を含め、14頭の宮古馬を世話しています。
牧場では、2頭の子馬(スイン・牝、光太郎・牡)が生まれていました。

緑豊かな放牧地のまわりは、さとうきび畑が広がります。宮古島にはいたるところにさとうきびと葉タバコの畑がありました。

さとうきびの収穫期は1月から3月。4月のさとうきびは、新しく植えられたもので、この後かなりの背丈に育つそうです。収穫期には日陰ができるほどの大きさになるのかと思ったら、台風でなぎ倒されるため、それほどの高さにならないのだとか。さとうきびは台風にも負けない、強い植物だそうです。
さとうきびの茎は、馬もコリコリと美味しそうに食べます。

一方、葉タバコは花盛り一歩手前でした。タバコは遠野でも栽培されていますが、4月末にタバコを植えつけ、花咲くのは8月の末頃です。南国と北国・・・。同じ日本なのが不思議です。

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宮古馬を訪ねて(1)~子馬の誕生~

2009年04月23日 | 日本の馬
皐月賞翌日の4月20日から、沖縄・宮古島に在来馬の宮古馬を訪ねました。

羽田から直行便で宮古島に着いたのは午前10時、宮古馬関係者の方との約束が午後2時過ぎだったので、レンタカーをして、まずは宮古馬がいるという宮古島市内の熱帯植物園に向かいました。

散歩コースにも最適という広大な植物園の一画に、宮古馬の放牧地があります。
初めて会う宮古馬。ドキドキしながらのぞいてみると・・・、なんと小さな赤ちゃんが母馬のそばにぴったり寄り添っているではありませんか!
その日の朝方に生まれたばかりの女の子だそうで、名前はすぐに「早紀」と命名されました。
おりしも宮古島は、前日までトライアスロン大会で全国から選手が集っていました。たまたまその日に宮古馬に会いに来ていた女性アスリートの方の名前が、そのまま子馬の名前になったのでした。
子馬誕生のニュースは、地元の新聞でも大きく報じられました。
母馬は、美羅(ちゅら)8歳、父馬はタケハラ21歳。
美羅にとって4頭目の子馬だそうです。

早紀が生まれた晩、大雨となりました。
翌朝行ってみると、早紀の毛はびっしょりと濡れ、震えていました。でも午後には不思議と綺麗に乾き、元気に母馬のまわりを飛び跳ねていました。
在来馬の子は逞しい!

着いたその日の朝に生まれた子馬に会うことができるなんて、とても幸運でした。
写真は、生まれて2日目の早紀。

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上野動物園の幸泉&えりか

2008年09月09日 | 日本の馬
上野動物園にいる日本在来馬の木曽馬「幸泉」と野間馬「えりか」は、女同士ということもあって、いつも一緒にいる。トカラ馬の「琥太郎」は男馬(正確には去勢を済ませているのでセン馬)だし、年も若いので彼女たちに馴染めない様子。でも野生馬のハーレムにおいては、若い牡馬が群れの中にいることはほとんど許されないので、琥太郎にはかわいそうだけれど、仕方のないことだと思う。

琥太郎同様、幸泉やえりかも「日本在来馬の活用」という使命を背負って上野動物園にやってきた。故郷を離れ、家族とも別れ、新しい土地で新しい仲間との暮らし。さぞやいろいろ心に思うことがあるだろう。

でも彼らが今の生活を少しでも楽しめるようになるのは、やっぱり人との関わりが大切だと思う。(実際彼らには、それが全てではないだろうか)
上野動物園で在来馬の担当をされているHさんは、本当に愛情を持って馬たちに接していらっしゃる。Hさんのような人が、馬たちのまわりにもっとたくさんいれば、きっと馬たちももっと楽しい日々を過ごせると思う。

そういう人たちのための研修が、全国乗馬倶楽部振興協会により、今年も遠野で開催される。
馬に携わる人というのは、「乗馬」や「馬術」それに「競馬」という範疇だけではない。また、「生産者」「育成者」「厩舎関係者」だけではない。Hさんのように動物園の職員さん、それに畜産や農業関係の研究者の方々も馬に携わっている。
遠野では、彼らのような立場の人たちを対象に、馬の扱い方などの研修が行なわれる。それは馬をとりまく環境に新しい風を吹き込むことになると思う。

幸泉、えりか、そして琥太郎の存在が、今まで以上に馬に関わる人の範囲を広げるチャンスをもたらしているのかもしれない。それだけでも、上野動物園にやってきた馬たちは、使命を果しているのではないだろうか。

そんな背景うんぬんはともかく、上野動物園にいる3頭の在来馬は本当に愛くるしく可愛い。是非足を運んでみてください。

写真左(芦毛馬):野間馬 えりか 写真右(鹿毛馬):木曽馬 幸泉
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