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GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

上野動物園の琥太郎

2008年09月08日 | 日本の馬
上野動物園には、日本の馬が3頭飼育されている。
鹿児島のトカラ馬「琥太郎(こたろう)」、長野の木曽馬「幸泉(さちいずみ)」、そして愛媛の野間馬「えりか」。
一番最初に上野動物園にやってきた琥太郎は、当時まだ生後8ヶ月の子馬だった。タテガミはボウボウなのに、体は小さくて、どこか淋しげな坊や、といった印象だった。

琥太郎の故郷は、鹿児島大学付属入来牧場である。今年4月に訪問させていただいた。ほとんど人の手をかけない半野生状態の黒馬の群れは、不思議な魅力があった。「決して人がさわれない馬」と牧場の人たちも言う。「都井岬の野生馬」より、「野生馬」かもしれない。もちろん、子馬の誕生も人が手を貸すことは一切ない。その時も2頭の子馬がいたが、そのうちの1頭が生まれていたのを、職員の人も知らないほどだった。
そんな群れで生まれた琥太郎は、「在来馬の活用」というプロジェクトのもと、馴致調教のために生後3ヶ月で離乳、職員の方によって育てられ、そして上野動物園にやってきた。

あれから11ヶ月、琥太郎はとてもきれいな「馬」になったと思う。人の手が加わると、馬は変るもんだと感じた。
動物園を訪れるお客さんたちは、この小さな日本の馬たちを見て「あ!ポニーだ」と言っていた。一般の人にとってサラブレッド以外の小さな馬は、みんな「ポニー」に見えるようである。洋種のポニーだけでなく、日本の「ポニー」にも活躍してほしい。十分活躍できると思う。
すっかり垢抜けた琥太郎を見て、そんなふうに感じた。


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鹿児島の旅(7)~トカラ馬の仔馬~

2008年04月23日 | 日本の馬
鹿児島では薩摩料理も薩摩ラーメンも食べたし、砂むし温泉も経験した。けれど馬の名前がつく焼酎にめぐり合えなかったのが心残り。トカラ馬に関するグッズも皆無だった。
ただ、鹿児島市内を走る市電の駅名(地名)が、馬にまつわるものが多かったのが印象的。

旅の最後は、いつも馬にまつわる地酒で終るが、それが叶わないので、開聞山麓自然公園で撮影したトカラ馬の仔馬の写真をアップ。生まれてそんなに日にちが経っていないようである。たてがみがフワフワ・・・。
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野間馬エリカ

2008年04月22日 | 日本の馬
先ごろのニュースでも報じられたが、野間馬が上野動物園で一般公開された。
トカラ馬(琥太郎)、木曽馬(幸泉)に続いて、3頭目の在来馬は野間馬のエリカ。愛媛県今治市の野間馬ハイランドからやってきた芦毛の牝馬。

エリカが地元を旅立つ時はお別れ会が催され、動物園のお披露目の式典にも今治からも多くの人が訪れたそうだ。さらに今治特産のタオルグッズも配布されたとか。地元をあげての熱烈な壮行会だったようである。

エリカは木曽馬の牝馬・幸泉と仲良しになり、最初に動物園にやってきた1歳のトカラウマの牡馬・琥太郎は、女同士の会話についていけず、今はちょっと孤独なのだとか。姉さんたちは一筋縄ではいかない??

3頭ともたくさんのお客さんに囲まれて、人気を集めている。
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鹿児島の旅(6)~鹿児島馬~

2008年04月21日 | 日本の馬
10年以上前、JRA馬事公苑ホースショーで「鈴かけ馬」という郷土芸能を見たことがある。たくさんの飾りをつけた馬が、三味線や笛に合わせて踊るのである。
それを代々伝えているのが鹿児島県隼人町(現在は霧島市隼人町)。地図で見たら空港から鹿児島市に向かう途中にある。これも何かのご縁、隼人町で鈴かけ馬を飼育、調教しているという栗山さんを訪ねた。

自宅から車で3分ほどのところに、栗山さんの厩舎がある。7頭の馬たちがいた。鈴かけ馬は、幾分年がいった大人しい馬でないと勤まらないそうだ。小型のポニーから大型の馬に混ざって、元気のいい赤粕毛の牡馬がいた。名を三郎という。
栗山さんいわく、三郎は「鹿児島馬の血を引く、気丈な馬」なのだそうだ。
鹿児島といえばトカラ馬と思っていたが、トカラ馬とは別に鹿児島在来の馬がいたのかもしれない。三郎はトカラ馬とは明らかに異なり、どちらかといえば木曽馬やドサンコに近い体型だった。

鈴かけ馬は、毎年1月に隼人町の鹿児島神宮に奉納される芸能で、鹿児島県民にとっては馴染みのある馬祭り。JRA馬事公苑のイベントのほかに、毎年5月に東京明治神宮で開催される「おはら祭り」で「鈴かけ馬」は披露されているという。
今年は5月17日土曜日。栗山さんと三郎が、はるばる鹿児島からやってくる。






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鹿児島の旅(5)~桜の木の下で~

2008年04月19日 | 日本の馬
開聞山麓自然公園内は桜が満開。まさかトカラ馬と桜のコンビネーションを撮影できるとは思わなかった。

この馬たちは遊んでじゃれあっているが、群れの中には真剣に争う牡馬2頭がいた。どちらも青毛色の精悍な牡馬だが、どうやら新旧の種馬のようである。現在ハーレムを率いるのはどうやら若い牡馬で、挑んでいる方が年配の牡馬のようだった。ボスの交代劇があったのかもしれない。

トカラ馬の世界は、なかなか厳しいようである。
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鹿児島の旅(4)~開聞山麓自然公園のトカラ馬~

2008年04月18日 | 日本の馬
指宿市から車で30分ほど、富士山を小さくしたような山、開聞岳があります。その麓に広がる自然公園は地元で大きく観光事業を展開させている岩崎観光さんの経営。ここにも30頭近いトカラ馬が放牧されています。

入園料350円。門を入るといきなり若いトカラ馬の牡が3頭たむろっていました。すぐ右手に、今年生まれた子馬と母馬のパドックがあり、3頭の仔馬がじゃれあっていました。
車でさらに奥へ進むと、山の中腹に群れを見つけました。海を望む草地には、ソテツ、ヤシが植えられ、ちょっと都井岬の雰囲気に似た風景です。

入来牧場の馬たちは、ほとんど「野生」ですが、開聞の馬たちは、夜は門近くのパドックで舎飼いされ、朝8時から午後3時ごろまで公園内に放牧されるそうです。餌の心配もなく、親子馬は保護され、昼間は自由たっぷりに園内を歩き回ります。午後3時過ぎになると、馬たちは自ら山を降り、パドックの餌場にやってくるのです。よくしたものだなあと感心します。
馬にとって、もしかしたらこれは最高の環境なのかもしれません。

調教を進めている馬たちが、第一展望台近くに数頭いました。生まれて数ヶ月の仔馬もいました。まだ離乳する時期ではないと思うのですが、仔馬はいたって大人しい。いっぱい、さわってしまいました。
調教を担当されているのは、昨年遠野に研修に来た方ですが、この日はあいにくお休みで、話を伺えませんでした。





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鹿児島の旅(3)~平川動物公園~

2008年04月17日 | 日本の馬
鹿児島市から指宿市へ向かう途中、トカラ馬を3頭飼育しているという平川動物公園に立ち寄りました。

入園料200円。なんと安い!
入口から園内に入ったとたんに目に入ったのが、写真のような光景。広い草地にフラミンゴやキリンや、そしてシマウマが放牧されていました。向うに見えるのは、キリマンジャロ・・・であるはずなく、鹿児島の象徴、桜島です。
こういう飼育形態の動物園は初めてで、ちょっと感動してしまいました。鳥や猿、小動物などは、「緑豊かな公園に放牧されている」といった感じで、とても楽しめました。

でも、ライオン、豹、トラなどの猛獣たちは、狭くて薄暗い檻に1頭ずつ入っています。狭い放牧場がありますが、日替わりで放牧されているのでしょうか。その日はトラでした。
他の動物の恵まれた環境に比べて、すごく落差を感じました。檻の中で悲しげな声で鳴いていたライオンの声が、胸をつきました。

順路どおりに進み、目的のトカラ馬がいる「ふれあい公園」にたどりついたのは、午後3時半過ぎ。ところがちょうど厩舎に帰る時間になってしまい、タッチの差で写真撮影ができませんでした。
あーあ、何やってんだか・・・。

というわけで、ここでは「鹿児島のシマウマ」のみの撮影となりました。
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鹿児島の旅(2)~トカラ馬の親子~

2008年04月16日 | 日本の馬
鹿児島大学付属入来牧場では、2頭の仔馬が生まれていました。母馬ともども、真っ黒な美しい仔馬たちです。

群の若い馬たちは、触れさせてはくれずとも、1メ-トルくらいまで近寄っても逃げません。でも親子馬は違います。常に50メートル以上の距離を保ち、こちらが歩くと親子馬も移動します。親馬は常にこちらに視線をやり、警戒している様子でした。
ごめんねー、怖がらせて。何にもしないからー、、と言っても通じません。

今度撮影の機会を得ることができたら、私も一緒に放牧させていただこうと思います。

それにしても、トカラ馬は美しい馬です。
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鹿児島の旅(1)~入来牧場のトカラ馬~

2008年04月15日 | 日本の馬
日本在来馬の旅、今回は鹿児島です。

トカラ馬は、本来は鹿児島本土と奄美大島の間に点在する島々、トカラ列島に棲息していた馬たち。今は、鹿児島本土の開聞山麓自然公園と、鹿児島大学付属入来牧場、平川動物公園で飼育されていて、トカラ列島では十島村の中之島にだけいます。島へ渡るには日数が足りず、今回は、本土のトカラ馬たちに会いに行ってきました。

まずは、鹿児島大学の入来牧場。いろいろな方たちから評判を聞いていたので、どうしても行きたかった。農学部の先生にお願いして撮影させていただきました。
都井岬の御崎馬は「野生馬」として有名ですが、入来牧場の馬たちも「野生馬」と言っていい状態です。
鹿児島市内から車で40分ほどの標高600メートルの山に入来牧場はあります。観光客の目にふれることも一切なく、大学関係者も必要以上に手をかけることのない30頭ほどの群。青銅色の馬たちは、人間との距離を一定に保ち、決してさわることを許してくれません。かといって人間を嫌っているわけでもなく、こちらに興味を持つと近づいてきてくれます。
種牡馬も一緒に生活しており、すべて自然繁殖だそうです。

つま恋の乗馬クラブや上野動物園で個体のトカラ馬に会ったことはあるものの、群は初めて見ました。
独特な雰囲気をもった、とても魅力的な馬たちです。


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トカラ馬こたろう

2008年04月06日 | 日本の馬
上野動物園で暮らすトカラ馬の「こたろう」。
昨年10月、一般公開されたときに訪れたときは、不安げな仔馬といった感じで、細くて小さかった。
その後、木曽から牝馬「さちいずみ」がやってきて、一緒に生活するようになった。先日の新聞によれば、「こたろう」は「さちいずみ」を母のように慕って仲良くしているとのことだった。

葉桜になりつつある上野。「こたろう」は、「さちいずみ」と一緒のパドックにいて、たくさんの人に囲まれていた。
お客さんは、「あれ、親子かしら?」「日本の馬って小さくてかわいい」などなど、人気は上々。どの人も「トカラ馬」とか「木曽馬」なんて関係なく、「サラブレッドとちがう日本の馬」という目で、親しみをこめて見ていたのが印象的。
「こたろう」は、イケメンである。昨年10月とは違う馬みたい。すっかり「おぼっちゃま」になって垢抜けた感じだった。「さちいずみ」も穏やかな瞳をしていた。
きっと、大切に可愛がられているのだろうと思った。

トカラ馬「こたろう」も木曽馬「さちいずみ」も、故郷からたった一頭で上野動物園にやってきた。馬にとっては、「なんで自分が?」と思うかもしれない。でも、彼らの存在が、たくさんの人に「日本の馬」を知ってもらうきっかけになる。彼らは大切な役割を担っている。

「調整中」と張り紙されたパドックには、芦毛の小さな馬。春に一般公開が予定されている野間馬だと思うが、確認はとれなかった。
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