クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

08-02 No.21

2008年02月27日 15時28分27秒 | Weblog
<ONDINE>
ODE 1109(SACD-Hybrid) \2300
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番Op.47
アレクサンダー・ブロックの詩による7つのロマンスOp.127*
クリストフ・エッシェンバッハ(指&P*) 
フィラデルフィア管弦楽団
イェヴォンヌ・ナエフ(Ms) ジュリエット・カン(Vn) ハイ=イエ・ニ(Vc)
ライヴ録音:2006年9月ヴェリゾン・ホール(Op.47)、
2007年5月パールマン・シアター(Op.127)
エグゼクティヴ・プロデューサー:ケヴィン・クラインマン
プロデューサー:マーサ・デ・フランシスコ
エンジニア:チャールズ・ギャニオン
2008年5月クリストフ・エッシェンバッハがフィラデルフィア管弦楽団を率いて
来日。その演目ともなっているショスタコーヴィチ交響曲第5番がONDINEレーベ
ルより発売されます。2006年9月ヴェリゾン・ホールでの収録。ショスタコー
ヴィチの作品の初演も行っている作曲家にゆかりのある楽団でもあるフィラデ
ルフィア管と独特の音楽の輪郭を持つエッシェンバッハの演奏に注目です。社
会主義の苦悩から歓喜、勝利を描いた交響曲第5番。エッシェンバッハの緩急自
在な表現で聴き手を心地よい混乱に導き、52分28秒という長時間の演奏の中で
圧倒的な響きの緊迫感と妖しく美しい音楽を聴かせます。フィラデルフィア管
の技術水準の高さ、豪華絢爛なサウンド、そしてエッシェンバッハの只ならぬ
感性が生み出すショスタコ5番は必聴。
またショスタコーヴィチは歌曲も多く作曲しており、ここに収録されている
「アレクサンダー・ブロックの詩による7つのロマンス」もその一つであります
が、ソプラノとピアノ三重奏(Pf, Vn, Vc)という珍しい編成で演奏されます。
イェヴォンヌ・ナエフの透明感のある歌声とフィラデルフィア管のメンバーで
もあるジュリエット・カン、ハイ=イエ・ニ、そしてエッシェンバッハのピアノ
が柔らかく紡ぎだされ、珠玉の演奏を披露しています。

ODE 1107 \2080
アルベール・ルーセル:
交響曲第3番 ト短調 作品42、蜘蛛の饗宴作品17
クリストフ・エッシェンバッハ(指)
パリ管弦楽団
録音:2005年3月ライヴ(交響曲)、7月(作品17)
パリ管弦楽団とエッシェンバッハのルーセル。先にリリースされた交響曲第1番
と第4番 (ODE 1092)、交響曲第2番と「バッコスとアリアドネ」組曲(ODE 1065)
は、フランスのオーケストラのすばらしい響きと演奏、そして録音の音質が欧米
のマスメディアから高く評価されました。シリーズを締めくくるのは、ルーセル
の管弦楽曲でもっとも人気のある2曲です。ボストン交響楽団が初演し、真の傑
作と讃えられてきた交響曲第3番とエネルギッシュで独創的、豊かな旋律をもつ
バレエ〈蜘蛛の饗宴〉。バレエの全曲は27のトラックに分けられ、情景を想像
する助けとするため、「庭。巣の中にいる蜘蛛が周囲を見渡している」といっ
た振付の注釈がトラックリストに記載されています。

ODE 1111 \2080
オスカル・メリカント:歌曲集
フィンランド語歌詞、英語訳付
リンゴの花 作品53-2、教会墓地の鳥に 作品52-2、夏の夕べのそよ風 作品87-2、
思い出すとき作品11-2、なぜ私は歌うか 作品20-2、金のかたまり 作品20-1、
海で 作品47-4、嵐の鳥 作品30-4、ラドガの湖 作品83-1、夕べの鐘 作品106-1、
歌曲集「墓場から」 作品74、白い十字架、天国の門の歌うたい、
夕べの教会墓地で、墓地は日の出に輝く、さようなら 作品87-3、
おやすみ作品75-1、たそがれに作品96-1、人生に 作品93-4、
アンニーナ 作品51-2、日暮れに作品69-2、夜想曲 、バラッド 作品69-4、
青春賛歌 作品69-3、やさしく響け、わが悲しみの調べ 作品36-3、
わたしは生きている 作品71-1
ヨルマ・ヒュンニネン(B) イルッカ・パーナネン(P)
録音:2007年4月 ヤルヴェンパー・ホール
2007年、東京・紀尾井ホールのコンサートでフィンランド歌曲の奥深い魅力を
伝えたバリトン歌手、ヨルマ・ヒュンニネン (1941-) がオスカル・メリカンの
歌曲を録音しました。メリカントはシベリウスと同時代のフィンランドの作曲
家。オペラのほかロマンティックな作風のピアノ曲や歌曲を書き、シベリウス
に匹敵する人気を誇っていました。メロディ・メーカーのメリカント。「リン
ゴの花」「なぜ私は歌うか」「人生に」「アンニーナ」など、このアルバムで
歌われる曲の多くが時代を超え、今も歌いつがれています。ヒュンニネンはオ
ペラと歌曲の両方の分野で国際的な活躍をしてきた、20世紀フィンランドを代
表する歌手。現代フィンランドの作曲家サッリネンの「クッレルヴォ」やラウ
タヴァーラの「アレクシス・キヴィ」は彼のために作曲されたオペラです。ア
ルバムの録音は、来日に先立つ2007年4月、ヤルヴェンパーで行われました。
ニューヨークやロンドンのコンサートでもヒュンニネンと共演したイルッカ・
パーナネンがピアノを弾いています。




<TAHRA>
TAH 634 \2300
ベートーヴェン:
ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58
クララ・ハスキル(P)
シャルル・ミュンシュ(指)ボストン交響楽団
エーリヒ・シュミット(指)ベロミュンスター・スタジオ管弦楽団
録音:1956年11月3日(第3番),1959年1月25日(第4番)
第3協奏曲は、ボストンでシャルル・ミュンシュと共演したもの。ミュンシュの
骨太の音楽に押されてか、いつものハスキルよりも熱が上がっているような演
奏です。ベロミュンスターでの第4協奏曲はおそらく初出の音源。音の状態は良
好です。エーリヒ・シュミット(1907-2000)は、チューリヒ・トーンハレ管弦楽
団の首席指揮者も勤めたことがあるスイスの指揮者。

TAH 640 \2300
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53
ギラ・ブスタボ(Vn)
ウィレム・メンゲルベルク(指)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(ベートーヴェン)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)
NDR交響楽団(ドヴォルザーク)
録音:1943年5月6日(ベートーヴェン),1955年3月21日(ドヴォルザーク)
ギラ・ブスタボ(1919-2002)は、米国生まれのヴァイオリニスト。1934年に渡欧、
ドイツを中心に大変に活躍し、ヴォルフ=フェラーリからヴァイオリン協奏曲
を献呈されるほどでした。しかし米国人がナチス時代のドイツで活躍したこと
が禍し、戦後の活動は下火になってしまいました。このCDには彼女の録音を2種
収録。ベートーヴェンは、ブスタボがメンゲルベルクと共演したライヴ。まだ
二十代半ばのブスタボがいかに優れたヴァイオリニストだったか伝わってくる
名演。ドヴォルザークはおそらくこれが初出。ブスタボの戦後の録音として非
常に貴重です。ボーナスに、亡くなる前年、2001年のインタビューを収録。

TAH 641 \2300
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲
ゲルハルト・タシュナー(Vn)
ロヴロ・フォン・マタチッチ(指)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(ドヴォルザーク)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)
NDR交響楽団(ハチャトゥリアン)
録音:1942年11月26日(ドヴォルザーク),1955年5月8,9日(ハチャトゥリアン)
ここ数年、ゲルハルト・タシュナー(1922-1976)の録音が多数発掘されています。
TAHRAからまた新たに貴重な音源が登場です。ドヴォルザークのヴァイオリン協
奏曲は、タシュナーがベルリン・フィルのコンサートマスターを務めていた
(1941-1945)時期の録音。しかも伴奏はマタチッチ!音は1942年ながらかなり聞
きやすいもの。ハチャトゥリアンは、以前アルトゥール・ローターの指揮した
1947年の録音が出ていました(TAH350/351)が、ここに収録されているのはシュ
ミット=イッセルシュテットとの共演の1955年の録音。こちらは戦後の放送録
音だけに音は良好です。




<audite>
AU 97537 \2280
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
(2)ハイドン:交響曲第94番ト長調Hob.I-94「驚愕」
ヴィルヘルム・ケンプ(P)
ロリン・マゼール(指)ベルリン放送交響楽団
録音:(1)1971年4月5日(2)1975年6月8日
ベルリン、放送局スタジオ・第1ホール(ライヴ)
ドイチュラントラジオ・クルトゥーアの正規音源からのCD化。キャリアの最初
期より天才の名をほしいままにして、押しも押されぬ現代の巨匠指揮者となっ
たロリン・マゼール。ベルリン放送交響楽団(現:ベルリン・ドイツ交響楽団)
の首席指揮者時代(1964-1975)、J.S.バッハの管弦楽組曲やブランデンブルク
協奏曲をはじめ、おもに当時のフィリップスやオイロディスクに多くの録音を
残しましたが、ことライヴとなるとほとんど知られていないのでは。
オピッツの師で屈指のベートーヴェン弾きケンプとのベートーヴェン。覇気に
満ちたマゼールのヒロイックな指揮ぶりと、あじわい芸のピアノとの個性の対
照が、協奏曲を聴くおもしろさを体現したかのような演奏です。カデンツァは
ケンプ自作。
いまはめずらしくなったモダン・オケによる「驚愕」。輝かしい鳴りっぷりと
ピシッと揃ったアンサンブルにたしかにただものではないマゼールの才気を感
じさせます。ベートーヴェンの前に拍手入り。

=エディション・ゲザ・アンダ=
AU 23410 2枚組 \2700
モノラル
「エディション・ゲザ・アンダVol.4 / バルトーク」
[CD 1]
(1)バルトーク:ピアノ協奏曲第1番
(2)同:ピアノ協奏曲第2番
[CD 2]
(1)バルトーク:コントラスツ
(2)同:ピアノのための組曲Op.14
(3)同:2台のピアノと打楽器のためのソナタ
ゲザ・アンダ(P)
[CD 1](1)ミヒャエル・ギーレン(指) (2)フェレンツ・フリッチャイ(指)
ケルン放送交響楽団
録音:(1)1957年4月29日ケルン、WDRフンクハウス第1ホール(ライヴ)
(2)1952年6月27日ザルツブルク(ライヴ)
[CD 2]ゲオルク・ショルティ(P) ティボル・ヴァルガ(Vn) 
パウル・ブレッヒャー(Cl)
カルル・パインコファー、ルートヴィヒ・ポルト(Perc.)
録音:(1)1953年1月8日(2)1955年7月22日
(3)1953年1月9日ケルン、WDRフンクハウス第2ホール
すべてWDRアーカイヴのオリジナル・マスターによる復刻。2つの協奏曲がライ
ヴ、そのほかが放送用スタジオ録音。シリーズ最終巻は、第1弾のモーツァルト
(AU.23407)とならぶアンダの代名詞、バルトークばかりをたっぷりと収めてい
ます。ここで聴けるのは、1921年生まれのアンダがバルトークを同時代の音楽、
いわば生きた現代音楽として捉えている姿。しかも共演者の顔ぶれが当を得て
いるうえに豪華。あまりにも有名なフリッチャイとの全集(59、60年)をはじめ、
ブール&バイエルン放送響盤(57年4月26日ライヴ)などが知られる協奏曲では、
そのフリッチャイのほか、先鋭に走った芸風で注目されはじめていた当時29歳
のギーレンがバックを務めているのに注目です。
さらにソナタでは、ショルティのピアノがまた強烈。アンダとルーツを同じく
する若き日の巨匠は後年にペライアと組んだスタジオ盤(87年)でもみごとな腕
前を披露していますが、たがいに触発され白熱してゆくさまは壮絶。ほかにコ
ントラスツではやはりハンガリーの名手ヴァルガも参加していたりと、これは
どこをとってもたいへん貴重。シリーズの白眉といえる内容です。




<WERGO>
WER 6706 \2180
ジョン・ケージ&ハンス・オッテ:東洋と西洋
(1)オッテ:響きの書-2
(2)ケージ:ソナタ第7番
(3)ケージ:ソナタ第8番
(4)オッテ:響きの書-9
(5)ケージ:インターリュード第1番
(6)オッテ:響きの書-8
(7)ケージ:ソナタ第2番
(8)オッテ:響きの書-6
(9)ケージ:ジェミニ
(10)オッテ:時の本-39
(11)オッテ:時の本-13
(12)ケージ:ソナタ第3番
(13)オッテ:時の本-16
シェーンベルク:ピアノのための6つの小品よりop.19-2
オッテ:時の本-17
(14)ケージ:ソナタ第5番
(15)オッテ:時の本-24
(16)ケージ:ソナタ第11番
(17)オッテ:時の本-19
(18)ケージ:ソナタ第16番
(19)オッテ:響きの書-10
(20)オッテ:時の本-25-ケージ:ソナタ第6番-オッテ:時の本-48
フィリップ・ヴァンドレ【ピアノ(1)(4)(6)(8)(10)(11)(13)(15)(17)(19)/
プリペアド・ピアノ(20)】
エルマー・シュランメル【プリペアド・ピアノ(2)(3)(5)(7)(9)(12)(14)(16)
(18)/ピアノ(20)】
このCDに収められているのは、もともと、ハンス・オッテの80歳の誕生日のた
めに催されたコンサートで演奏されたのとほぼ同じ内容。ヨハネ福音書は「初
めに、言葉があった。」と書き起こしますが、少なくとも、音楽においては、
初めにあるのは「音」。音楽に言葉がつけられたものも存在するが、それは、
音楽の内容を異口同音に反復しているにすぎないのであって、あくまでも音そ
のものだけで何らかの意味を成さない音楽は、不完全である、という考えのも
とに組まれたコンサートでした。静寂に自然に溶け込む音が、我々に西洋と東
洋のバックグラウンドを想起させます。
オッテの「響きの書」は、催眠術のようなミニマルミュージック。実に美しい
響きがはてしなく繰り返される中で少しずつアクセントの位置やハーモニーが
変わってゆき、まさにヒーリングやニューエイジずばりそのもの。西洋音楽の
新しい潮流の音楽。「時の本」は、西洋音楽の礎である調性を脱した「無調」
で書かれている、ちょっと禅の空気を含む作品。禅の研ぎ澄まされた世界と、
西洋音楽の究極の進化形のひとつの世界があわさっています。ケージのソナタ
の数々は、プリペアド・ピアノのために書かれており、ガムラン音楽のような
呪術的要素を感じさせるもの。ヒーリングといってもお手軽なものではなく、
耳も心もやさしくマッサージされるような気分になれます。

WER 6569 \2180
セバスティアン・スティーア(1970-):作品集
(1)ダブル(2001)-20人の演奏家のための 
(2)尽線(2004)(ヴァイオリンとギターのための)
(3)あちら こちら(2004/04)(Es管Cl、ヴァイオリン、アコーディオンのための)
(4)二つの歌曲(1994)(児童ソプラノとヴィオラのための) 
(5)der und die(2002)(ソプラノ、クラリネットとチェロのための)
(6)風の逃亡者II(1998)(アルトフルートのための)
(1)アンサンブル・モデルン/ドミニク・マイ(指)(2)Duo10
(3)アンサンブル・クラリネット・アコーディオン・プラス
(4)アルナス・ブロイティガム(S)、マルティン・フラーダ(Vla)
(5)ペトラ・ホフマン(S)、アンサンブル・レシェルシェ 
(6)ミヒャエル・シュミット(Fl)
爆発的なエネルギーを秘めた、スティーア作品集。作品の中でも音のエネルギ
ーが自在に伸縮しているのを感じます。プリミティヴな感じもしますが、魂が
開放されるような気がします。




<HOMA DREAM>
HR 1141 \2730
宮下祥子 ヴィルトゥオーゾ -19世紀ギター作品集
ソル:(1)悲歌風幻想曲op.59 (2)ワルツop.32-2 (3)ギャロップop.32-6 
(4)幻想曲op.54bis[コスト編] (5)ディヴェルティメントop.61-1
ジュリアーニ:(6)ロッシニアーナ第3番op.121 (7)前奏曲第4番op.83-4 
(8)前奏曲第1番op.83-1
アグアド:(9)練習曲第18番 (10)練習曲第24番 (11)練習曲第3番
宮下祥子(Gt)
(4)(5)パヴェル・シュタイドル(Gt)
「パッション」に続く、待望の2ndアルバム。古典期の3大巨匠ソル、ジュリアー
ニ、アグアドの作品だけでまとめている。
近年の19世紀ギターの復興にともない、古典期の作品は19世紀ギターで弾かれ
ることが増えている。しかし、このアルバムではあえてモダンギターで演奏さ
れている。当時の社交界サロンの雰囲気を再現するのではなく、現代のコンサ
ートホールに適した音楽として、聴き馴染んだ名曲は再構築され、逞しく表現
されている。ベートーヴェン、ショパン作品と同じく、ようやくギター古典作
品も現代に通用する解釈を得たと言ってよいだろう。
さらには、アグアドの有名な教則本からとられた練習曲、録音の少ないジュリ
アーニの前奏曲、そして何よりもチェコのギターの名手パヴェル・シュタイド
ルとの二重奏は話題を呼ぶことだろう。




<SUPRAPHON>
SU 3940 3枚組 \4500
マルチヌー:交響曲全集
[CD 1](1)交響曲第1番H.289(1942) (2)交響曲第2番H.295(1943)
[CD 2](1)交響曲第3番H.299(1944) (2)交響曲第4番H.305(1945)
[CD 3](1)交響曲第5番H.310(1946) 
(2)交響曲第6番「交響的幻想曲」(1951-53)
ウラディーミル・ヴァーレク(指)
プラハ放送SO.
録音:2006年11月プラハ、チェコ放送スタジオA
ヴァーレク&手兵プラハ放送響が母国マルチヌーの交響曲を一息に全集でリリ
ース。多作家で知られるマルチヌーですが、第1から第5までの交響曲は5年以内
という非常に短期間に集中的に書かれました。6曲中最長の第1番は裸一貫の状
態でアメリカに辿り着いてから1年以内に書かれ、クーセヴィツキーが妻ナタリ
ーの思い出に委嘱した作品として知られます。このほかラインスドルフ初演の
第2番、シェイナ初演の第3番、オーマンディ初演の第4番、クーベリック初演の
第5番と、カメレオンとあだ名されたストラビンスキー以上にとらえどころのな
い多彩な作風がみられます。ただ5曲に共通する戦時から戦後まもなくという時
期が重要で、全てに少なからず戦争が影を落としている点も見逃せません。さ
らに、交響曲という枠組みから離れて3つの独立したファンタジーのスタイルを
とる第6番。6曲中随一の人気作は初演者ミュンシュに献呈されています。
ヴァーレクらによるセットは、当レーベルでは70年代のノイマン&チェコ・フィ
ルの記念碑的録音以来となるもので、あらたなるスタンダードとしておおいに
期待されます。

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