クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

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15-03 No.2

2015年03月31日 12時55分41秒 | Weblog
★ダイレクト・トランスファー・シリーズ 第1回CD発売のお知らせ★
これまでCD-Rで発売してまいりました当シリーズですが、今回初のプレスCDの
発売を開始いたします。これまでのCD-Rの音質とはまた違った音質でお楽しみ
いただけます。尚、マスターはCD-Rの78CDR-3369と同一で、再復刻は行って
おりません。これまで同様にノイズはありますが、生々しい音質でお楽しみ
いただけます。
当CDは当店の通販に加えて、東武トレーディング社を通じて、全国のクラシック
CD取り扱い店でもご購入いただけます。

78CD-3000 当店販売価格 \2080(税込) ※オープン・プライス商品
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
英 HIS MASTER'S VOICE DB 9266/9302
(1947年11月10-12、17日、ウィーン、ムジークフェライン、大ホール録音)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)はドイツの大指揮者。1937年ベー
トーヴェンの「運命」をベルリン・フィルとHMVに録音したのに続き、この「英
雄」はベートーヴェンの第二弾録音にあたる。オーケストラはウィーン・フィル。
フルトヴェングラーは1952年11月に再度ウィーン・フィルと「英雄」を録音して
いるので、このSP録音はあまり知られていない。ムジークフェライン大ホールの
残響はLP録音よりずっと美しい。これまでの復刻盤にはなかった低音部の動きに
も耳を傾けていだきたい。

ご注意:ノイズカットや編集は一切行っていませんので、SP盤特有の針音等のノ
イズが入ります。盤面ごとのつなぎ編集も行っておりませんので、SP盤1面ごと
(約5分)に音楽再生が途切れます。

●SPレコード復刻の歴史を振り返って
新 忠篤
アメリカでLPが登場したのが1948年(昭和23年)だった。一方イギリスではHMV
がLPレコードを発売したのが1952年(昭和27年)10月だったから、4年も遅れた。
因みに日本では日本コロムビアが1951年(昭和26年)にLPを発売した。遅れたの
はレコードプレーヤーやアンプ等の再生機の準備期間が必要だったからだ。LPが
出ても一般の愛好家は従来の78回転SPレコードでも不便を感じていなかったと思
われる。LP再生機が普及すると演奏時間の短いSPレコードは不便になり、SPの演
奏をLPに置き換えて発売する所謂復刻盤LPが登場した。EMIのSP復刻シリーズで
ある HMV/COLUMBIA Great Recordings of the Century が登場したのが1957年
(昭和32年)10月だったから、LP登場の5年後だった。HMV/COLUMBIA Great
Recordings of the Century はその頭文字をとってGR盤、復刻LPの代名詞となっ
た。SPレコードは片面3-5分の収録時間で、演奏はその都度止めて収録された。
LP復刻時には切れ目なく編集された。また復刻盤作成の原盤は、SPレコード原盤
をLPと同じビニール盤にプレスしたテストプレス盤だった。それはシェラック盤
に較べれば雑音は小さいが、LPに較べればかなり雑音が多い。LPは本来無雑音メ
ディアだから、復刻音源はフィルタ使ってノイズ除去をした。復刻エンジニアは
雑音ばかりが気になって、フィルタが音楽を損ねていることに気がつかなかった
のかもしれない。そして元のSPレコードとはまるで違うものが生まれた。EMIの
Great Recordings of the Century シリーズは1966年10月に終了したが最後まで
このポリシーを守り続けた。私はもの心ついて以来ずっとSPレコードに親しんで
いた。大学を卒業すると就職先をレコード会社に決めた。2年間のレコード店回り
のセールスマンの後に洋楽部勤務になった。海外原盤の国内発売業務の傍ら、自
分の手でSPレコードの復刻を始めた。日本コロムビアのDXMシリーズがそれであ
る。カペー四重奏団、ジョルジュ・エネスコ、ジャック・ティボー、フリッツ・
クライスラー、エーレナ・ゲールハルト、ユリア・クルプなどのSP盤演奏をSP盤
とそっくり同じ音で復刻した。それは私のGR盤への音の不満から出たもので、SP
レコードの音が復刻LPから再現できるたことで、多くの支持者を得た。
SPレコード再生には専用のフォノイコライザが必要で、市販の民生機のプリアン
プに組み込まれたSP用とされたイコライザはおおまかな特性でプロ用には使いも
のにならない。試行錯誤を重ねるうちに、SPレコードが吹き込まれた時代に録音
機材に使われていた真空管を使用すると、すばらしい再生ができることを発見し
た。私のアンプ作り歴は60年以上で、その目的はSPレコードをその録音された音
をそのまま再生することであった。現在ではDSD方式のデジタル録音機がSPレコ
ードの直接再生音をそっくり収めることが可能になった。これを「ダイレクト・
トランスファー」と命名した。DSD方式は編集をする際、いったんPCMにするため
音質劣化がある。したがってここでは盤面の編集はしていない。またフィルタ類
も一切使用していない。SPレコードの生の音をCD化したものである。

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