★ダイレクト・トランスファー・シリーズ 第1回CD発売のお知らせ★
これまでCD-Rで発売してまいりました当シリーズですが、今回初のプレスCDの
発売を開始いたします。これまでのCD-Rの音質とはまた違った音質でお楽しみ
いただけます。尚、マスターはCD-Rの78CDR-3369と同一で、再復刻は行って
おりません。これまで同様にノイズはありますが、生々しい音質でお楽しみ
いただけます。
当CDは当店の通販に加えて、東武トレーディング社を通じて、全国のクラシック
CD取り扱い店でもご購入いただけます。
78CD-3000 当店販売価格 \2080(税込) ※オープン・プライス商品
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
英 HIS MASTER'S VOICE DB 9266/9302
(1947年11月10-12、17日、ウィーン、ムジークフェライン、大ホール録音)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)はドイツの大指揮者。1937年ベー
トーヴェンの「運命」をベルリン・フィルとHMVに録音したのに続き、この「英
雄」はベートーヴェンの第二弾録音にあたる。オーケストラはウィーン・フィル。
フルトヴェングラーは1952年11月に再度ウィーン・フィルと「英雄」を録音して
いるので、このSP録音はあまり知られていない。ムジークフェライン大ホールの
残響はLP録音よりずっと美しい。これまでの復刻盤にはなかった低音部の動きに
も耳を傾けていだきたい。
ご注意:ノイズカットや編集は一切行っていませんので、SP盤特有の針音等のノ
イズが入ります。盤面ごとのつなぎ編集も行っておりませんので、SP盤1面ごと
(約5分)に音楽再生が途切れます。
●SPレコード復刻の歴史を振り返って
新 忠篤
アメリカでLPが登場したのが1948年(昭和23年)だった。一方イギリスではHMV
がLPレコードを発売したのが1952年(昭和27年)10月だったから、4年も遅れた。
因みに日本では日本コロムビアが1951年(昭和26年)にLPを発売した。遅れたの
はレコードプレーヤーやアンプ等の再生機の準備期間が必要だったからだ。LPが
出ても一般の愛好家は従来の78回転SPレコードでも不便を感じていなかったと思
われる。LP再生機が普及すると演奏時間の短いSPレコードは不便になり、SPの演
奏をLPに置き換えて発売する所謂復刻盤LPが登場した。EMIのSP復刻シリーズで
ある HMV/COLUMBIA Great Recordings of the Century が登場したのが1957年
(昭和32年)10月だったから、LP登場の5年後だった。HMV/COLUMBIA Great
Recordings of the Century はその頭文字をとってGR盤、復刻LPの代名詞となっ
た。SPレコードは片面3-5分の収録時間で、演奏はその都度止めて収録された。
LP復刻時には切れ目なく編集された。また復刻盤作成の原盤は、SPレコード原盤
をLPと同じビニール盤にプレスしたテストプレス盤だった。それはシェラック盤
に較べれば雑音は小さいが、LPに較べればかなり雑音が多い。LPは本来無雑音メ
ディアだから、復刻音源はフィルタ使ってノイズ除去をした。復刻エンジニアは
雑音ばかりが気になって、フィルタが音楽を損ねていることに気がつかなかった
のかもしれない。そして元のSPレコードとはまるで違うものが生まれた。EMIの
Great Recordings of the Century シリーズは1966年10月に終了したが最後まで
このポリシーを守り続けた。私はもの心ついて以来ずっとSPレコードに親しんで
いた。大学を卒業すると就職先をレコード会社に決めた。2年間のレコード店回り
のセールスマンの後に洋楽部勤務になった。海外原盤の国内発売業務の傍ら、自
分の手でSPレコードの復刻を始めた。日本コロムビアのDXMシリーズがそれであ
る。カペー四重奏団、ジョルジュ・エネスコ、ジャック・ティボー、フリッツ・
クライスラー、エーレナ・ゲールハルト、ユリア・クルプなどのSP盤演奏をSP盤
とそっくり同じ音で復刻した。それは私のGR盤への音の不満から出たもので、SP
レコードの音が復刻LPから再現できるたことで、多くの支持者を得た。
SPレコード再生には専用のフォノイコライザが必要で、市販の民生機のプリアン
プに組み込まれたSP用とされたイコライザはおおまかな特性でプロ用には使いも
のにならない。試行錯誤を重ねるうちに、SPレコードが吹き込まれた時代に録音
機材に使われていた真空管を使用すると、すばらしい再生ができることを発見し
た。私のアンプ作り歴は60年以上で、その目的はSPレコードをその録音された音
をそのまま再生することであった。現在ではDSD方式のデジタル録音機がSPレコ
ードの直接再生音をそっくり収めることが可能になった。これを「ダイレクト・
トランスファー」と命名した。DSD方式は編集をする際、いったんPCMにするため
音質劣化がある。したがってここでは盤面の編集はしていない。またフィルタ類
も一切使用していない。SPレコードの生の音をCD化したものである。
これまでCD-Rで発売してまいりました当シリーズですが、今回初のプレスCDの
発売を開始いたします。これまでのCD-Rの音質とはまた違った音質でお楽しみ
いただけます。尚、マスターはCD-Rの78CDR-3369と同一で、再復刻は行って
おりません。これまで同様にノイズはありますが、生々しい音質でお楽しみ
いただけます。
当CDは当店の通販に加えて、東武トレーディング社を通じて、全国のクラシック
CD取り扱い店でもご購入いただけます。
78CD-3000 当店販売価格 \2080(税込) ※オープン・プライス商品
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
英 HIS MASTER'S VOICE DB 9266/9302
(1947年11月10-12、17日、ウィーン、ムジークフェライン、大ホール録音)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)はドイツの大指揮者。1937年ベー
トーヴェンの「運命」をベルリン・フィルとHMVに録音したのに続き、この「英
雄」はベートーヴェンの第二弾録音にあたる。オーケストラはウィーン・フィル。
フルトヴェングラーは1952年11月に再度ウィーン・フィルと「英雄」を録音して
いるので、このSP録音はあまり知られていない。ムジークフェライン大ホールの
残響はLP録音よりずっと美しい。これまでの復刻盤にはなかった低音部の動きに
も耳を傾けていだきたい。
ご注意:ノイズカットや編集は一切行っていませんので、SP盤特有の針音等のノ
イズが入ります。盤面ごとのつなぎ編集も行っておりませんので、SP盤1面ごと
(約5分)に音楽再生が途切れます。
●SPレコード復刻の歴史を振り返って
新 忠篤
アメリカでLPが登場したのが1948年(昭和23年)だった。一方イギリスではHMV
がLPレコードを発売したのが1952年(昭和27年)10月だったから、4年も遅れた。
因みに日本では日本コロムビアが1951年(昭和26年)にLPを発売した。遅れたの
はレコードプレーヤーやアンプ等の再生機の準備期間が必要だったからだ。LPが
出ても一般の愛好家は従来の78回転SPレコードでも不便を感じていなかったと思
われる。LP再生機が普及すると演奏時間の短いSPレコードは不便になり、SPの演
奏をLPに置き換えて発売する所謂復刻盤LPが登場した。EMIのSP復刻シリーズで
ある HMV/COLUMBIA Great Recordings of the Century が登場したのが1957年
(昭和32年)10月だったから、LP登場の5年後だった。HMV/COLUMBIA Great
Recordings of the Century はその頭文字をとってGR盤、復刻LPの代名詞となっ
た。SPレコードは片面3-5分の収録時間で、演奏はその都度止めて収録された。
LP復刻時には切れ目なく編集された。また復刻盤作成の原盤は、SPレコード原盤
をLPと同じビニール盤にプレスしたテストプレス盤だった。それはシェラック盤
に較べれば雑音は小さいが、LPに較べればかなり雑音が多い。LPは本来無雑音メ
ディアだから、復刻音源はフィルタ使ってノイズ除去をした。復刻エンジニアは
雑音ばかりが気になって、フィルタが音楽を損ねていることに気がつかなかった
のかもしれない。そして元のSPレコードとはまるで違うものが生まれた。EMIの
Great Recordings of the Century シリーズは1966年10月に終了したが最後まで
このポリシーを守り続けた。私はもの心ついて以来ずっとSPレコードに親しんで
いた。大学を卒業すると就職先をレコード会社に決めた。2年間のレコード店回り
のセールスマンの後に洋楽部勤務になった。海外原盤の国内発売業務の傍ら、自
分の手でSPレコードの復刻を始めた。日本コロムビアのDXMシリーズがそれであ
る。カペー四重奏団、ジョルジュ・エネスコ、ジャック・ティボー、フリッツ・
クライスラー、エーレナ・ゲールハルト、ユリア・クルプなどのSP盤演奏をSP盤
とそっくり同じ音で復刻した。それは私のGR盤への音の不満から出たもので、SP
レコードの音が復刻LPから再現できるたことで、多くの支持者を得た。
SPレコード再生には専用のフォノイコライザが必要で、市販の民生機のプリアン
プに組み込まれたSP用とされたイコライザはおおまかな特性でプロ用には使いも
のにならない。試行錯誤を重ねるうちに、SPレコードが吹き込まれた時代に録音
機材に使われていた真空管を使用すると、すばらしい再生ができることを発見し
た。私のアンプ作り歴は60年以上で、その目的はSPレコードをその録音された音
をそのまま再生することであった。現在ではDSD方式のデジタル録音機がSPレコ
ードの直接再生音をそっくり収めることが可能になった。これを「ダイレクト・
トランスファー」と命名した。DSD方式は編集をする際、いったんPCMにするため
音質劣化がある。したがってここでは盤面の編集はしていない。またフィルタ類
も一切使用していない。SPレコードの生の音をCD化したものである。