テーマは粟餅を食いに行く・・・だったが、目の前の北野天満宮に詣でぬわけにもいかず。
ここは菅原道真公ゆかりの神社。 さすがは飛び梅が太宰府に後を追いかけたという逸話がある人物。
境内に吹く風には、かすかに梅の香りがする。
目と鼻の先に上七軒。ここが京都のお茶屋の発祥の地。
「ふた葉」は上七軒の中にある、麺処。
壁には舞妓たちの名前が並び、いかにも花街。ここにも春が咲いていた。
天神さんの梅もいいけれど、上七軒のお茶屋などに上がり、
白粉の匂いなどを嗅ぎながら、一杯・・・誰かおごってくんねえかな。
間もなく、京都の花街はどこも春のおどり一色に染まる。
上七軒は北野おどり。祇園は都をどり、先斗町は鴨川おどり、宮川町は京おどりとなる。
ほんの少し覗いたことしかないけど、けっこうですなぁ。
春の花といえば桜だが、万葉の時代は圧倒的に「梅」であった。
ボクも梅派である。 肌寒さにつぼみが震え、その幸薄そうなところが男心をくすぐる。俺だけ?
それでいて、あの儚げな芳しい香り。あれは何と表現したらいいのか。
ふた葉でたのんだのは、けいらん。
それと、きつね。 甘きつねが刻んである。
着物の姐さん方が大きいきつねにかぶりつき、汁を飛ばさないようにという配慮からか。
ピンボケもご愛嬌。
さて、どいしても行きたかった菓子屋へ。
私は酒のみであるが、どうして甘いものにも弱い。それもあんこものにだ。
ケーキなんか食いたいと思ったことは何度もない。だがあんこものは別だ。
実はあるTV番組で見たのが無性に旨そうだったので、ずっと机上にメモっていた。
中は粟なのである。職人が粟を丸く丸めて、並びの大きなすり鉢に投げ入れる。
それほど忙しい訳でもないが、とにかく投げ入れる。
そこで女衆が、甘さ控えめのこし餡をまとわせる。
餡もちが3つ、黄粉をつけたのが2個。上品な甘さ。
次々入ってくるお客に、この店と並びの藤野の豆腐屋だけは、何があっても健在だなぁと思わされた。
ついでに訪れた3軒の茶屋は、ことごとく売り切れており、愕然とした。
春の北野天満宮、格別お勧めである。
ロケ地 北野天満宮 京都市上京区今出川通り
粟餅所・澤屋 上七軒・ふた葉
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