我ら人間、あらゆる生物の生命の上に、旨いの不味いのとほざき生きている。「いただきます」とはお命いただきますの謂い。感謝を忘れてはならんと自戒する。
日頃スーパーのパック売りばかり見ていてはイメージが湧かないだろうが、かつて市場の精肉店ではたいがい、ど~んと枝肉が吊るされていたものだ。
近江の精肉店へ。昨日まで立っていた近江牛である。
自分のところの牧場で肥育した牛だ。
と畜され、前頭検査が行われるので翌日に返ってくる。
近江の松阪の神戸の米沢の…といろいろいうけども、素牛が何で
あるかが重要だという。但馬美方郡で産まれた血統書付のべこを(松阪の某有名すき焼き店が経営する牧場と競り合って買ったとのこと)、近江に連れてきて、2年2か月~3年育てる。
但馬牛は小型だというのが、枝肉は見上げるほどのでかさ。
いい脂はクリーム色。ここから大割り、電気ノコで横に切断し、
前とトモ(後ろ)に分ける。
こっちは前部分。肩ロース、ミスジなどはこっちに付く。
トモの方にリブロース、サーロイン、テンダーロイン(フィレ)などが付く。
清潔な仕事場で、匂いなど感じられない。
小さい小刀で肉から骨を外して行く。重労働だ。
熟練の職人になると骨から鮮やかに几帳面に肉が削ぎ落されていく。
海外の技術者ではこうはいかないぜ。
サーロインの部分。この小豆色が目安といえる。
脂の色の違いが分かろう。肉表面の照り。
サシに力があるのが良い肉だというのが分かる。
見事なサシだが、今日びの共進会優勝肉なんてこんなものではない。ピンク色ですごいサシだが、食べればもたれて、当分肉の顔も見たくないという羽目に。
但馬のべっぴんさんたちが飼われる牛舎へ。
辺りは風が気持ちいい。近江米の産地でもある。
清潔な牛舎で70頭ばかりが、ストレスなしで飼われている。
掃除も行き届いた快適な空間。牛の足元もジトジトしていない。
但馬美方の和牛のたすき。ま、牛たちはみんな雌牛の処女牛。
お肌ピチピチのミス但馬といったところだ。
山のミネラルに富む伏流水を飲み、風通しのいい牛舎で育つ。
黒々としたビロードのような毛に、まつ毛も長いのだ。
背中が平たいのは、ロース肉が多い証拠。
ストレスなしで飼われた健康な牛をいただきたい。
悪いな、いずれお命もらっちゃうんだよ。許せな。
下はスカートといわれるハラミ。
上もハラミで、サガリと呼ばれる。
我慢しきれず、すき焼き肉を少しだけ分けてもらう。
この色が一晩、空気に触れると・・・
・・・こんな風に発色するのだ。
すき焼きに使う脂はケンネ脂だということも知らなんだ。
プロの肉屋さんは「特選の近江牛には醤油!」という。
黒毛和種の優れた牛肉には甘みがあるので、醤油がちょうど合うのかも知れぬ。
食べてみた。一瞬で無くなった。
小売りもしているこちら、東近江界隈の住人が羨ましく思った。
美味しい肉を、健康で安全な肉を。まだ市場やTVマスコミにはサシ至上主義は続いているが、海外から帰った料理人たちは、すでに「肉牛本来の赤身の美味しい肉」を求め始めている。
我ら肉好き、美味しく食って、浄仏させてやらねばならん。
しかし、1週間も食べると飽きた。もういい。
ジャークチキンだけで十分だ。
日本人ぐらいでしょうね、一般人の食卓に世界各国のメシがあがるというのは。今日は洋食、あしたは中華、その次はコリアンと、国際的と見るか亡国的と見るか。
ジャマイカ飯にうまく辿りつけなかった。
じゃ、まぁいいか、みたいな…。
jamaica 飯です。
うまいかまずいか食べる人間の感性
また、アメリカ人は、こんな脂肪たっぷりのは、食べることできないと、文句言うだろう。なぜなら、見た目で物事を決めるから。
なんとうまそうな。肉。
私 今からジャマイカに行って、うまいジャークチキンを食ってくる。