マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

極楽から目覚めてみれば・・・

2009-04-04 01:25:21 | 



3月いっぱいで閉店となった「道頓堀極楽商店街」。
5年もたずに撤退。大々的な開業だっただけに、まことに残念。

店舗プロデューサーの故・日限万里子が「大人の町である道頓堀に、この空間は汚すぎる」と開館の頃meets誌で怒っていた。錆びた看板などを再現して、戦後の焼け跡闇市的セットをよく表していると思ったが、ああいうアナクロニズム嫌いぢゃないが、やっぱし汚い(苦笑)。

暗闇が多くて酔ったら立ち小便の一つもしたくなるようなロケーション。
方向音痴なので館内でたいがい迷った。火災など起こったらえらいことになると思っていたので、大過なく閉幕を迎えられたのは幸い。

開業に際し、京阪神の有名店に出店を促した。厨房施設などハードは言いなりで用意する、人だけだんどりして下さいと。なにしろ道頓堀、店にはちょっと美味しい話だ…。
だが場所により当り外れがあり、結局、とんかつ武蔵、グリル一平、井出商店、はがくれなどは早々に撤退して行った。どだい、こんなテーマパークで真剣にめしを食おうなんて人はいなくて、せいぜい買い食いする感じ。串カツのだるまが流行ったわけだ。

櫛の歯のように抜けていく店を埋めねばならない…新店の出店がままならない中、親会社側が急作りした店が林立し出し、オペレーションのラクな粉もんの店ばかりができた。(オモニや桃太郎のことぢゃねぇよ、こちらは名店)そうなってくると、なにも入場料315円払って入るこたぁねぇ、道頓堀自体が粉もんだらけのテーマパークみたいなもんだ、ということになる。

この入場料というのもネックになった。何度も撤廃して客をよび込んでくれという店側は主張したようだが、実態はそうはならなかった。終りが見えてからタダです・・・ではだぁれも見向きもしない。

断続的に行われるショー、「極楽夫婦善哉」というのもつらかった。姦しく夫婦喧嘩をして仲直りをするという何ら意味のない゛賑やかし″で、役者作家諸君には悪いが二度見たいとは思わなかった。

もうひとつ、当初、マスコミ人など食関係の専門家たちをアドバイザーとしてヒアリングを行ったようだが、その後、全くなしのつぶてだったというのは礼を逸してやしまいか。

5年に満たず消えてしまったが、東京のパチスロメーカーsammyとしたら頑張った方かもしれん。欲をいえば、これ道頓堀ぢゃなく千日前でやって欲しかった。あすこは見世物、ケレンの本場。道頓堀はやはり大人の街という見識を持ってもらいたかった。

極楽、くいだおれ倒れ、中座なく、映画館閉め、惨憺たる道頓堀のありさまだが、なに戦後すぐだと思えばよい、この焼土から復興して行くのが大阪のしぶとさでもある。

私にゃ夢がある。キング牧師か!

道頓堀の弱体化はすなわち松竹の弱体化でもある。ならば吉本さんに道頓堀に進出してもらう。街の外観は古い道頓堀で厳しく統一感を出す。芝居街であった道頓堀をもう一度取り戻す。
浜側(川側)はかつての芝居茶屋が並んでいた頃のファサードに統一し、店内はそれぞれの業態に合わせて自由にすればいい。紐育、巴里を見なさい、百年以上の古い建造物の中でティファニーがあったりする。南の劇場側は五座の櫓を掲げた劇場然としたものにする。ここへ来ると日本のかつての劇場街へタイムスリップできるものにする。

ゴチャゴチャしたパチンコ台のような道頓堀にはもうおなかいっぱい。店主たちは観光客に迎合などしなくてよい。大阪でも特別な街である高い志を持ってもらいたい。温故知新、新しいが包み紙ばかりのペラペラなのはもう結構。オンリーワンの街を取り戻してもらいたい。心から。



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