マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

夫婦洋食ポークチャップ

2008-05-16 15:10:22 | 



昼は遠にすぎた。夕食には早い。
そんな時は洋食屋で一品取り、ビールというのもよかろう。
TV画面に相撲中継でも点いてれば最高だ。
ここは四ツ橋通り。西成・鶴見橋商店街。



外からは一見やってるんだか、やっていないんだか判らない。
遠慮がちな営業中の札を見て、エイヤッと入る。

人生の機微も味わい分けるご夫婦がやってらっしゃる。
客はオレ一人。余りにも怪しいので、ポツポツと世話話をしてみる。

この場所に90年住み、戦後すぐの開店という「グリル・マルタ」。
物資不足の時代はうどん屋を営んだという。
マルタ島関係なく、母方の旧姓から○にタとした。

創業者の父親は北新地スエヒロの出身。
戦前、仏料理をしていたプライドがあり、ここでも客に迎合せず、
カタカナの料理を並べ、3年間は客がつかなかったという。



父の代から同じメニューを使っている。
最下行、白ご飯を「ホワイトライス」と書いているのはご愛嬌。
唯一の和名は、「やきめし」。



ポタージュスープ。
奥さんが嫁いだ昭和39年、鶴見橋商店街は怖いぐらいに
賑わっていたという。約1キロの商店街には何軒もの映画館があり、
心斎橋に勝るとも劣らぬ商店街だった。
買い物も食事もここだけで事足りた。
皮革製品に強い鶴見橋。高級革靴を買いに来て、帰りに洋食を
食べて帰るなどのハイカラな紳士淑女が大勢いたそうだ。



ポークチャップ 美味いッ。ビールには相性抜群。
脂が美味いので、食材に気を使っているのが判る。
付け合せのポテサラも丁寧に作られている。

三代目は畑違いに就職したので、この店もご夫婦の代で仕舞う。
人件費も不要、老け込み防止のために続けているという感じだった。
話好きの夫婦二人きりの店。
こういう店はそっとしておいて、ときどき思い出して訪れるに限る。


     鶴見橋商店街 東側   「グリル・マルタ」



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4 コメント

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真面目な洋食屋さん (せっちゃん)
2008-05-16 16:36:42
ここのデミグラスソース美味しかったなぁ~。ほとんどビーフかつを注文してあつあつをほうばり~ここのポテトサラダは特に美味しかったなぁ~。今もお店をされうれしいなぁ~。

   お味も人柄も真面目な洋食屋さん。

  
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料理屋は真面目が一番 (管理人)
2008-05-17 09:15:19
デミグラスソースをコツコツ仕込むなど、真面目でないとできない作業ですね。

さすがに良くご存知!行ったことおありだろ~なぁと思ってました。
ときどき無性に食べたくなるのは、こうしたクラシックなニッポンの洋食!こんな洋食こそ海外であれしません。
そういえばビフカツに郷愁を感じる若い連中も少ないそうで、嘆かわしい。
律儀にご飯をフォークの背に乗せて食ってた時代が懐かしいです。
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ゴーイング ノーウェア (ボブ浅野)
2008-05-20 00:04:05
アッハハ、、、ご飯をフォークの背に乗せましたか。やりましたよね。すごくフラストレーションがたまる作業を。日常のご飯とお箸の世界の満足感は得られなかったですね。だってフォークの乗っかているライスなんて、普段の半分、いやその半分ですもんね。私は挫折して背ではなく表に乗せましたが。いるんですよね、強引な人が、いつの世でも。そう、フォークではなくナイフの上に乗せて食べてました!友達ですが。そんな場面がなつかしい?時代でした。
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フォークの背 (管理人)
2008-06-25 01:17:42
ナイフの背にご飯を一列に乗せて食う友達がいました。食べ損なって口切ってました。
なんてことはありません。

「幸せの黄色いハンカチ」で高倉健が倍賞千恵子とデートするシーンで不器用そうにご飯をフォークに乗せて食ってたのを思い出しました。
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