勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

京都の東寺へ

2014-11-06 23:06:17 | Weblog
3日ぶりの日替わりに。今日は来客の続く1日となった。

さて、昨日は京都の東寺を訪山し、境内地の「灌頂院」という建物で10月31日~11月9日まで一般公開(初)されている重要文化財の両界曼荼羅図(元禄本)を拝観してきた。

真言宗の最重要儀式の1つに「後七日御修法」(ごしちにちみしほ / 毎年1月8日~14日)という法会が伝えられている。この両界曼荼羅は本尊として懇ろに荘厳されている。曼荼羅は弘法大師空海が唐から806年に請来、以後、歴史の推移と共に幾度も転写されて現在「御修法」で使われているのは4回目の転写に当たる「元禄本」が使用されている。

この元禄本は勝福寺の本山でもある御室・仁和寺の孝源僧正(1638~1703)が発願し、徳川綱吉公の生母である桂昌院によって寄進されたという。両界とも378cm×410cmの大迫力で圧巻される。歴史的な背景の推察によって様々な情景が浮かぶのだが、それは各々の想像に譲りたい。

本年平成26年は、弘法大師が四国88ヵ所霊場を御開創されて1200年、来年平成27年は高野山が御開創されて1200年を迎える。

話を戻して、元禄本の曼荼羅が転写されてから300年以上が経過した今、東寺の許可を得て頼富本宏博士の監修により平成本の転写が製作されたことは早くから周知しており、何度か拝見したこともある。Gikoohは最近曼荼羅の重要性を再認識しており、教化活動には欠くべからざるものだと心得ている。

このたびの元禄本がこの時期に一般公開されることは極めて珍しく、Gikoohも見ておきたう事情があったから昨日、訪ねてきた。一緒に同行していた方が、「道場外にいる人と、道場内にいる人の表情がまるで違う」と話されていたが、本来の尊い人間性が出るというか、多くの尊像や配置、色彩なども仏教美術の最奥だと思う。

9日(日)までの開催なので、機会があれば是非。
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