湊かなえ「境遇」双葉文庫2011年刊
台風の接近が相次ぎ、天候不順に見舞われているので、家に閉じこもることが多く必然的に読書時間が増える。好きな作家湊かなえの一冊である。
お互いに孤児院出身の女性:県会議員の妻で絵本作家と女性記者を中心に展開する。ストーリー展開より日常生活描写の中に推理小説の種を探し出すことに才能を発揮していた著者が、本作品ではストーリー展開がかなりクッキリしている。
二人の女性がかなり親しくなり、家族以上に理解し合う。そんな中で突然発生する子供の誘拐事件。夫の政界の不始末事件をネタに強請られているのか、出生の秘密を暴こうとしているのか・・・。
興味津々である。帯に書いてあるように「一気読み必至のノンストップミステリー」だ。逆境に育った二人の女性を描いた傑作だ。