遅いことは猫でもやる

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ブータンの国技

2014-05-03 17:00:02 | 行ってきました


日本で国技といえば相撲だがブータンでは弓である。アーチェリーなどではなく和弓に近い。金属で出来た弓もあるそうだが、一般には竹を組み合わせた物がほとんどだ。

そういえばこの区には最近国の花が石楠花から「青いケシ」に変わったそうだ。国獣はターキンだという。やぎと牛の中間のような動物だ。日本の国獣は一体なんだろう。国の木は糸杉、国の鳥はワタリガラス、宗教は仏教(ラマ教)、とやたら国のものが指定されている。尤も強制感は無いが、民族衣装の「ゴ」や「キラ」はほとんどの人が着ている。私達にはこれだけ国を愛する気持ちは、サッカーの日本代表や、WBCを応援するときくらいしかないような気がする。

ティンプーのサッカー場や陸上競技場の近くの弓道場で大会のの準々決勝があるというので見物に寄った。旗で囲んだ土壁の前に直径40cmほどの的を描いた縦長の白い板が立ててあり、其の前に5~6人の男が何やら叫んでいる。はるか向こう(140m)にも同じような集団があり、両方の的を見渡す階段席に大勢の人が応援或いは見物に来ている。風音がして矢が飛んでくるが、男たちはコースを見極め、ヒョイ、ヒョイと躱す。危険はないだろうかとハラハラして見ているが、若者たちは一向平気で、器用に矢を避ける。観客も至極当たり前のように見ている。結構目の良い人が多いのだろう。
一人2本ずつ交互に撃ちあう。矢が外れると受け手の集団は一斉に囃し立て足踏みをする。的にあたったときは逆に攻撃側が歓声を上げ一斉に踊りだす。射手の順番は後順になるに従って上手い人が出てくるのだそうだ。これは全国大会だが、各地方では、村々で隣村都の対抗戦が催されるとのこと。お祭りみたいのものだが私も昔は村の代表で出た事があるという。パロのホテルの林の中の小さな(40mほどの)球技場で我々もやってみたのだが、的にはなかなか当たらなかった。

各村にはきっと伝説的に上手い人がいて、覇を競っているのだろう。これもお祭りの一種である。ゆったりと流れる時の中で、近所のういとと世間話をしながら「おらが村」の代表を応援する。まるで江戸時代の習俗みたいに感じた。