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半落ち

2014-01-21 07:33:34 | 雑感
横山秀夫「半落ち」講談社 2002年刊

友人が貸してくれた本で、刈谷に持ってきた本を読み尽くしたので、久しぶりに図書館に通い何冊か借りてきた。

警察機関の内幕の描写では定評のある著者の作品。今回もその範疇だが、組織は警察内部と検察の主導権争いだ。いずれもマスコミ対策がかなり影響があるように書かれている。これが本当だとすると、マスコミはかなり重要な役割を果たしていることになる。特定秘密保護法が彼等権力にとって望まれるわけだ。

「半落ち」とは「完落ち」に対する警察用語で自白をまだ十分にしていない状態のこと。
ストーリーは定年間近で、教育掛かりを務める温厚な警部がアルツハイマーの妻を殺して自ら出頭するが、犯行後の2日間についてはガンとして口を割らない。その二日間に何があったのかをめぐり、警察と検察のメンツをかけた争いが展開する。何処の組織にもゴマすりと正義漢は存在する。その辺りの描写はややありきたりだが分かりやすい。

刑事、検察官、裁判官、新聞記者、刑務所管理官関わってくる構成も面白い。それぞれの立場にあるものが、それらしい考え方で行動する。
しかしながら、組織はいつもこんな具合に腐敗してゆくのだろうか。それでも現場はいくらか良さを保っているのだが・・。