「6/26-28 皮むき間伐ツアー2015@くりこま」と題して、田中優氏が東北で「間伐作業に参加する企画」を一般市民に対して募集しています。
このことを考察します。
まず天然住宅HPをみると、田中優氏は「山を守るには間伐が必要」と強調し、「ニセ無垢材利用」をやり玉に挙げています。
さらに 場所を見ると、宮城県大崎市、栗原市です。栗原市は汚染状況重点調査地域に指定された場所 です。
栗原市をはさんで南北に大崎市と岩手県の一関市、といった位置関係です。
放射性プルームが通過し、膨大な放射性物質を落としたことはその後の調べでもわかっています。
市民による岩手全県土壌放射能汚染調査結果 より引用
岩手県南地方の放射能汚 染は予想よりも遥かに酷いものであ り、一関市、平泉町、奥州市、金ヶ崎町の 2 市 2 町全 164 調査地点中 52 地点が 1000Bq/kg(65000Bq/ m2)を超えている
つまり大崎市、栗原市の森林には福島第一原発事故の際の大爆発で放射性物質が大量に降り注ぎ、今も残存しているということです。
EU研究機関 Atmospheric Chemistry and Physics が発表した放射能汚染地図。 IAEA基準40kBq-m2以上は移住相当の汚染地域
にもかかわらず、スケジュールを見ると、皮むき間伐作業に薪割り作業があります。
皮むきというのは、もっとも放射能汚染されている樹皮=バークをはがす作業です。はがす際には、表面に付着した放射性物質が飛び散ります。
樹皮の汚染がいかにひどいものかというのは、当ブログのこちらの2つのブログ記事を是非ご覧下さい↓
琵琶湖汚染木材チップ問題テレビ報道と放射能汚染地域の樹皮(バーク)について
汚染バークは日本中に!ペレット乾燥の燃料、バーク堆肥、石炭火力の混焼?農地改良材?
ここを見れば、放射能汚染地域の樹皮、製材所がいかに危険なものであるかわかります。
田中氏は”放射性物質の危険”を市民に伝えており、”脱原発”で有名な人物です。このような危険作業を、子供を含む一般市民を集めて行う意味が分かっているのでしょうか。
乳幼児まで参加可能となっていることに驚きます。 全員から参加費を徴収。 大人は酒も飲むということでしょう。
スケジュールの中に田中優氏の講演会も組み込まれています。NPO法人日本の森バイオマスネットワークと共催ですから、木質バイオマス推進の話になることは間違いありません。
平成26年度 特定非営利活動に係る事業会計収支予算書 こういうNPOに補助金がじゃぶじゃぶ流れ込んでいます。HPを見ると
環境NPOの中に地元のバイオマス関連企業が入っている構造となっています。
過去のツアーの様子というのがありましたので見てみると、原発事故直後に行われていました
~その1~ http://www.tennenbank.org/blog/?p=275 より抜粋(青文字)
「札幌に部屋を借りて3度目の冬が来た。自宅は神奈川県にあるが、行ったり来たりを繰り返している。
東日本大震災が起き、原発が爆発して放射性プルーム(雲)は関東にもやってきた。東京が仕事場である私は、その直後から咳が止まらない日々が続いていた。風邪ではないとわかっていた。乾咳がコホコホと出続けた。 私のまわりのとくに幼い子どものいる友人は東京を脱出した。ほとんどは関西、そして沖縄まで。その時私は札幌に行こうと決めた。」(北海道新聞 2014/1/6 文化面より)
そしてこういった事実もあります。↓
大貫妙子氏は東北電力の依頼でCMソングを手がけていました。
(週刊金曜日より)
ピンチはチャンスです!これを期に、東北から日本を元気にできる。そんな可能性を感じられたことは、このツアーの大きな財産でしょう。
ツアーをやれてよかった。 ‘不謹慎’と言って、何も行動しないよりも、何でもいいから行動すること。それが大事だったんですね!」
黒潮という流れが犬吠埼の先端からハワイ側に流れているんですね。
その海流のおかげで、福島から流れてしまった放射能は南におりて、犬吠埼から今度はハワイ側に向かっちゃっているんです。
ま、一部乱流がありますから、少し汚染が他にも流れていますけれども、
主な汚染はほとんど福島沖、茨城沖、その後はハワイ方向へ向かっちゃっているので、
それ以外の海域というのは比較的大丈夫なんです。 」
そういった中で、後はじゃあ、個人個人のレベルでいったときに、それを測定したものを是非本当は取り込みたいところですよね。
田中:
そうですね。
今は生協であるとか、イオングループも今は放射能レベルを調査したりしているので、そういうところのものを選択するのがいいかと思います。」