熊本市の小学校でトルエン検出
2015年06月05日 19:24 現在 RKK
熊本市教育委員会は、東区にある2つの小学校で揮発性の有機化合物「トルエン」を検出したと発表しました。今のところトルエンが原因での体調不良の報告はないということです。基準値を上回るトルエンが検出されたのは熊本市東区にある託麻南小学校で14教室。山ノ内小学校で11教室です。市教委によりますと、去年9月から12月にかけてこの2つの小学校の屋上に太陽光パネルを設置する工事をした際に使用した接着剤や防水塗料に「トルエン」が含まれていて屋根裏から3階の教室に浸透したということです。「トルエン」は体調不良を引き起こす「シックハウス症候群」の一因とされていて、基準値の4倍を超える教室もあったということですが、今のところトルエンの影響とみられる頭痛やめまいなどの報告はないということです。現在、2つの小学校では換気扇を設置する工事が進められています。市教委は今週月曜日、北区にある楡木小学校でも3つの教室で基準値を超えるトルエンが検出されたと発表していました。
小学校からトルエン検出
NHK 06月05日 18時19分
熊本市はきょう、新たに市内の2つの小学校から国の基準を超えるトルエンが検出されたと発表しました。
市によりますと今のところ児童からの健康被害の報告はないということです。
国の基準を超えるトルエンが検出されたのは、東区の託麻南小学校と山ノ内小学校の2つの小学校です。
トルエンの検出をめぐっては、熊本市は今月1日に北区の楡木小学校の教室で最大で基準の4倍あまりのトルエンが検出されたことを発表しています。
それによりますと去年、小学校の屋上にソーラーパネルを設置した際に使用した接着剤などにトルエンが含まれていたということです。
市は同じ業者が工事をした託麻南小学校と山ノ内小学校についても、先月、検査をしたところ、あわせて25の教室で最大で基準の4倍あまりのトルエンが検出されたということです。
今のところ、いずれの小学校でも児童からの健康被害の報告はないということです。
トルエンは接着剤や塗料などに使われていて、気化したものを長期間、体内に取り込むと精神障害や記憶障害を起こすおそれがあります。
市は、各小学校に対して換気を徹底するよう指示するとともに、換気扇を設置する工事を進めています。
06月05日 18時19分
2015年06月06日 熊本日日新聞
熊本市北区の楡木小で基準値を超えるトルエンが検出された問題で、市は5日、東区の託麻南小と山ノ内小の校舎でも基準値超のトルエンを検出したと発表した。両校では楡木小と同じくトルエンを使う工事が実施されていたが、市教育委員会は楡木小の原因が推定された数日後も、両校に教室の換気の指示などをしていなかった。
市教委は「5日までに健康被害の訴えはないが、呼び掛けが遅れたのは反省している」と謝罪した。2校からの検出結果は、楡木小の問題を発表した1日時点で既に判明していたが、公表していなかった。
3校では昨年9~12月、公共施設の屋根を太陽光発電のため民間事業者に有料で貸す市の「屋根貸し」事業で太陽光パネルの設置工事を実施。その際に業者がトルエンを含んだ塗料や接着剤を使用したという。
楡木小では昨年8月の定期検査でホルムアルデヒドが検出されたため、3月25日に再検査を実施。図書室など3カ所でトルエンが基準値の1・42~2・15倍あったことを4月10日に確認した。同24日の再々検査でも2・23~4・07倍あった。
市教委は再々検査の結果が分かった5月13日時点で、パネル設置工事がトルエンの原因と推定。託麻南、山ノ内の2校で同じ工事をしたことも把握していたが、両校の校長らに連絡したのは6日後の19日だった。
その後、両校でもトルエン濃度を測定したところ、5月末までに託麻南小では3階の全14教室で基準値の最大4倍超の1100~360㍃グラム、山ノ内小では3階の11教室で最大2倍超の540~280㍃グラムが検出された。ただ、市教委は「いずれも換気した状態では基準値を下回り、使用は問題なかった」としている。3校には7日までに換気扇を設置する。
2校の保護者への事実関係の通知が4日、公表も5日と遅れたことについては、市教委は「対策の見通しが立ってからの方が良いと思った」と釈明した。(植木泰士)
トルエン基準値超 更に2校 熊本
読売新聞
熊本市の小学校教室で文部科学省の基準値を超えるトルエンが検出された問題で、市教委は5日、同市東区の託麻南、山ノ内小の2校でも基準値を超えるトルエンが検出された、と発表した。最初に検出された楡木小(熊本市北区)を含めた3校では、同じ業者が校舎屋上に太陽光発電パネルを設置していた。市教委は「工事で使われた接着剤や塗料が原因とみられる」と判断し、換気扇を取り付ける。児童への影響は報告されていないという。
市教委によると、5月下旬、楡木小と同じ業者が太陽光発電パネルを取り付けた2校で検査を行った。その結果、託麻南小の14教室で文科省の基準値(1立方メートル当たり260マイクロ・グラム以下)の最大4・2倍、山ノ内小の13教室で最大2・1倍のトルエンが検出された。
換気した後は基準値を下回ったことから、市教委は「換気すれば教室使用は可能」とし、各校舎の天井裏に換気扇を設置する。費用は業者が負担し、パネルの撤去は行わないという。
市は、太陽光発電を行う事業者に公共施設の屋上を有償で貸し出しており、3校のほかにも、同市南区の「火の君文化センター」にパネルが設置されている。同センターからは基準値を超えるトルエンは検出されていないという。
市環境政策課は「新規貸し出しの予定はないが、工事で有害物資を使わないよう業者に求めたい」としている。