自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆能登の震度6強 目にした崩落の現場 

2023年05月16日 | ⇒ドキュメント回廊

          能登半島の尖端で震度6強の地震が発生してきのう15日で10日目。恐る恐るだが午後に現地を訪ねた。恐る恐るというのも、きのう午前中も震度2が1回、そして昼過ぎに震度1が2回あった。揺れは続いているのだ。ただ、現地をこの目で確かめないことには気持ちが納まらないという想いもあり、エイッ、ヤッーと車のアクセルを踏んだ。

   金沢から2時間ほどで珠洲市に着いた。今回の地震では同市を中心に1人が亡くなり、40人がけが。住宅被害は全壊が16棟、半壊15棟、部分損壊が706棟となっている。また、住宅以外でも蔵や納屋など62棟に被害が及んでいる(石川県危機管理監室まとめ)。被害が大きかった同市正院町に入ると、全半壊の家屋や、土蔵の白壁が落ちる=写真・上=などの被害があちらこちらにあった。

   これまでの何度か購入したことがある酒造メーカー「櫻田酒造」を訪ねた。酒の貯蔵庫では屋根の落下や辻壁の剥がれ落ち、貯蔵タンクの一部が傾くなどしていた。震度6強の揺れでは、棚から出荷前の一升瓶が200本落ちて割れた。冬季の酒の仕込みに間に合うように酒蔵の改修工事を予定しているが、社長は「さらに強い地震が来るのではないかと不安もよぎる」と話した。   

   海岸沿いにある「須須(すず)神社」では鳥居が倒壊していた=写真・中=。この神社は、国指定重要文化財の「木造男神像」や、この地を訪れた源義経が海難を免れたお礼にと奉納した「蝉折の笛」や「弁慶の守刀」が収められていることで知られる由緒ある社だ。鳥居は花崗岩でできており、高さ9㍍もある大鳥居だった。近くを歩いていたシニアの男性に尋ねると、去年6月の地震6弱の揺れで鳥居が一部壊れ、修復工事を終えたばかりだったという。「また鳥居が崩れるなんて、残念です」と肩を落とした。

   山沿いに入ると裏山が崩れている民家があった。家まであと数㍍のところで土石流が止まっていた=写真・下=。揺れだけでなく、今後、大雨に見舞われたらさらに二次災害が起きるのではないかとつい不安がよぎった。

⇒16日(火)夜・金沢の天気    はれ


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