自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★がけ地をよじ登るパワーショベル 見る人をハラハラさせる不思議な光景

2024年09月10日 | ⇒ドキュメント回廊

  前回ブログの続き。先日(7日)輪島市で稲刈りが終わった白米千枚田と子どもたちの田んぼアートを見て、金沢に戻る途中の輪島市内の県道を走っていた。途中、元日の能登半島地震で山崩れが起きている場所が何ヵ所かある。その一つのがけ地の中腹で重機のようなものが動いているのが見えた=写真・上=。停車してよく見ると、パワーショベルが動いている。がけ地はかなりの急斜面地だ。時間は午後4時30分ごろだった。晴れてはいたものの、今月初めは台風10号の影響で能登でも雨もかなり降った。滑って落ち来ないか、パワーショベルの重みで土砂崩れが起きないだろうかと、眺めている方がハラハラ、ドキドキするような光景だった。

  そもそも、なんの目的でパワーショベルががけ地に上っているのか。車体をよく見ると、「ロッククライミングマシーン工法」(RCM工法)と書かれてあった=写真・下=。自宅に戻り、ネットで「ロッククライミングマシーン工法」を検索してみると、「高所機械施工協会」という団体の公式サイトで説明があった。以下。「急峻で複雑な地形が多く、地震など、常に災害の危険と隣り合わせであるわが国において、高所法面(のりめん)の工事は必要不可欠である。しかし、従来の主に人力に頼る工法では、1日の施工量も限られ、地盤の崩壊や落石といった危険があった。そんな高所法面の工事を、ロッククライミングマシーン(RCM)を使用して行うのが、RCMによる法面掘削工法」とある。

  さらにサイトを読み込むと、法面の上部に設けたアンカー(主に立木を使用)と、RCMを十分な強度を持つ2本のワイヤーで接続し、安全を確保してから工事を行う、とある。車体も高所の傾斜に対応し、作業体を常に水平に保つリフティング装置を搭載するなど、さまざまな工夫が施されている。

  それにしても何の目的でこの作業を行っているのか。以下はあくまでも素人の推測だ。地震で崩れた下には河川が通っており、さらに対岸には民家もある。ということは、今後がけ崩れが起きると「土砂ダム」ができたり、民家に被害が及ぶことも想定され、法面をなだらかにすることでその危険性を緩和する作業なのだろう、か。

  落下防止に最善を尽くしているのだろうが、それにしても斜面から滑り落ちるのではないか、何か間違いが起きれば大きな事故が発生するのではないか。見れば見るほどハラハラする不思議な光景ではある。

⇒10日(火)午前・金沢の天気    はれ

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