自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★台風とリスク管理

2009年10月08日 | ⇒トピック往来
 1泊2日の東京出張(10月8日-9日)が3週間ほど前から予定され、そこに台風18号がやってきた。なんとか東京にたどりついたものの、移動手段が二転三転、そして綱渡り。こんなことも珍しいので記録に留めておきたい。

 出張は、金沢大学が文部科学省から委託を受けて実施している人材養成プログラムの中間報告のため。当初往復とも小松空港と羽田空港を利用した空の便を予約した。雲行きが怪しくなってきたのは今月5日ごろ。伊勢湾台風並みの大型台風がやってくるという。そのうち、8日に本州直撃との予報が。今風の「リスク管理」の5文字が脳裏に浮かび、「これはいかん」と旅行会社と相談し、台風に強い列車に切り替えた(6日)。行きをJR金沢駅から越後湯沢乗り換え、上越新幹線で東京へ。帰りは東海道新幹線で名古屋乗り換え金沢駅のチケットを手に入れた。航空運賃のキャンセル料(30%)がかかったが、リスク管理は経費がかさむものと自分を納得させていた。しかも、中間報告に出席する3人とともに発表のリハーサルも終え、準備は万全と悦に入っていた。

 ところが、7日午後5時半ごろ、旅行会社から携帯電話に連絡が入った。「台風の影響であすはJRが全面運休となりました」と。「これはいかん」。即、大学の事務スタッフに依頼して、東京での中間報告会が予定通り実施されるのかどうか先方に確認してもらった。その返事は「今のところ予定通り。ただ、変更もありうるので連絡がつくように」と。それしてもなぜ陸路の列車が止まるのか疑問だった。JRは乗客5人が死亡した2005年の山形県内の羽越線の脱線・転覆事故以降、運転を見合わせる風速の規制値をそれまでの秒速30㍍から25㍍に引き下げていた。つまり、安全対策のレベルを上げていたのだ。今回の台風に関しては、JRが航空会社より機敏で、運休の判断も速かった。「少々過敏」と思わないでもなかったが…。

 では、東京行きの移動方法をどうするかと思案していると、くだんの事務スタッフからその夜、電話があった(7日)。「小松発の8日夕方のJAL便がインターネットで予約を受け付けている。私は1278便を取りました。宇野さんはどうしますか」と。即「私の分もお願いします」と。結局、台風が過ぎ去るを待って、空から追いかけるように小松から羽田に向かうことにした。帰りはJRの便をそのまま生かした。

 そして8日午前、能登半島などが暴風域(風速25㍍以上)に入り、最大瞬間風速は輪島で33.5㍍、金沢で27.7㍍に達した。金沢など加賀地方では白山(標高2702㍍)が衝立となったのか、能登方面よりも風の勢いは強くなかったようだ。小松発午後4時20分のフライトを待った。しかし、羽田からの機体到着が遅れ、東京に向けて飛び立ったのは午後7時15分。実に3時間の遅れだった。羽田に着いたとき、雨は上がっていて星がきれいに見えていた。(写真は気象庁)

⇒8日(木)夜・東京の天気  はれ

 

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