自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆パケット通信料の壁

2005年06月22日 | ⇒メディア時評
   NTTドコモのFOMA端末を使っている友人に電話で、「きのうは見たか」と声をかけたら、「あんなもの恐ろしく見れないよ」と返事が返ってきた。やっぱりそうかと妙に納得した。楽天がきのう21日から、東北楽天ゴールデンイーグルスの携帯電話公式サイトで、フルキャストスタジアム宮城での生中継映像の配信を始めた。FOMAのテレビ電話機能「Vライブ」を使って、試合開始から終了まで配信。きのうの初戦は対福岡ソフトバンクホークス戦だった。

   サービス利用には、球団の公式サイト「楽天イーグルスモバイル」(月額315円)の登録が必要で、ほかに月額300円の情報料が必要だが、友人が「恐ろしくて」と言ったのは、テレビ電話のパケット通信料のことである。何しろ1分間で30円ー70円もかかる。2時間視聴したとして8400円になる。芝生席だった1000円ぐらいだから、その8倍もするというわけだ。楽天は「従来の配信は1秒間6枚ほど。最大12枚の配信が可能で、画像はより鮮明になる」と画質のよさを説明しているが、パケット料金を気にしながらプロ野球を観戦する気にはなれない。携帯電話の1ヵ月の平均的な利用料が8000円と言われているのでFOMAを持っていたとしても普通の人には手が出せない、と思う。

   でも、私は今回の携帯電話でライブ映像を配信するという楽天の取り組みを前向きに評価したい。実は、高校野球地区大会の中継映像やダイジェスト映像(編集済み)を携帯電話で配信できないだろうか、という要望が以前からある。地区大会は多くの場合、テレビ朝日系列のローカル局が実況中継をしているが、県域エリアを離れてしまうと視聴できない。そこで、せめて1分のダイジェスト映像でも手軽に携帯電話で見ることができればというニーズだ。しかし、著作権を保有している日本高野連は携帯電話での動画配信には首を縦に振らないのである。その明確な理由は示されていない。

   そこで、プロ野球の動画映像が携帯電話でも身近になれば、高校野球もそのうちに解禁…と妙に期待しているのである。もちろんその前にパケット通信料問題が解決されなければならない。たとえば、年間3万円程度でパケット使い放題というサービスがあればという話である。パケット通信料や著作権になんとか風穴を開けてほしい。

⇒22日(水)午後・金沢の天気 曇り
  
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