自在コラム

⇒ 日常で観察したことや環境問題、金沢大学での見聞、マスメディアとインターネットについての考察を紹介する宇野文夫のコラム

★「パンダ大使」の行く末

2019年09月01日 | ⇒メディア時評

  毎日ニュースに目を通していて気になったものをいくつか。最初は、NHKが伝えていた、「パンダが日中貿易摩擦に巻き込まれる? 米有力紙報道」の報道(8月29日)。米有力紙とはワシントン・ポスト紙だと紹介されていたので、さっそく同紙のWeb版を検索する。

  Could pandas get caught in the U.S.-China trade war? と見出しが踊る=写真=。記事を読むと、ワシントンD.Cのスミソニアン国立動物園にはジャイアントパンダのメイシャン(メス・21歳)とティエンティエン(オス・22歳)、そして子のベイベイ(オス・4歳)の3頭がいる。パンダは毎年何百万人もの見学者を引き寄せ、桜と並ぶワシントンのシンボルにもなっている。 

  記事によると、パンダの中国側と動物園側のリース契約は20年で来年2020年12月7日に契約切れとなるが、現時点で更新に向けた話し合いは始まっていないのだという。ちなみに、年間リース価格は50万㌦と。愛くるしいパンダだが、中国にとっては外交の道具でもある。東西冷戦の最中、1972年2月にアメリカのニクソン大統領が中国を電撃訪問、国交樹立の足掛かりをつくった。その2ヵ月後に中国はパンダをアメリカに寄贈している。パンダは「親善大使」でもある。そのパンダが中国に戻ることになれば、米中関係が冷戦に戻ったことのシンボルにもなる。

  中国側と動物園側の契約が無事更新されるのかどうか。同紙は「the U.S. political landscape by late 2020 is a mystery. 」と伝えている。次にアメリカ大統領選挙が実施される2020年後半までは政治情勢はミステリーだ、と。

  もう一つ気になったニュース。30日の閣議で、読売新聞グループ本社の白石興二郎会長(72歳)をスイス大使に充てる人事を発表したと報じられた。新聞メディアに対する違和感を感じた。30日付で退職しているとはいえ、報道機関のトップが政府のプレーヤーに転身する。大使の民間起用には異議はないが、権力監視が本分であるはずのメディアの現職が、政府から起用されたからといって簡単に受けるものだろうか。メディアは権力と距離感を保っておかないと、読者・視聴者の不信を招くのは言うまでもない。メディアは権力のかわいいパンダにはなってはいけない。

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