toboketaG の春夏秋冬 

雑文、雑感、懐古話そして少しだけ自己主張。
土曜日をベースに週1~2回の更新が続けられればと思っています。

362-291216社史

2017年12月16日 | もろもろ

榛名山群の種山に登る。地図には道が表示されていないが、はっきりした尾根なので

迷うことはない。渋い山歩きが好きになったものだ。         29.12.15

 

外出することがない日は家で本を読むことが生活の基盤になっている。それにも飽き

てきた頃、大体午後3時過ぎだが散歩に出ることが平凡だが習慣になってしまった。

普通は1時間強。町中へ足を向ければ商店街をぶらつき、駅の東西連絡路を通る。こ

こから新幹線に乗れば50分で東京駅のホームに降りたつ。たまにはあの喧騒の中に

身を置いてみたいな・・ 育った地域に向かえば幼き日に友と日暮れまで遊んだ路地

裏に当時の面影を探しながら・・ そして郊外を散策すれば昔はどの村落にもあった

小さな墓地で古い墓石を見て回りそこに刻まれた年号を確認する。

今日は午後からちょっとした用事があったので11時にスタートして東の郊外へ向か

う。折返しの目処は3~40分、寄り道せずに往路を戻るか、墓地を探索するか。今

日は小さな墓地に立ち寄る。古い小さな墓石の裏に風化してはいたが寛文3年の文字

がかろうじて読み取れた。スマホの自分なりの年表で確認すると1600年代中期、

徳川将軍は3代家光から4代家綱に代わったあたり。当時の幕閣中枢の老中は厩橋

(現前橋)城主酒井雅樂守忠清、「下馬将軍」とも呼ばれた。前任の老中は川越藩主

松平信綱、こちらは「知恵伊豆」と呼ばれる。新座市の平林寺境内を歩けば一族の立

派な墓に出会う。この時期伊達騒動が起こっている。元禄はまだ20年以上後。見て

きた墓はあの時代のものだと思うと歴史が本から飛び出て現実と繋がる。

 

なかなかの雰囲気のパスタ店があったので昼食とする。さして喉が渇いていたわけで

はないが注文したビールが美味い。キリンの昔からのラベルだったが生ビールぽい。

よく見たらキリン生とあった。最近はほゞ日本酒オンリーだったので生ビールの喉越

しが爽快。

 

さて

 

昭和41年から58年まで在籍した会社の社史の初版を手にすることができた。年齢

に置き換えると24才から43才の18年間ということになる。青臭い理屈を振り回

していたな。いまもってその弊から抜け出せないのだが・・・

これは紛れもない社史だが、私にとってはそれ以上の内容だ。コンピューターという

英語がまだ定着せず電子計算機や電算と呼ばれていた黎明期のコンピューターの歴史

そのものであり、同時に私を含めた未熟な若者たちの奮闘ぶりを再現していると感じた。

 

差し支えがないだろうと思う写真と文を引用させていただく。この電子計算機が鎮座

する部屋は元々は会議室と呼ばれた60坪ほどの広さの多目的な部屋。正面奥が中央

処理装置、左がラインプリンター群、右が磁気テープ装置、中央がカードリーダー。

メカニカルな部分が多いプリンターは別として、それ以外の能力、特に記憶容量はス

マホ1台に遠く及ばない。マイクロソフト、アップルはまだ誕生以前。IBMやバロー

ズ、ユニバックといった米国製品が圧倒的に強かった。

そして当時の代表的な入力媒体であったパンチカード、はがきを細長くした大きさ。

一桁の数字を縦一列のどこかに穿孔して表す。一枚で80桁くらい。当時の事務処理

プログラムはコボル。事務分析したものをフローチャートとしてまとめ、それに基づ

き電子計算機への実行指令をこのカードに穿孔する。大きなプログラムだとカード

1000枚を越えることもある。一人で持ち切れない重量だ。カードリーダーから電

子算機に読み込ませる。最初のリストが出る。慎重を期しても文法エラーの3つや4

つは出てしまう。これを修正してもう一度読み込ませる。ようやく文法エラーが無く

なった。そしてコンパイラーというソフトで一連の実行指示が完成する。これからが

大変。計算機が予定したように結果を出してくれない。手直しを行う。それの繰り返

し。こんな作業は夜から朝にかけて計算機が空いている時間にやるのが普通だった。

寝にだけ帰るのが家。誰もがこれがシステム担当の仕事だと思っており、取り立てて

おかしいとも思わないし、思われなかった。これが半世紀前のこの業界の姿。

 

余談だがこのカードは一度だけの使用で廃棄される。古紙ではなくパルプから作られ

ているので、現在の牛乳パックのような高級な古紙としてリサイクルされた。情報漏

洩などという言葉すらなかった。

 

またパソコン用に戻します。スマホに合わせるとどうもしっくりしない。

 

 

 

 

 

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