保険会社が、従来は無料でおこなってきた業界の資格試験を有料とし、しかも、試験合格しても、反社会的な団体とはつきあわないとか、法を守るとか、言わずもがなの誓約をさせ、誓約しないのなら、資格の認定はしないという具合に、高圧的な、支配の姿勢を強めてきている。
そして、従来からの代理店手数料の決め方を大幅にかえて、細かな指標を導入して、そこそこの売上であっても、なんとか生活できる手数料だったのが、基準のバーをひきあげるなどして、ついには、通常の手数料の五分の一までに下げられてしまった。
種目によっては、銀行振込手数料で完全に赤字となる。契約をとれば、それだけマイナスになるという考えられない事態になっている。それでも従来の顧客との付き合いがあり、顧客が希望すれば、それを拒否はできない。顧客は、契約を、当然、代理店のためになっていると思っている。
郵送費や、顧客との折衝、交通費など、経費は、全部持ち出しである。これでは、保険会社に無料奉仕どころか、五分の一の代理店手数料しかない代理店が、保険会社を財政援助している始末である。
普通なら、やめるか、どこかの代理店に吸収されるかするということになるのだろうが、その道を選択しなければ、こうなるということである。そして、冒頭に書いた資格制度について、かつては、保険会社が無料で、資格試験を受けさせて、きたものを、代理店側に費用負担させるように変えてきた。
どこまで、資本の欲望が実行されていくのか、実態をみるためにも、今の状況を続けているが、まさに徒労の状態である。