日々の雑感記によるヘボ・マイ趣味紹介です。
ダッペの悠友ライフ
" カタバミって、葉はハート形をしています
マイ菜園の横に流れる河の土手で、ちいちゃな黄色い花が、他の雑草と混じって咲いていました
朝の陽射しを浴び、眩しげに咲き始めていました
葉は、ハート型の3枚がとがった先端を寄せあわせた三出複葉形です
ハート形の3枚葉が特徴の黄色い花といえば、カタバミとすぐ分かりました
カタバミは、カタバミ科カタバミ属の多年草で、全国に分布しています
カタバミは漢字で書くと、「片喰」と書き、この名は3枚の小葉の一部が、へこんで欠けることが由来となっています
カタバミは夜になると水分を逃さないために、葉を中央を折るように閉じる「就眠運動」をします
「就眠運動」は葉が半分なくなるように見えるため、片方喰む→片喰み→片喰となったと思われます
土手に咲くカタバミ・・・まだ朝方なので、葉は大部分が閉じています
カタバミの根は、球根を持ちさらにその下に大根のような根を下ろしているそうです
葉は球根の先端から束になって出て、草丈10~30cmほどになります
匍匐茎が伸び、地表に拡がるように繁茂していきます
根が深いので駆除するのに困るくらいの強い植物で、雑草として厄介ですが、花は拡大して眺めると5弁のなかなか可愛い花です・・・花期は5~11月と永いです
花後生る果実は、円柱状で先がとがり、真っ直ぐに上を向いてつきます
成熟時には動物などが触れると、自ら赤い種子を勢いよく弾き出します
その勢いは、最大1m程度までの周囲に飛ばすことができると云われていますが、そんなエネルギーはどこから出るのでしょう!?
カタバミの葉や茎は、シュウ酸水素ナトリウムなどの水溶性シュウ酸塩を含んでいるため、咬むと酸っぱい味がします
また、葉にはクエン酸、酒石酸も含まれ、カタバミ属の植物をヒツジが食べると腎臓障害を起こすとの報告があり牧草地では、嫌われ物のようです
ヤマトシジミの幼虫はカタバミが食草だそうですが、花がまだ土手には少ないのか、チョウの姿はまだ見たことがありません
カタバミの花の固まりからちょっと離れて咲いていたのですが…、これもカタバミかなと思ってパチリ!!しました
画像を整理しながら気付いたのですが、花ビラの切れ込みが深いし、蕊(しべ)の本数も違うし、葉形も開いたせいかハート形に見えません
感じはカタバミそっくりさんだけど、どちらさんでしょう!?
カタバミの 花言葉は、 「 輝く心 」 です
他のどんな雑草にも負けないで咲く強い雑草です
ジャスミンの香りと花言葉
最近歯を悪くして、歯医者さん通いをしています
加齢にともなって、入れ歯がいつの頃からか常用になりました
堅焼きせんべいが好きなので、つい強く噛んでは入れ歯を欠いてしまいます
口に入れてバリッと噛む感触がいいのに、、口の中でバキッとなった瞬間の嫌な事…ソオッと口から出すときの感じはとても人前では見せられたものではありません
壊れるたび毎に歯医者さんに駆けつけて修理してもらうのですが、修理した入れ歯に合わせて周囲の歯を削りなおしたりとだんだん元の歯がなくなって行くのを感じると、哀感そのものです
絶対に壊れない入れ歯ってできないのでしょうか!?
こう云うと、固いせんべいなど食べなきゃいいのだと云われそうですが、「ぬれせんべい」は私の好みではありません
最近の歯科技術はとても進歩してきているようで、聞くとびっくりします
たとえば、話題の「iPS細胞から歯のもととなる細胞を作り出し、そして再生する方法」、「
削れてしまったエナメル質を「ばんそうこう状」のシートで修復出来る治療法」、「
虫歯や歯周病の原因菌を数十秒~数分で、ほぼ完全に死滅させることができる」等々です
今の私にはみんな当てはまりそうですが、私の通う歯医者さんはまだこのレベルにはいかないのか、それとも保険対象ではないのかもしれません
毎週しばらくの間は逃げたくなる気持ちを抑えて通っています
先週行った時、歯医者さんの前のビル階段に、ハゴロモジャスミンのつるが高く伸びて花が一杯咲いていました
気の進まないで入ろうとしていた鼻先で、風に連れられていい香りが匂ってきて、ジャスミン花に気づきました
ハゴロモジャスミンは、モクセイ科ソケイ属で、中国雲南省原産の半常緑のつる植物です
ハゴロモジャスミンは茎の先に1cmほどの淡い紅色を帯びた白い小花が30~40花ほどまとまって、株を埋め尽くすようにして咲きます
つぼみのときは淡いピンク色ですが、花が開いてくると純白に変わっていきます・・・開花時期は3~6月です
3~4m程に伸びて咲くジャスミンのつる・・・ちょっと盛りが過ぎています
ジャスミンの花は可憐で、美しい白い花です…素朴ともいえます
ハゴロモジャスミンの花は欧米などでは聖母マリアを連想させる「美しい気品の象徴」として愛されているそうです
ジャスミンの特徴と云えば香りで、香りの王はジャスミン、香りの女王はバラといわれるように、ジャスミンには素晴らしい芳香があり、香水やジャスミン茶などの香り嗜好品としてよく使われています
花名のジャスミンは、ペルシャ語の「ヤースミーン(神からの贈り物)」に由来するといわれています
魅惑的ともいえるジャスミンの香りは、その花言葉で表現されているようです
ジャスミン全般の 花言葉は、「愛想のよい」、「優美」、「愛らしさ」、「官能的」、「あなたは私のもの」、「私はあなたについて往く」 です
この花言葉…可憐な少女を連想させるものがあるかと思えば・・・恋に溺れそうなものまでいろいろです
ジャスミンの大きな特徴・魅惑的な甘い香りには、リナトールという麻酔性の香りとインドールという魅惑的な香りが成分に含まれています
この香りから、「私はあなたについていく」、「あなたは私のもの」という花言葉が生まれたそうです
尚、原産地のインドでは愛のシンボルとされており「愛の花」と呼ばれており、女性たちは愛する恋人から贈られたジャスミンの花を愛の証として髪の毛に編み込む習慣があるそうです
ジャスミンの香りには好きな人を射止めたいというような意味合いがあるらしく、あの歴史上の美女クレオパトラもジャスミンの香りを利用して男性に近づこうとしたという逸話も残っているそうです
トベラの樹に、花が咲きました
早朝ウォーキングの時、コースの道沿いで立派なトベラの樹が、満開に花開いているお宅があるのに気が付きました
塀の上から枝を大きく張り出し中々立派な樹です
塀の中なので、幹周りは分かりませんが、結構太そうです
トベラは、「トベラの木」と呼ばれ、漢字では「扉」と書いて、”とべら”と読ますそうです・・・「とびら」が「とびら」に変化したのですね
2月の節分にこの木の枝を扉に挟んで邪気を払う風習が、あったらしいことから、ついた名前だとされています
トベラは、海辺の崖地や、林の中に多い常緑低木で、雌雄異株です
幹はよく分枝し、ふつう高さ2~3mですが、大きいものは高さ8mにもなるようで、見かけたトベラは5m以上は優にあります
葉は枝の上部に密に互生し、長さ5~10cm、幅2~3cmの倒卵形または長倒卵形・葉先は丸く、基部はくさび形で葉柄に流れ、革質で、表面は深緑色で光沢があります
葉っぱは固い楕円形で、外側に反り返ります
開花時期は、 5/15 ~ 6/ 5頃・花は本年枝の先に集散花序に上向きにつき、白色から黄色に変わりながら咲きます
花には芳香がありますが、枝や葉、根には臭気があります
花弁は5個、長さ約1cm程、雄花の花糸は無毛、雌しべは不稔です
雌花の雄しべは葯の発達が悪い形で、子房には軟毛が生えています
果実は球形のさく果です
直径1~1.5cm・秋(11~12月)になると、灰褐色に熟し、3裂して、中から粘り気のある赤い種子が多数(8~12個)出てきます
種子は長さ6~7mmのゆがんだ腎形で、粘液質(ねばねば)に包まれています
今秋にはよく観察してみよう
トベラの樹は、耐潮性・耐煙性・耐風性に優れ、庭園や公園、街路樹などに広く植栽されているようですが、意外に気づきませんでした
トベラの 花言葉は、「 偏愛 」、「 慈しみ 」 です
この花言葉は、裂けた実の内側や赤いタネについている粘液で、鳥がついばんだときに、くちばしや羽毛にタネがついて運ばれることから、連想してつけられたのでしょうか!?
オウレンの花後・・・古名は「カクモグサ」です
先だって(今月初旬)、群馬・高崎の植物園に行った折、変わった花を見つけました
名札で知った花の名は、オウレンです
セリに似た葉の形から、セリバオウレン( =芹葉黄蓮 )のようです
セリバオウレンは、キンポウゲ科の常緑の多年草で、薬草に利用されます・・・根っこを乾燥して胃腸薬です
図鑑によると、湿気のある杉の地床に多く生え、雌雄異株で、花は3~4月・10cm程の花茎を伸ばし、先端に2~3個の白い花を咲かせるとありました
見かけたオウレンの花はどう見ても、白い花ではなく、咲く時期も随分違っています
他の図鑑やネットで調べてみたら、どうもこれは花ではなく種子のようです
樹林の下で咲く?…セリバオウレン
花茎の先に更に枝分かれして、まるで花のように開いています
早春に2~3個の互生した白花が咲いた後、長さ1.3cm位の柄ある袋果を 5~10個放射(矢車)状に並んでつきます
花径は1cmに満たない大きさですが、そんな大きさは見る影なく大きくしっかりとした袋果に変身しますから、大型花のように見えたのです
オウレンの根茎は伏性し、やや肥厚して結節が多く、表面は黄褐色ですが、その断面は鮮やかな黄色だそうです・・・根の黄色いのは根茎にアルカロイドを含む為、胃腸薬として利用されます
黄色いひげ根が多数出て伸びていくことから、黄色く連なるという意味で、オウレン(黄連)と名づけられたそうですが、漢名「黄蓮」の字音でもあり、その根茎が黄色の数珠を連ねた形からだとも言われています・・・どちらにしても、「黄色連なる」ですね
日本では古くは「カクマグサ」、転じて「カクモグサ」と呼ばれていました
古人の「カクモグサ」を詠った歌が、「古今和歌六帖」で見られると紹介あるのを見つけました
我が宿に かくもを植えて かくも草 かくのみ恋ひは 我れ痩せぬべし (古今和歌六貼)
うもれける 水際隠れの かくも草 葉末もみえず 行きかくれなむ (古今和歌六帖)
古今和歌は恋の歌を多く選歌されていますから、「カクモグサ」の風情は恋の心情をよく伝えたのでしょう
オウレンの 花言葉は、「 変身 」 です
えごの花咲く頃 ・・・万葉人の想い
先だって散策に近くの山辺を歩いた折、エゴノキが花を咲かせていました
エゴノキは、エゴノキ科の落葉小高木で、日本全国の雑木林の林縁部に普通に多く見られる樹木です
和名のエゴノキとは、果実を口に入れると喉や舌を刺激して、「えぐい(えごい)」ことに由来しているのだそうです
陽樹で、暗い林内では発芽、更新しないとされ、陽当たりの良い公園樹などに利用されています
幹はあまり太くならず、株立ち状になることが多いようで、自然樹形でも、幹が途中で大きく曲がったり、癖のある樹形になリやすいそうです
高さは10mほどになり樹皮は赤褐色できめが細かく、すべすべした感じです
葉は両端のとがった楕円形で互生し、縁には細かい鋸歯があります
春の新芽はとてもきれいです
開花時期は5~6月で、今年のびた短い側枝の先に1~4個の白い花を下向きに付けます
花冠は5片に深く裂けていますが、大きくは開かず、ややつぼみ加減で咲いており、覗き込んで見ると、雄しべは10本、花柱は雄しべよりも長いんが分かります
芳香のある白い清楚な花が、枝いっぱいに咲く様子は、雨の多くなる梅雨時に見ると、周りの雑木林が明るくなている感じに見えます
果実はさく果もしくは核果で、翼のあるものもあり、種子を1~2個含みます
エゴノキは、古くは「ちさ」とよばれていたそうです
万葉集には、3首詠まれているようです
「 息の緒に 思へる我れを 山ぢさの 花にか君が うつろひぬらむ 」 巻7-1360 作者未詳
意味:「私はあなたのことを、命のかぎり想っているのに、あなたは、山ぢさの花がすぐにしぼんで色が変わってしまうように、心変わりしてしまわれたのでしょうか!?」
「 山ぢさの 白露重み うらぶれて 心も深く 我が恋やまず 」 巻11-2469 柿本人麻呂歌
意味:「山ぢさが露(つゆ)に濡れて重たく垂れ下がっているように、しょんぼりとうなだれてひたすら恋続けている私です」
「 - - 言ひ継ぎけらく父母を見れば貴く妻子見れば.......ちさの花咲ける盛りにはしきよし その妻の子と朝夕(あさよひ)に笑(ゑ)みみ笑まずも - - 」 巻18-4106 (長歌の一部) 大伴家持
意味:ちさの花が美しく咲く真っ盛りの頃に、あぁ、愛しい奥さんと朝に夕に、時には微笑み、時には真面目な顔で- 」
万葉人は、えごの花をどんな想いで眺めたのでしょう
エゴノキの 花言葉は、「 壮大 」 です
現代人と万葉人のイメージは同じや否や・・・???
ナツローバイの花って初めて見ました
先だって、埼玉・神川のR254沿いにある産直に、菜園用の野菜苗を購入するため寄って来ました
ここには花木展示コーナーがあり、沢山の時期に応じた苗木が売られています
苗木を見て回っていたら、珍しい樹を見つけました
ついていた名札には、夏ロウーバイとありました
夏ロウーバイはロウバイ科クロバナロウバイ属(分類の仕方によってはナツロウバイ属)の落葉低木で、原産地は中国の浙江省・山岳地帯に生るているのだそうです
中国名では、夏梅(シャラメイ)というそうで、いわゆる夏咲きロウバイです
ロウバイと云えば、早春に咲く花木だと思っていましたから、夏咲きがあるとは知りませんでした…尚、クロバナロウバイも、5~6月・初夏が花の時期でした
夏ローバイ ・・・売られていたのはこれ1本でした
夏ローバイの樹高は1~2m、葉は長い楕円形で大きく、向かい合って生える対生です
葉の質は軟らかで、艶があります
花の色は白く、花径は6~7cmくらいと、ローバイの花形 の中でひときわ大きいです
開花時期は、5~6月の初夏、やや下向きに花を咲かせます
花の形が何となく色香があり、中国の美女・楊貴妃を思わせました
ネットの中で、こんな歌を見つけました
『 はっとする 花の姿の 夏蝋梅 香りはなくも 色香に溢れ 』 作者不詳
夏ローバイの 花言葉は、「 はにかみ 」 です
ウルシノキから、「漆」は採るのです
近くの雑木林の縁で、ウルシノキを1本見つけました
2mほどの丈で細身のウルシノキです
ウルシノキはウルシ科ウルシ属の落葉高木です
雌雄異株で樹高3~10m以上になり、樹皮は灰白色をしています
葉は3 ~ 9対で、卵形か楕円形の小葉をもつ奇数羽状複葉で、紅葉します… 高原などで見る”ウルシノキの紅葉 は絶品です
パチリ!! した細身のウルシノキは若木なのでしょう…葉軸は紅く、葉色も若緑で中々シャンな木です
葉腋から総状花序が沢山のつぼみをつけて垂れていました
花は5月末~6月ごろ、葉腋に黄緑色の小花を多数総状につけます
果実はゆがんだ扁平の核果で、10月ごろ成熟して黄褐色となります
ウルシノキは中央アジアが原産で、中国・朝鮮・日本で「漆」を採取するため古くから広く栽培されていました
「漆(うるし)」とは、ウルシノキを代表とするウルシ科に属する紅葉落葉樹の樹液が「漆」で、耐食性を増すため古来から塗料として利用されています
ウルシノキは日本には中国経由で渡来したと云われていますが、中国より古い時代の漆器が日本の縄文時代の遺跡から発掘されたり、また自然木と考えられるウルシも縄文時代より日本各地で出土していることから、日本国内に元々自生していた可能性も考えられるのだそうです
漆器のことを英語で「japan」と言うくらい「漆」は日本の文化歴史に深く関わってきています
「漆」の性質は自然・天然産品でありながら、その塗膜は強靭で、柔軟性を有し、科学的にとても安定しています
一旦乾燥すると、酸・アルカリ・塩分・アルコールなど、あらゆる科学的成分に強く、年月を経るに従い、透明性と光沢が増し、「漆」独特の深みがましてきます
「漆」がはじめて文字として表されたのは、大化の改新(645年)の折に「漆部」という社会的地位が記されていることから始まっており、その後、古事記・日本書紀・万葉集などいたるところに漆器(漆)が記述されているそうです
平安末期ごろから、貴族専用の漆器が庶民の生活に広がってきました
鎌倉時代に至って、華美な漆芸は京の都に残し、鎌倉彫・根来塗り・春慶塗など、質実的な漆器が庶民の生活に浸透し今でもその芸は残っています
ところでウルシといえば、「かぶれる」植物の代表ですが、若い新芽の部分は食べることができ、味噌汁や天ぷらにすると美味しく食べられるのを知ってましたか!?
これは元々、漆塗りの修行をしている人が、「漆」に対する免疫をつくるために食べたのが始まりだといわれています
しかし、人によって「食べた後に舌が少しピリピリし出した」という報告もあるそうで、食べない方が無難のようです
ウルシノキの花言葉は、「 賢明 」 です
新緑になったミツマタ
昨日に続いて…新緑の話題です
群馬・高崎の植物園には、「万葉の路」と名付けられた散策路があります
新緑が一杯になってきた「万葉の路」には、沢山のミツマタ が植えられた一画があります
ミツマタ(三椏)は、ジンチョウゲ科の落葉低木で、中国中南部~ヒマラヤ地方が原産です
樹皮の繊維は紙や衣服の原料として利用されることから古くから知られ、日本では万葉の頃から歌に詠まれたりして知られています
「万葉の路」には欠かせない植物なのです
ミツマタは、枝が必ず三叉、すなわち三つに分岐する特徴があり、その分岐の数で成長年数がわかります
早春、葉に先立って黄色の小花を毬の様にかたまってうつむき加減に咲かせます
一足先に花咲くので、万葉歌人はミツマタをサキサクと読みました・・・(またはサキクサ:三枝[さいぐさ、さえぐさ]という姓の語源とされているようです)
万葉集で、ミツマタの歌と云えば、この歌でしょう
『 春されば まづ三枝の 幸(さき)くあらば 後にも逢はむ な恋ひそ我妹 』 ( 柿本人麿 万葉集 10-1895 )
意味: 「 春になると真っ先に咲くさきくさのように無事でいたら、後に逢うこともあろう。恋に苦しまないで我が妹よ 」
「万葉の路」のミツマタは、春が去り新芽が育って、新葉がすっかり広がっていました
黄色くポンポンのように咲いていた花は、枯れて実をつけ始めていました
新葉の広がる下に、花柄を残して生る果実です
ミツマタの葉は互生し、葉柄は長さ5~10mm、葉の形は長さ5~20cm、幅2~5cmの長楕円形または披針形です
葉先は鋭形、基部は長いくさび形をし、ふちは全縁で両面に絹毛があり、裏面に多く生えています
下から見ると、若葉故に陽の光で透けて見えるようです
果実をアップしたのですが、ピンぼけちゃいました
沢山の小花が毬の様に固まって咲くので、毬が1個の花のように見えます
そんな事から、ミツマタの果実は毬だと云えます・・・ちょっと言い過ぎかな
果実は核果で、小花1個1個に萼筒に包まれ生っています
もう少し成熟すると、剥けて堅い内果皮に包まれた紡錘形の核が顔をだします・・・中には種子が1個あります
ミツマタは水はけのよいところでは割りによく育つようで、紙の原料に栽培されていたのが納得です
ヤブデマリの花に、虫たちが一杯集まっていました
先日、群馬・高崎の植物園をちょびっと(➝NHKの朝ドラで覚えました単語です )散策してきました
久しぶりに来た園内の緑は随分きれいに見えました
そんな緑が増えた中で、ひときわ真っ白な花が目立って咲いていました
ヤブデマリ の花です
ヤブデマリの花の咲く様子は、葉の上を覆うほどになるので、とにかく綺麗です
ヤブデマリ(藪手毬)は、スイカズラ科ガマズミ属の落葉低木で、5~6月に、葉腋から出る、短枝の先に白い散房花序をつけて咲きます
ヤブデマリの花形はちいさい黄色味を帯びた両性花(直径3.5~5mm大)が集まる花序のまわりに、白色の大きな5枚の花弁の広がった装飾花が縁どる形です
装飾花の形は5枚の花弁のうち1枚が極端に小さくユニークな形で、他の似た種との区別がしやすく、更に小さい花弁が花序の内側を向き、花序の外周を大きい花弁が彩っています
香りよりも花の鮮やかさが目立つヤブデマリですが、真っ白な装飾花は沢山の虫たちを呼び寄せるのに充分魅力的なのでしょう
ヤブデマリの花咲く (向かって正面・下に、ナミアゲハ の翅だけが見えます…撮り損ねました
残念!!です)
装飾花を足場に、両性花に顔を突っ込んで蜜を吸っている ハナムグリ がいました
夢中で、蜜をなめています ゆっくりシャッターを切れました
ハナムグリは、大きさ 14~20mm程、美しい緑色の体に小さな白点を散りばめた甲虫で、体には黄灰色~灰白色の毛がはえているのが分かります
白っぽい花のまわりを多く飛び回って花粉を食べるのですが、体の毛に花粉が一杯つくので、これがまるで花をもぐって食べる様子に見えハナムグリと名付けられたのかもしれません
いきなり耳元に大きなうなり声のような羽音がしてびっくりしました
クマバチ が吸蜜にやってきたのです
クマバチの食事姿
クマバチ(熊蜂)は、ミツバチ科クマバチ属に属する昆虫の総称で大型のハナバチで、これが飛んでくると迫力があります
体長は2cmを超え、ずんぐりした体形、胸部には細く細かい毛が生え、全身が黒く、翅も黒い中、胸部の毛は黄色いのでよく目立ちます
いろいろな花を訪れて、花粉や蜜を集める食性なので、人を襲う事はありません・・・オスは針も持ちませんし、雌も刺すことはめったになく刺しても毒性は微弱です
ヤブデマリには随分いろいろな虫が集まりますが、蜜はよほど美味しいのでしょね
ジャーマンアイリスの花が盛りです
あっちこっちで、ジャーマンアイリスの花が見られます
マイ菜園にも2種類のジャーマンアイリスがありますが、今年は何故かあまり芽が出ず、花の咲き方も少ないです
ジャーマンアイリスはアヤメ科アヤメ属の植物の一種で、原産地がヨーロッパ及び地中海の原種をもとに、品種改良したものです
暑さ、寒さ、特に乾燥には驚くほど強くちょうど耐寒性のあるサボテンを育てるようなものだとされていますが、反面、高温多湿には、やや弱い面があるようです
ジャーマンアイリスの名は、英名で、和名ではドイツアヤメと云いますが、ドイツが原産だからという訳ではないようです
何故ドイツアヤメになったのかは分かりませんが、1800年代初期、ドイツ、フランスで、アヤメ属の植物を交雑して作出・品種改良され、その後各地で栽培されてきました
ジャーマンアイリスの花期は4~6月・紫色や黄色など多様な色のいかにも西洋風で原色の大きな花が咲きます
その花形は、花びらのめくり上がった上の方のひらひら部分が大きくひろがるのが特徴です
近所の畑に植えられたジャーマンアイリス達を紹介します
ジャーマンアイリスは花径約20cm、内側の3枚の花びらは立ち、下に垂れた3枚の外花被片はひげ状の突起をもっています
古くから愛されている花で、紀元前1500年頃のエジプトのファラオの墓石にもこの花の絵が彫られているそうですが、品種改良された現在の花とは大分異なっているのではと思うのですが…
但しジャーマンアイリスは古くから勇気や知恵の象徴とされているそうです
「アイリス」と云うのは、ギリシャ語で『iris「イリス(虹)」』にちなんでいます
ギリシャ神話で、イリスは有事の際に神々の使者となって天界と地界を往復するために虹の橋をかけたとされる「虹の女神」です
そのため、欧米ではこの花のことを「レインボーフラワー(虹の花)」と呼ぶそうです
アイリス類の中で、ジャーマンアイリスは花色の変異が多く、下向きの幅広い花弁はランのような豪華さです
花色は黄色、白、オレンジ、ピンク、淡青、青紫、暗褐色、ブラック、また内側と外側の花びらの色が違うものなど、とても豊富です
更に毎年新しい園芸品種が誕生しているとも云われています
ウォーキング途中でも、色々なジャーマンアイリスの花を見る事が出来ました
あまりに色々種類があるので、撮り切れませんが、豪華なかんじの花と、けばけばしい感じの花が紙一重と云うふうに思えました
ジャーマンアイリスの
花言葉は、「焔」、「使者」、「燃える思い」、「恋の便り」、「豊満」、「優雅」、「エキゾチックな人」、「恋のメッセージ」、「素晴らしい結婚」
と多様です
どの言葉がしっくりしますかね
虹の女神の代名詞というのが、ぴったりかな
小栗上野介の菩提寺・東善寺に行ってきました・・・群馬・倉渕の春です
先だって、群馬・高崎の倉渕に春探訪しました
実は倉渕は、司馬遼太郎が「明治の父」と表した「小栗忠順(おぐりただまさ)」・即ち「小栗上野介」終焉の地で、曹洞宗・東善寺が菩提寺になっています
「小栗 忠順」は、江戸時代末期の幕臣で、安政7年(1860年)、日米修好通商条約批准のため米艦ポーハタン号で渡米し、日本人で初めて地球を一周して帰国した人物です
多くの奉行を務め、江戸幕府の財政再建や、フランス公使レオン・ロッシュに依頼しての洋式軍隊の整備、横須賀製鉄所の建設などを行って、日本の産業革命の礎を築きました
明治維新の折、奉行を罷免され、領地である上野国群馬郡権田村(群馬県高崎市倉渕町権田)に隠遁し、東善寺を仮住まいとしていたが、薩長西軍の小栗追補令で家臣と共に斬首されました
逮捕の理由としては、大砲2門・小銃20挺の所持と農兵の訓練が理由であるとする説や、勘定奉行時代に徳川家の大金を隠蔽したという説(徳川埋蔵金説)などが挙げられているそうですが、これらの説を裏付ける根拠は現在まで出ておらず、地元民の敬愛を知るにつけ、維新を妨げるとして、小栗の才をやっかみ恐れた為かもしれません
東善寺の開創は寛永10年(1633年)・今から約360年前と云われています
そして1704年倉渕・権田村が小栗家の知行地になった時から小栗家との縁が始まったとされています
今では小栗の業績と見識の広さが知れると共に、東善寺は倉渕の観光スポットになっていました
国道R406 沿いからの、東善寺入口 (向かって左の牡丹が見事です)
坂道を上がると、境内になります
簡素な寺院は小栗の清貧さを偲ばせました
向かって右 本堂 (➝住まいと共用みたい?)
境内の奥は、斬首された家臣が祀られていました
家臣たちの祀られた墓所には、大きなツバキの樹が茂り、ちょうど花が咲いて死を悼んでいました
境内奥に、小栗忠順(上野介)の胸像が祀られていました
幕末には色々な人材が輩出されましたが、小栗もなかなかな人物です
かって、小栗が見本で持ち帰ったネジの展示品をみた事がありますが、ネジが鉄を造る発想の原点になったと知ってとても愉快さを覚えたのを思いだしました
境内の一角に、黒葉のモミジが茂り、花開いていました
ところでクロモミジなんて品種があるのでしょうか!?
ちょっと調べた限りでは、見つかりませんでした
葉の形も随分縮れ、黒と云っても濃い緑で、離れてみると黒っぽいからそんな名前がついたのかもしれません
花も咲き、とにかくめずらしい品種がみれました
コーヒーの花を見ましたよ!!
何となく昨日、群馬・高崎の植物園に行ってきました
今年の2月には記録的大雪が降り、周囲の野菜栽培用の温室が随分壊れたりしましたので、ふと植物園の温室は被害はなかったのかなと思ったら…
すっ飛んで見に来てしまいました
園内の木々は色々折れたり倒れたりがあるようですが、綺麗に片付けされ、また温室もしっかり造られていたので見かけでは何の被害もなかったようです
温室内の植物たちも、あまり変わっていませんでしたが、コーヒーの木に花が咲いているのを見つけました
尚、カタカナで、「コーヒーノキ」と書くと、それがコーヒーの木の正式な日本語名称だと知ってました!?
「コーヒーノキ」は、アカネ科に属する常緑樹で、野生では、10mもの大きな木になるものがありますが、産地では収獲がやりやすいよう2m以内で栽培されているそうです
ところで今まで何度か植物園の温室に来ていて、コーヒー豆(コーヒーの実)は見ていましたが、花を見るのは珍しい事です
聞くところによると、「花の命は短くて」という言葉がありますが、コーヒーの花はまさしくその通りで、咲いて一両日くらいで散ってしまうのだそうです
コーヒー農園のあるところでは、白花が一斉に開花すると一面の雪景色のようになって幻想的な光景が広がるのがみれるようですが、その美しさを楽しめるのは春の雪溶けの早さのように本当にわずかな期間だけだと云われています
農園の多いブラジルでは、どこかの農園で「花が咲いた」と聞けば、すぐに飛行機で飛んでいかないと見逃してしまうと云われるくらいコーヒーの花は見るのが難しい花だとされています
花の時期は4~6月だそうです
花はコーヒー豆からはちょっと想像できないような、とても愛らしい白い小さな花です
5つの花弁があり、ジャスミンのようなとてもいい香りがします
コーヒーノキの 花言葉は、「 一緒に休みましょう 」 です
ハルジオンに、春のチョウが舞っていました …「タテハ」チョウだと思うのだけど
二三日前、マイ菜園の傍らの草むらにハルジオンが咲いて、チョウが一匹・蜜をすいにやってきました
慌ててデジカメを引っ張り出し、パチリ!! しました
ハルジオン(春紫菀)は、キク科ムカシヨモギ属の植物で、ヒメジオンと共に、雑草としてそこらじゅうに見られる花で、北アメリカ原産の帰化植物です
いかにも雑草という感じですが、一つをじっくりみるとなかなかきれいです
ハルジョオンという名は、植物博士牧野富太郎の命名で、春に咲く紫苑という意味です・・・紫苑は、夏の終わり頃に咲く“紫色”の花です
ハルジオンとヒメジオンの違いは、開花期がずれていることがあげられます
4~5月に咲くのはハルジオンで、ヒメジオンは5月から晩秋までも咲きます
ハルジオン及びヒメジオンの俗称は、「貧乏草」と呼ばれています
この俗称の由来は、きれいに手入れをされた庭には生えておらず、 手入れの行き届かない貧乏な人の周囲に年中生えているからということからつけられたと考えられています
これからいうと、ハルジオン、ヒメジオンのよく出るマイ菜園は手入れが行き届かない代表のようで当たっていますかね
尚、別称としては、線路に生えているので、「鉄道草」とも呼ばれるそうです
ハルジオンの茎が、中空というのも特徴のようです
色鮮やかなチョウが飛んできて、ハルジオンの花の蜜を懸命に吸っていました
チョウは、「ヒメアカタテハ」それとも「アカタテハ」なんだろうか!?
どちらの種も前翅に白い斑点があるのですが、それが見られませんし、触覚の先端の色も黒くて「タテハ」の特徴色の白色ではありません
もしかして新種!?
昆虫に見識狭いから知らないだけなんだけど、それにしても綺麗な翅(はね)色模様でした
ハルジオンの花言葉は、「 追想の愛 」 です
上州・倉渕の春は今一杯です
昨日に続いて…
群馬・榛名湖畔の春を見るため、榛名山麓・旧倉渕村を抜けて行ってきました
倉渕村(くらぶちむら)は、群馬県の西部にあった村ですが、2006年1月に高崎市へ編入され現在に至っています
旧倉渕村の権田は、横須賀製鉄所をつくるにあたり尽力した小栗忠順の領地で、終焉の地でもあります
小栗忠順を祀った東善寺は後で紹介します
倉渕は利根の支流・烏川が流れており、途中車を停め、川辺の春を探索してきました
権田近くの橋からの烏川展望 (向かって:下流・高崎方面)
釣り人が糸を垂れているのが見えました・・・今の季節は何が釣れるのかな!?
オイカワかな!?
近くの山辺には、ヤマブキが咲き、マムシ草が咲き出しているのが見られました
足元近くには、群生した チゴユリ の花が咲いていました
紅花ドウダンツツジが、丁度見ごろになって咲いていました (東善寺境内で見たものです)
倉渕の春はまだまだ・・・
でも緑が増してきており、まもなく夏近しです
群馬・榛名湖畔の春
先日(5月10日)、群馬・榛名湖湖畔の春を見てきました
群馬・倉渕の方から、県道R406~県道R48と榛名山麓をぐるっと廻って、原町・郷原方向から榛名湖を目指して上ってきました
倉渕辺りでは、八重桜がちょうど見ごろに咲いていました
倉渕・烏川(=利根川支流)袂でみた八重桜 (向かいの山名は分かりませんが、草津方向です)
榛名山を上るにつれ、次第に緑が萌黄色に変化し、春がやっと来た様子です
榛名山頂にはカルデラ湖である榛名湖と中央火口丘の榛名富士(標高1390.3m)があります
榛名湖畔春景 ( 向かい正面は、榛名富士 )
画像左端分かりにくいですが、山桜が咲いていました
赤みのついた若芽の樹は、モミジです
秋になると、このモミジは真っ赤に紅葉しとても見事です
榛名湖畔春景(2)(手前の緑葉は雪笹の芽だしです)
榛名・沼の原からみた相馬山(標高:1411m)
雪笹は大分頭をもたげてきていました (上左画像)
間もなく周りのモミジが若芽から緑葉に変わる頃可愛い花が見られます
「沼の原」の中に見られるこんもりした低木は、レンゲツツジです・・・まだまだ花咲く気配はありません (上右画像)
湖畔周囲には周回道路が通っています
道路の一画に沢山のラッパスイセンが植えられたところがあり、丁度満開に咲いているのが見られました
写真は撮りませんでしたが、山桜がちょうど満開でした
榛名を訪ねた次の日、北海道で桜が満開だと桜情報が報道されていました
榛名湖畔の季節感が、ちょうど北海道の今季節なんだと知り、何となく面白さを覚えました
« 前ページ |