ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[韓国の珍味(というか、なんというか・・・・)]ケブルのすべて(その3)

2015-09-06 23:55:54 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 8月20日28日の記事の続きです。知れば知るほどケブル(개불)(日本名ユムシ)に対する興味が増してきます。

⑦韓国でのケブルの食べ方は?
 やっぱり、まずは刺身(개불회)。その他では、ヤンニョム(薬味・調味料)で味付けをしてホイル焼きとか、野菜炒めとか。また慶尚南道海南郡で長年ユムシを獲っているキム・グックァおばさんの話(→コチラの記事)によると雑煮に入れたり、さっと茹でたケブルをチャプチェ・青物と和えたり、ネギ・ニンジン・ホウレンソウ等と一緒にチヂミにして食べてもいいし、野菜を切ってセリ・タマネギ等とケブルの刺身と和え物(회무침)にするのもいいとのことです。
 なお、私ヌルボ、ある商品宣伝記事で「乾しケブル(건개불포)」という物があることを知りました。しかし、あまりポピュラーではないみたい。
 ついでに中国のケブル状況を見てみましょう。中国語ではこれを海腸と書きます。簡体字では海肠です。
 「とくに大連や青島ではニラ等と共に炒め物にしたり茹でて和え物にして食べる」とのことですが、大連でこのニラ炒めを食べた方のブログ記事(日本語)は→コチラ(←ちょいグロ画像注意!) 感想は「淡白であっさりコリコリした食感で意外と美味」とあります。
 ところで私ヌルボ、軽い気持ちでこの「海肠」で画像検索をしてみました。すると結果はお゛え゛~~!!
 リンクは張りません。好奇心旺盛な方は自己責任で試みてください。 さすが、2本足は親以外、4本足では机以外、空を飛ぶ物は飛行機以外なんでも食べるという中国です。(「コタツは4つ足だ、食ってみろ!」「当たるもは食わねえ」←落語。)

⑧韓国でもフツーの食べ物でもない? ドラマ「星から来たあなた」の<チョン・ジヒョン効果>は?
 韓国では、ケブルは知っていても、食べたことがないという人はふつうにいます。とくに女性。やっぱり見た目がキモいし・・・。そんな中で画期的だったのが韓国SBSで2013年12月~14年2月放送されたドラマから来たあなた(별에서 온 그대)」。チョン・ジヒョンキム・スヒョンの共演で話題となった人気ドラマで、日本でも今年に入って放映されていますね。あ、今BSジャパンで再放送中か。(→日本・公式サイト。)
 で、この第4話のワンシーン。豪勢な船上パーティの場面です。
 おなかがすいたというソンイ(チョン・ジヒョン)に、フィギョン(パク・ヘジン)は「フォアグラもキャビアもある」と言いますが、「そんなモノはアンタが食べて」と無視してソンイがウェイターくんを呼んで注文したのがケブルと焼酎(ソジュ)
 同席していたセミ(ユ・インナ)フィギョンの反応は下の画像の通り。ウェイターくんはもっと驚いてます。
 「ちょっと・・・」と当惑気味のセミに対しソンイは「せっかくこんなところに来たんだから・・・」と強気。「何なの? わたしが恥ずかしい?」と逆に問うとフィギョンもセミも何も言えず・・・。この場面の動画は→コチラで見られます。
        
 ・・・と、こうした反応をみると、こんな場で女性がこんなモノを注文することの突飛さがわかります。
 このドラマでのソンイのケブル愛はなかなかのもので、この後ト・ミンジュン(キム・スヒョン)鷺梁津(ノリャンジン)水産市場まで行ってケブルを買ってきて、ソンイにプレゼントする場面もあったりします。(下画像。)
    
 ケブル好きとは「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンにぴったりみたいな趣向ですが、視聴者の反響は少なからずあった模様で、主産地のひとつ康津(カンジン)の地元紙「康津日報」は、前回の記事で紹介した<ケブル祝祭>でケブルが飛ぶように売れて大成功だったのももしかして<チョン・ジヒョン効果>のためだったか?・・・と書いています。(→コチラ。)
 ところで、役柄ではなくチョン・ジヒョン自身はホントにケブルをよく食べるのかな? 調べてみたけどわからず。(どう答えても問題ありそうだし・・・。)

⑨(ソウルでは)鷺梁津水産市場に行かなくてもあるけど・・・
 「鷺梁津にケブルの買い物」で思い出したのがオンスンマム(엉슝맘)という女性ブロガーの記事。(→コチラ。)
 2012年の記事ですが、3年ほど前のこととして書かれています。知人がやっているという広蔵(クァンジャン)市場の寿司店に彼女に行った時のこと。日本人4人連れがやってきて、店の主人に何やら熱心に説明するものの、お互い相手の言葉がわかるレベルでもなく、そこで少しはマシな自分が話を聞くと、「去年来た時に刺身を食べたがとても美味しくてまた食べたい」と言う。しかし「円筒形で長くて赤みかがっているが、名前はわからない」。ケブルだと思ってネット検索して画像を見せると「それだ!」。
 ここで彼女が思ったのは「器や(料理の)美感、色感、食感すべてにこだわる日本人が、韓国人でも最初はビビるケブルを求めてやってくるとは!」というオドロキ。
 少し混乱しつつも、店の主人にケブルはあるか訊ねると、広蔵市場では日によってなかったりして、その日もないとのこと。そして親切に「鷺梁津市場に行けばありますよ」と教えつつ、タクシー用に「この方たちを鷺梁津市場に・・・」と手帳に書いてあげると、日本人たちは主人の出すタコやサザエの刺身を美味しく食べた後鷺梁津に向かったそうです。
 ところで、前々回の記事で書いたように私ヌルボが(たぶん)初めてケブルを見たのが7、8年前(?)頃の鍾路3街近辺の刺身店の店頭の水槽。その後もいろんな所で見たような気がします。
 
 上の画像は一昨年行った所なのにもう懐かしい、全羅南道・莞島(ワンド)の水産市場にあったケブルです。ホヤもたくさんありましたねー。プサンのチャガルチ市場等にも場所柄当然ですがあります。
 しかし、ドラマといい広蔵市場での話といい、ソウルで求めるとなるとやっぱり<ソウルの築地>ともいわれる(?)鷺梁津ということになるのでしょうか。
 で、もうひとつの「?」は、上記の4人の日本人がどういう機縁でこれほどまでにケブルを探し求めるのか?・・・ということについてですが、おっと、もう字数が・・・。

 最初は2回だけのつもりだったのが前回に1回分延長にして上中下の3回シリーズに変更。しかしそれでも足りなくなったのでさらに1回分つけ足します。あはは。(汗)

 → ケブルのすべて(その4)

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