ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [4月11日(金)~4月13日(日)]

2014-04-15 23:20:12 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 12日(土)のシアター・イメージフォーラム。「アクト・オブ・キリング」の公開初日はすごい大勢の人が殺到したようで・・・。やっぱりなー。当初の予定通りシネマジャック&ベティの上映(5月9日~)まで待つか。

 毎週火曜日のこの韓国映画情報記事は、私ヌルボにとって韓国映画だけでなくほとんどは日本より公開が早い洋画の情報を得るというメリットも大いにあります。
 ただ、先週観た「フルートベール駅で」はちょっと期待度が高すぎたかも・・・。
 韓国映画は、例によって六本木と新宿のシネマートで数本ずつ上映中。「悪戯」とか「ファイヤー・ブラスト 恋に落ちた消防士」とか、ちょっと気になるものの、「気になる」止まりで足を運ぶまでに至らず。それよりも、キネカ大森で「彼とわたしの漂流日記」、「ワンドゥギ」といった佳作を上映中なので、未見の方はぜひ観てみてくださいな。

 今後注目の韓国映画は、4月26日(土)からアップリンクで<韓国社会派映画監督 チョン・ジヨン特集>と銘打って上映される「南部軍」「南営洞1985」。詳細は→コチラ
 あ、アップリンクでは今週19・20日には<花開くコリア・アニメーション2014>というのもありますね。(→コチラ参照。)

 先々週から載せている「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」。4月11日掲載分です。ヌルボ訳も「ぴったり10字」でやってみますか。(句読点や!?等は除く。)

        
  [左] 「さまよう刃」演技が刃のように鋭い。★★★ 「お弁当箱」母が作ったお弁当の味。★★★☆ 「ミス・ヴァイオレンス」最も冷酷な恐怖の家族。★★★★ 
  [右] 「とげ」すごく笑った。コメディ?★★ 「サン・オブ・ゴッド」日曜学校がこうだった。★★☆ 「ミニスキュル 劇場版」かそけきものは美しい。★★★☆

           ★★★ Daumの人気順位(4月15日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①弁護人(韓国)  9.5(30463)
②貪欲の帝国(韓国)  9.4(45)
③アーネストとセレスティーヌ  9.1(54)
④リバー・ランズ・スルー・イット  9.1(120)
⑤怪しい彼女(韓国)  9.0(2685)
⑥イングリッシュ、ヴィングリッシュ  9.0(84)
⑦お弁当箱(The Lunchbox)  9.0(21)
⑧舟を編む(日本)  8.9(46)
⑨ベルとセバスチャン  8.9(50)
⑩ダラス・バイヤーズクラブ  8.8(132)

 ⑦「お弁当箱」だけが新登場です。インド・米・仏・独の合作で、昨年のカンヌ国際映画祭の批評家週間で上映されました。インドでお弁当と言えば、昨年日本公開の「スタンリーのお弁当箱」を思い出しますが、あのような家から持参の弁当の他にこの映画の舞台のムンバイにはお弁当の宅配サービス業もあります。日本のお弁当屋さんのように作って売るのではなく、たとえば家庭の主婦が作ったお弁当を夫の勤める会社まで届ける(&戻す)という配達専門。この映画は、夫との間にミゾを感じている人妻が作ったお弁当が配達人の間違いで妻を亡くして寂しく暮らしている定年間近のビジネスマンに届けられてしまうところから物語が始まります。弁当箱返却時に添えられたメモ書きのやり取りから、だんだん2人の関係が発展していきます・・・。観た人の感想を読むと、どれも好評。韓国題は「런치박스(ランチボックス)」、韓国式発音だとロンチバクス。日本でも「初夏」公開とのことです。
 ※ムンバイのお弁当配達人の興味深い写真が→コチラや→コチラのブログ記事にありました。

     【専門家による順位】

①インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌  8.8(7)
②ゼロ・グラビティ  8.2(5)
③罪の手ざわり(中国・日本)  8.1(8)
④ミヒャエル・コールハース  8.0(4)
⑤ミス・ヴァイオレンス  8.0(3)
⑥グランド・ブダペスト・ホテル  7.8(7)
⑦萬神(韓国)  7.7(4)
⑧そして父になる(日本)  7.6(6)
⑨アメリカン・ハッスル  7.6(5)
⑩物語る私たち  7.5(4)

 ⑤「ミス・ヴァイオレンス(仮題)」だけが今回の新登場。ギリシア映画です。11歳の誕生日に少女がバルコニーから投身自殺をします。警察は自殺の原因を突き止めようと躍起になりますが、家族は事故だと主張して何事もなかったように振る舞うのはなぜ? 最初の30分は家族の情景が淡々と描かれますが、ある事実(書かぬが花)が明かされると観客の間に衝撃が・・・。昨年の第70回ベネチア国際映画祭では賛否両論を巻き起こしたそうですが、アレクサンドロス・アブラナス監督に銀獅子監督賞、父親役のテミス・パヌには男優賞が授与されました。韓国題は「은밀한 가족(秘密の家族)」。日本公開は未定、ってなんなんだー! ヽ(`Д´)ノ
 ※韓国ネチズンのレビューを見ると、隣の席の男性が悪辣な主人公に対してずっと「シバル、シバル、ミッチンケーセッキ!(コンチクショー!)」と呟いていたそうです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[4月11日(金)~13日(日)] ★★★

         「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」が3週連続1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・キャプテン・アメリカ/ ・・・・・・・・3/26 ・・・・・・・・・・・・470,767・・・・・・・3,324,476 ・・・・・・・26,750・・・・・・・・706
             ウィンター・ソルジャー
2(40)・・さまよう刃(韓国)・・・・・・・・・・・・4/10 ・・・・・・・・・・・・383,329・・・・・・・・・457,817 ・・・・・・・・3,707・・・・・・・・592
3(新)・・ザ・レジェンド・オブ・ヘラクレス・・4/10 ・・・・・・・・・・130,509・・・・・・・・・158,454 ・・・・・・・・1,217・・・・・・・・388
4(10)・・サン・オブ・ゴッド ・・・・・・・・・・・4/10 ・・・・・・・・・・・・104,664・・・・・・・・・132,660・・・・・・・・・・997・・・・・・・・418
5(31)・・とげ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・4/10 ・・・・・・・・・・・・・71,099 ・・・・・・・・・95,270 ・・・・・・・・・・751・・・・・・・・356
6(5)・・グランド・ブダペスト・ホテル ・・・3/20 ・・・・・・・・・・・・・67,391・・・・・・・・・539,105 ・・・・・・・・4,289・・・・・・・・200
7(新)・・ミニスキュル 劇場版 ・・・・・・・・4/10・・・・・・・・・・・・・・50,891 ・・・・・・・・・56,489・・・・・・・・・・408・・・・・・・・303
8(2)・・スリーデイズ・トゥ・キル ・・・・・・・4/03 ・・・・・・・・・・・・・29,917・・・・・・・・・219,791・・・・・・・・1,682・・・・・・・・265
9(6)・・ローン・サバイバー ・・・・・・・・・・・4/02 ・・・・・・・・・・・・・25,666・・・・・・・・・179,970 ・・・・・・・1,356・・・・・・・・180
10(7)・・映画クレヨンしんちゃん ・・・・・・4/03 ・・・・・・・・・・・・・25,448・・・・・・・・・・75,351・・・・・・・・・・531・・・・・・・・224
             バカうまっ! B級グルメサバイバル!!
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

  「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」が3週連続トップ、といっても数字的にはさほどでもありません。10万人以上は4位までだし、全体的のパッとしません。とくに韓国映画。
 4月11日の「朝鮮日報」で大きくとりあげられていたのは6位「グランド・ブダペスト・ホテル」。ブロックバスター映画ではない、多様性映画といってもよい作品で累積50万人というのは500万人動員の商業映画にも優る、という記事内容でした。(→コチラ。)
 今回の新登場は2・3・5・7位の4作品です。
 2位「さまよう刃」は韓国映画。と言っても、原作は東野圭吾の小説。日本でも2009年寺尾聰主演で映画化されました。妻を亡くし、中学生の娘スジン(イ・スビン)と2人で暮らしているサンヒョン(ジョン・ジェヨン)でしたが、ある日スジンは近所の廃れた銭湯で死体となって発見されます。ひどい性暴行の末に殺されたのです。その後サンヒョンの携帯に犯人の情報を伝える匿名のメッセージが届きます。そこには性暴行を受けて死んでいく娘の動画が・・・。そしてそれを見ながら高笑いする加害者の若者も。理性を失ったサンヒョンは加害者たちへの復讐に乗り出します。一方、事件の担当刑事はサンヒョンの追跡を始めますが・・・。この作品について、4月11日の「朝鮮日報」は「ズレた父親感情か、正当な復讐か」という見出しの記事(→コチラ)で「この2、3年性暴行犯罪に対する私的復讐を扱った映画が多い」(←たしかに!)という指摘とともに、この作品は「未成年者の刑事罰を主張したり憤怒の排出を象徴するものではなく、・・・この映画の加害者少年だけでなく大人たちにも向けられている」と記しています。原作との違いの有無等については未確認です。原題は「방황하는 칼날(彷徨の刃)」です。
 3位「ザ・レジェンド・オブ・ヘラクレス」はアメリカのアクション・ファンタジー。紀元前1200年の古代ギリシャが舞台。神ゼウスの血を引くヘラクレスは義父である王の計略により追放されるが、超人的な力で試練に打ち勝ち、王になることを誓う・・・。なんか「300」とか「トロイ」とか「グラディエーター」とか「スパルタカス」とかを寄せ集めたような映画みたいですよ。韓国題は「헤라클레스:레전드 비긴즈(ヘラクレス:レジェンド・ビギンズ)」。日本公開は未定。
 5位「とげ」は、韓国のサスペンス・ロマンス。高校の体育教師ジュンギ(チャン・ヒョク)は、女生徒ヨンウン(チョ・ボア)の告白に新鮮な刺激を受け感情がときめくものの、そんな感情を抑えようとします。しかしヨンウンは、自分を避けるジュンギに近づくため、彼の妻(ソン・ウソン)等にも接近するようになり、彼の不安は大きくなっていきます・・・。原題は「가시」。上掲の「朝鮮日報」の「ぴったり10字評」の担当者、なんで「すごく笑った」のかな? (わからないでもない(笑)。)
 7位「ミニスキュル 劇場版」はフランスの3Dアニメ。毎度のように登場する日米以外のアニメだろうと思ったら(そうではあるが)、2012年4月からNHK Eテレで放送中「minuscule ミニスキュル~小さなムシの物語~」というCGアニメシリーズがあって、その映画版なんですね。ノルマンディーの美しい田園に暮らす小さな虫たちの冒険を魅力たっぷりに描いたコメディーアニメだそうです。というわけで、日本でも今年中に公開されるそうです。で、この作品は、森の中の空き地で始まったピクニックの残飯をめぐる2種類のアリの戦いに巻き込まれたテントウムシ(무당벌레)の物語です。韓国題は「슈퍼미니(スーパーミニ)」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(10)・・マイボーイ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・4/10 ・・・・・・・・・・・・・・・831・・・・・・・・・・・・・・・2,486・・・・・・・・・・16・・・・・・・・・33
2(5)・・萬神(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/06 ・・・・・・・・・・・・・・・464・・・・・・・・・・・・・・35,109・・・・・・・・・263・・・・・・・・・11
3(3)・・罪の手ざわり(中国・日本)・・・・・・・・・・3/27 ・・・・・・・・・・・・・・・434・・・・・・・・・・・・・・・5,446 ・・・・・・・・・・42・・・・・・・・・・7
4(新)・・麗しのサブリナ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・387・・・・・・・・・・・・・・・6,329 ・・・・・・・・・・12・・・・・・・・・・1
5(4)・・ミスティック・アイズ・・・・・・・・・・・・・・・・4/03 ・・・・・・・・・・・・・・・318・・・・・・・・・・・・・・・1,895 ・・・・・・・・・・13・・・・・・・・・12

 今回も先週の順位と矛盾が出現。で、1・4・5位が新登場です。
 1位「マイボーイ」は韓国作品。若い母親(イ・テラン)の生活は厳しい。幼い男の子2人を残して夫は世を去った。夫の友人だった陶芸家(チャ・インピョ)の助けを受け、マートで働いている。下の子のユチョンは障碍児で病院生活をしているため、その費用もかさむ。小学生の兄イチョン(イ・ソクチョル)は、胸の痛みと自分の小さなミスによる罪責感にかられ、車椅子のユチョンと共にあてもなく家出する。その過程でいろんな人たちと出会ってイチョンの心の傷も消えてゆくのだが、ある感情が爆発するようなことになり・・・。どうも、「貧しい中にも心温まる・・・」といったお涙頂戴的な映画でもなさそうです。原題は「마이보이」です。
 4位「麗しのサブリナ」は、もちろんオードリー・ヘプバーン主演の名作(1954年)の再上映です。韓国題は「사브리나」です。
 5位「ミスティック・アイズ」は、日本では2月に公開されているので、説明省略。韓国題は「레커스(Wreckers)」です。
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