ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [4月25日(金)~4月27日(日)]

2014-04-29 17:19:02 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週、以前からずっと気になっていた川崎市アートセンターに初めて行ってきました。そして、これまたずっと気になっていた映画「独立少年合唱団」(2000)を見てきました。横浜からはちょっと不便な新百合ヶ丘ですが、行って大正解! 青春映画でもあり、思想的・社会的な要素もありの深みのある作品です。多くの人にお薦めしたい・・・といっても、DVDは出ていなくて、DVDは現在アマゾンでは19,800円! あーあ。また香川照之が俳優として大きく注目された作品で、ヨコハマ映画祭、高崎映画祭、キネマ旬報ベスト・テン、ブルーリボン賞、毎日映画コンクール、日本放送映画藝術大賞と最優秀助演男優賞を総なめにしています。→コチラの記事(2004年の緒方明監督・香川照之・藤間宇宙の鼎談)では、その撮影時の興味深いエピソードがいろいろと語られています。緒方監督の最新作「友だちと歩こう」(2013)は、さいわい5月24日から横浜のシネマ・ジャック&ベティで上映とのことなので、ぜひ観に行かなければ・・・。

 もう1つ。昨日観た「レイルウェイ 運命の旅路」も、危うく見逃すところだった佳作。先週の「あなたを抱きしめる日まで」と同様に、これも原作は泰緬鉄道の敷設現場で捕虜として過酷な拷問を経験した元イギリス軍兵士エリック・ローマクス自身による本。(角川文庫で出ているのですね。) <映画生活>でレビューを見ていたら、中に「・・・過去の過ちを責め立てるのではく、互いに話し合いをして許しあう・受容する広さがなければ、いつまでたっても憎しみしか残らず進展することはないだろう。中国や韓国のトップにも観てほしい作品。まあ観て頂いても日本の残虐さだけを問いただして許容する精神に至らなければ元も子もないが」というくだりがありました。同じようなことを思う人はけっこういるかも・・・。
 関係ないけど、ニコール・キッドマンがなかなか風情があっていいなー。

 さて、拷問といえば渋谷アップリンクXで26日から「南営洞1985~国家暴力、22日間の記録~」が始りました。金斗煥による軍事政権下の1985年。民主化運動の闘士キム・ジョンテが公安警察に逮捕され、極悪非道な拷問を受ける、という内容の、これもキム・グンテによる自伝的小説に基づいた映画です。(なんか、すごく痛そうだなー・・・。) 同じくアップリンクXでは「南部軍」も上映開始。私ヌルボとしてはむしろコチラに興味があるんですけどね。

 韓国映画界関係今日の速報。「チョン・ドヨンが韓国人俳優・女優としては初めてカンヌ国際映画祭で審査員を務めることになった」とのことです。(→コチラ。)

 4月25日の「朝鮮日報」、久しぶりに「封切映画 ぴったり10字評」が載っていました。

        
  [左] 「アメイジング・スパイダーマン2」悪党を愛してもいいの?★★★ 「ミスター・ピーボディ&シャーマン」子供の日これで決まり!★★★☆ 「オンリー・ゴッド」「過ぎたる」が「及ばざる」例。★★☆ 
  [右] 「シャトルコック」羽根が君の胸をチクリ。★★★★ 「お父さんのEメール」父親の時代との和解を。★★★☆ 「10分」「安全な位置確保」、難しい。★★★☆
  ※「オンリー・ゴッド」は日本公開済。「シャトルコック」と「10分」については→ソウルナビの記事参照。

           ★★★ Daumの人気順位(4月29日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①弁護人(韓国)  9.5(30499)
②ミスター・ピーボディ&シャーマン  9.5(34)
③貪欲の帝国(韓国)  9.3(50)
④アーネストとセレスティーヌ  9.1(55)
⑤ハン・ゴンジュ(韓国)  9.1(164)
⑥リバー・ランズ・スルー・イット  9.1(120)
⑦あなたを抱きしめる日まで  9.0(49)
⑧怪しい彼女(韓国)  9.0(2692)
⑨イングリッシュ、ヴィングリッシュ  9.0(85)
⑩ベルとセバスチャン  8.9(57)\t

 ②「ミスター・ピーボディ&シャーマン」が初登場です。これについては後述。

     【専門家による順位】

①インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌  8.8(7)
②ゼロ・グラビティ  8.2(5)
③罪の手ざわり(中国・日本)  8.1(8)
④ミヒャエル・コールハース  8.0(4)
④ミス・ヴァイオレンス  8.0(4)
⑥グランド・ブダペスト・ホテル  7.8(7)
⑦萬神(韓国)  7.7(4)
⑧そして父になる(日本)  7.6(6)
⑨アメリカン・ハッスル  7.6(5)
⑩物語る私たち  7.5(4)

 先週に続いて今回も新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[4月25日(金)~27日(日)] ★★★

         「アメイジング・スパイダーマン2」が一人勝ち

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(30)・・アメイジング・スパイダーマン2・・4/23 ・・・・・・・・1,296,179 ・・・・・・・1,665,402 ・・・・・・・14,362・・・・・・1,312
2(新)・・ミスター・ピーボディ&シャーマン・・4/16・・・・・・・・・126,792・・・・・・・・・135,987 ・・・・・・・・1,034・・・・・・・・533
3(1)・・キャプテン・アメリカ/ ・・・・・・・・3/26・・・・・・・・・・・・107,134 ・・・・・・・3,881,824 ・・・・・・・31,110・・・・・・・・369
           ウィンター・ソルジャー
4(3)・・さまよう刃(韓国)・・・・・・・・・・・・・4/10 ・・・・・・・・・・・・・87,281・・・・・・・・・958,995 ・・・・・・・・7,597・・・・・・・・374
5(2)・・ダイバージェント ・・・・・・・・・・・・・4/16 ・・・・・・・・・・・・・58,581・・・・・・・・・399,235 ・・・・・・・・3,114・・・・・・・・336
6(6)・・ハン・ゴンジュ(韓国) ・・・・・・・・・4/17・・・・・・・・・・・・・・47,337 ・・・・・・・・141,558 ・・・・・・・・1,118・・・・・・・・215
7(7)・・グランド・ブダペスト・ホテル ・・・3/20・・・・・・・・・・・・・・36,448・・・・・・・・・676,191 ・・・・・・・・5,231・・・・・・・・155
8(4)・・サン・オブ・ゴッド ・・・・・・・・・・・・4/10・・・・・・・・・・・・・・24,905・・・・・・・・・309,055 ・・・・・・・・2,252・・・・・・・・235
9(新)・・パガニーニ・・・・・・・・・・・・・・・・・4/23・・・・・・・・・・・・・・10,914 ・・・・・・・・・15,956 ・・・・・・・・・・120・・・・・・・・・96
           愛と狂気のヴァイオリニスト
10(8)・・フェイス・オブ・ラブ・・・・・・・・・・・4/16・・・・・・・・・・・・・・・8,646 ・・・・・・・・・71,091・・・・・・・・・・527・・・・・・・・・91
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「アメイジング・スパイダーマン2」が130万近い動員数を記録したものの、2位はその1割にも達せず、以下も軒並み低調。まだセウォル号沈没事故の余波が続いているようです。
 今回の新登場は1・2・9位の3作品です。
 1位「アメイジング・スパイダーマン2」は、日本でも4月25日から公開されているので、説明は省略します。韓国題は「어메이징 스파이더맨 2」。
 2位「ミスター・ピーボディ&シャーマン」はドリームワークス製作のアニメ。犬の姿をしたミスター・ピーボディは最強のビジネスマンにして発明家、その上オリンピック・メダリストや科学者でもあり、そして犬! ところが彼の養子シャーマンは女ともだちペニーを連れてピーボディが発明したタイムマシンに無断で過去に行き、歴史を大きく変えてしまいます。異変に気づいたピーボディは世界を破滅から救うため彼も過去の世界に行き歴史の修復に乗り出します・・・。それにしても、アメリカアニメに登場する女の子はアナにかぎらず目がでかいなー。いや、鼻と口が小さいのか? しかし、歴史の改竄は過去に行かなくても簡単にできるんだけどな、というのは冗談。韓国題は「천재 강아지 미스터 피바디(天才子犬ミスター・ピーボディ)」。日本公開は11月1日。中国でも3月28日公開なのに、この遅さはなぜ?
 8位「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」は、モデルとしても活躍するヴァイオリニストのデイヴィッド・ギャレットが主演。才能も認められず金も尽きていたパガニーニを見込んだ男がさまざまな手段で彼に最高の舞台を用意します。そこで才能を発揮したパガニーニはたちまち富と名声を手に入れるのですが・・・。韓国題は「파가니니:악마의 바이올리니스트(パガニーニ:悪魔のヴァイオリニスト)」です。日本公開は7月11日。デイヴィッド・ギャレットのステージはYouTubeでいろいろ見られます。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・パガニーニ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4/23 ・・・・・・・・・・・・10,924・・・・・・・・・・・・・・15,956・・・・・・・・・120・・・・・・・・・96
       愛と狂気のヴァイオリニスト
2(1)・・あなたを抱きしめる日まで ・・・・・・・・・・4/16・・・・・・・・・・・・・・2,046・・・・・・・・・・・・・・33,121・・・・・・・・・239・・・・・・・・・25
3(新)・・リバー・ランズ・スルー・イット・・1993/4/24・・・・・・・・・・・・・・1,801・・・・・・・・・・・・・・・2,298・・・・・・・・・・・5・・・・・・・・・・1
4(新)・・お父さんのEメール(韓国)・・・・・・・・・・・4/24・・・・・・・・・・・・・・・523・・・・・・・・・・・・・・・1,452・・・・・・・・・・・9・・・・・・・・・21
5(15)・・エル・シド・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1971/9/21・・・・・・・・・・・・・・・418・・・・・・・・・・・・・・・5,271・・・・・・・・・・・6・・・・・・・・・・1

 1・4・5位が新登場です。2位「リバー・ランズ・スルー・イット」は<DAUM>の人気順位にしばらく前から入っています。
 1位「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」については上述しました。
 4位「お父さんのEメール」は韓国のドキュメンタリーです。「컴맹(computer盲)」だった73歳の父が世を去る前に1年間次女に送ってきた43通のメール。父の葬儀を終えた後再び開いたメールは父が家族全員に残した最初で最後の自分の話だった。朝鮮戦争、ベトナム戦争、88オリンピック、そしてアパート再開発の嵐まで・・・。韓国近現代史の大枠の中で父の足跡は小さいとはいえはっきりと足跡を残した。そして、その歩みが揺らぐ度に私たちの家族の生活も一緒に揺れた。父の人生は家族史である同時に大韓民国の時間だった。父はどのように生き、何を言いたかったのだろうか? そして、なぜ私たち家族は父に一度も聞かなかったのだろうか? 今私は父の手紙に返事を送ろうとしている・・・。うーむ、これは観てみたいな。原題は「아버지의 이메일」です。
 5位「エル・シド」は、1961年米・伊合作のスペクタクル歴史大作。日本では1962年公開でしたが、韓国では1971年なのか。話題にはなってましたが、少年ヌルボは観てなかったですね。チャールトン・ヘストンとソフィア・ローレンといういかにもの配役。音楽のミクロス・ローザはあの「ベン・ハー」でアカデミー賞音楽賞を受賞した作曲家ですね。韓国題は「엘 시드」です。