ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国KBS「珍品名品」は「なんでも鑑定団」のパクリ!? って、日本も英BBCのパクリのようで・・・

2011-08-29 22:40:32 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 島田紳助が最近突如として芸能界を引退したことに伴って、先行きが注目されている番組の1つがテレビ東京系列の「開運!なんでも鑑定団」
 1994年4月に始まった番組なので、もう17年目になります。ハズレのお宝が多い中で、たまにリサイクルショップで2500円で買った絵が○○円にもなるケース(→動画)なんてこともあるからおもしろいですねー。別に自分が得するわけじゃないですけど。

 ところが、韓国でも同じような番組がかなり前からあるんですね。
 KBS1TVで日曜午前11~12時に放映されている番組がTVショー 珍品名品(TV쇼 진품명품)がその番組名。
 公式サイトは→コチラです。
 この番組は1995年3月スタート。7月31日で815回ということなので、こちらも長く続いていますが、日本の翌年開始ということで、内心ホッとしたり(笑)、これもパクリじゃないかと怒ったり(?)バカにしたり(?)する人もいるかもしれません。その件はちょっと後回し。
 YouTubeを探してみると、ありました。李承晩政権の独裁と腐敗に立ち向かって戦った儒者金昌淑(1879~1962)が、自ら設立した成均館大学での卒業式訓示の自筆原稿の鑑定です。


【3人の回答者が鑑定価格を当てるという形式ですが、なかなかまじめな雰囲気です。】

 さて私ヌルボ、今回の島田紳助の一件がなくても、この「珍品名品」について書くつもりでした。というのは、1ヵ月ほど前、この番組で過去の最高価格を上回る鑑定価格が7年ぶりにつけられた、というニュースが伝えられていたからです。

 そのニュースによると、7月24日の番組で鑑定に付された石泉遊図(석천한유도)15億ウォンという値が付けられたというもの。石泉とは、18世紀の絵師田日祥(전일상.チョン・イルサン.1700~1753)の号です。韓国ウィキによると、忠清南道礼山郡の有形文化財(個人蔵)になっているではないですか。(こういうのをTV番組に出すかなあ?)

   
       【15億ウォンの値が付いた「石泉遊図」】

 これまでは2004年6月に出された「青磁象嵌牡丹紋杖鼓(청자상감모란문 장구)」という高麗時代の陶磁器の12億ウォンが最高価格だっだそうです。写真は→コチラ(番組PDのインタビュー記事)で見られます。
 先の記事によると、この陶磁器は放送後5人が購買の意思を打診したが、そのうちの3人は日本人だったそうです。(所蔵者は売るつもりはなく、売買は不成立。)
 また、本当に高価な物件を持っている人は、こんなTVショーに出たりせず、宝物級文化財の価値のある物件はショーに出ても価格をつけることができないと通知される。1459年に編纂された月印釋譜(월인석보)という書物は、価格測定が拒否されたとのこと。別の記事には、「9,999,999,999ウォンが付いた」(!)なんて出てましたが・・・。

 ちなみに、「開運!なんでも鑑定団」の方の最高評価額は、「初期柿右衛門様式の壺」の5億円が最高なんだそうです。 15億ウォンの約4.7倍。はるかに上を行ってますね。9,999,999,999ウォンには負けますが・・・。

 ところで、中国にも北京衛視(北京電視台のBTV-1)に「天下収蔵」という同じような番組があります。
 ところが、さるブログにあるように、出品者は鑑定の前に契約書にサインし、もし物件が偽物だったら司会者が用意されているハンマーでその場で躊躇なく破壊するのだとか・・・。契約書はそのためのものなんですね。これは視聴者も緊張しますよ。動画を見つけました! 皆さんもぜひ緊張感を味わってみて下さい。→コチラ
 日本なら「ご自分で楽しまれるのが良いと思いますよ」なんて言うところが、贋物は(出回っているだけに)許さんぞ、という姿勢を前面に出しているというわけでしょうか? 
 この番組のスタートは、中国語読解力は全然ありませんが、2009年なのかな?
 また<須弥山美術ブログ>の記事には、やはり中国CCTVの「寻宝(尋宝)」と、以前あったという
「鉴宝(鑑宝)」という番組が紹介されていました。こちらは中央電視台です。
 後者が2003年11月に始まった番組ということは、やはり日韓より9年ばかり遅いですね。

 上記の韓国及び中国の「なんでも鑑定団」類似番組は、ふつうに考えて、日本の「なんでも鑑定団」を参考にしたとみるのが順当なところでしょう。
 しかし、日本がオリジナルというわけではなくて、元をただせばイギリスなんですね。
 BBCが1979年から放送している「Antiques Roadshow」が最初だそうで、
英語のウィキによると、その後80年代にはドイツ、ベルギー、スウェーデン等々ヨーロッパ諸国、90年代にさらに広がり、アメリカでは1997年に公共放送のPBSが「Antiques Roadshow」を始めています。

 前述のように、基本的コンセプトは同じでも日・韓・中の3国でそれぞれのお国ぶりが反映されているように、英米等々の各国の「Antiques Roadshow」も特色があるようです。

・アメリカについては、<早川由紀夫の教育ブログ>や、<PAYACO jn アメリカ☆>を参照のこと。出品者が喜ぶようすに重点をおくようです。

・イギリスのようすは、→コチラに載ってました。「会場はTVスタジオではなく、のみの市のような感じなので、大勢の人が訪れ鑑定者も数名います」とのことです。

 その他の国々の関係記事や動画等も探せばあるでしょうが、韓国関係ブログとしてはもうずいぶんはみ出してしまったので、この辺でオシマイにします。