ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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李御寧先生の講演「韓日中とジャンケン文化」を聞きに行ってきました。

2010-06-11 21:51:00 | お知らせ、その他いろいろ
     

 昨日(6月10日)、李御寧(リ・オリョン.이어령)先生の講演を聞きに行ってきました。

 李御寧先生については、このブログでも産経新聞・黒田勝弘韓国支局長との間のピビンパ論議関係の記事(1月2日)で少し書きましたが、何といっても「「縮み」志向の日本人」(講談社学術文庫)の著者として知られています。外国人及び日本人が書いた数ある日本文化論中でも評価が高い本で、私ヌルボも大分以前にイッキ読みして目からウロコが何枚も落ちたものです。
 たとえば、「日本人による日本論が、主に西洋と対比して日本の特色としてあげている点の多くは、実は朝鮮や中国とも共通している」という指摘等々。
 この本については、稀代の読書家松岡正剛さんが「千夜千冊」のサイト中で詳しく論じています。
 その一方で、アマゾンのレビューを見ると「少しばかり日本を知った韓国人にありがちな誤認だらけですね」というコメントを付して★1つしかつけてない人もいるんですねー。日本人でも李御寧先生以上に日本についての知識・教養を持ってる人はそうザラにはいないと思うんですが・・・。

 その李御寧先生の講演ですが、演題は「韓日中とジャンケン文化」
 「ジャンケン文明論」(新潮新書)という本が出ていることは知っていましたが、たぶん講演と同内容だろう、と思って読まないで行ったのは結果的に大正解でした。

 開場は平日の11時開演ということもあってか7割ほどの入りで、その8割以上は女性。

 で、肝心の講演について。李御寧先生、1934年生まれということですがお元気なこと、歳を感じさせません。
 韓国初代文化部長官という肩書しか案内にはついてなかったのですが、数ある肩書中の一つに「創造学校」の校長をしているとのことで、(たぶん)i-Padを使って、ご自身の<デジログ名刺>とやらを紹介するところから始まり、大型スクリーンにいろんな資料映像を映しつつ話を進めるという最先端機器を活用した講演でした。
※<デジログ名刺>を手元のディスプレイ上に置くと、自分の動画と音声が立ち上がる、というもの。初めて見ました。

 李御寧先生の日本語はホントに達者で、内容も聴く者を飽きさせません。
 帰宅後、「ジャンケン文明論」を読むと、話のほとんどは本に記されていることだったのですが・・・。(本は講演よりもずっと詳しいです。)

 このあたりで、講演及び本の内容を紹介しないことには話になりませんが、実は講演終了後、韓国文化院内で開かれている「柳宗悦 朝鮮とその藝術」展(6月19日までです!)を見て、さらにその流れで駒場の日本民芸館まで足をのばして「朝鮮陶磁‐柳宗悦没後50年記念展」(6月27日までです!)まで見てきたので、疲れてますので、アマゾンの「ジャンケン文明論」のレビューで内容はおおよそ見当をつけていただくということでお茶を濁したいと存じます。

★6月12日の追記
 「毎日経済新聞」のサイト(韓国語)に、この講演会の記事がありました。

昨年に続くナロ号打上げ失敗について、いろいろ・・・

2010-06-11 20:39:32 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 昨日は韓国のナロ号打上げ、失敗してしまいましたね。
 昨年の打上げについては、昨年8月25日の記事で紹介しました。
 ブログを初めて間もない頃で、けっこう詳しく書いてしまった上、何よりも10ヵ月近くも経つと内容をあらかた忘れてしまっているので、今再読すると別人が書いた記事のようです。

 1996年米国・ケープカナベラルで、通信衛星ムグンファ2号発射の前日「ブタを屠って通信衛星打ち上げ成功を祈った」と書かれてますが、今回も何か儀礼はとり行ったりしたんでしょうかねー?(調べりゃわかる、って?)

 伝えられるところによると、「今回の失敗の理由は、ロシアが作成した1段ロケットの爆発が原因である可能性が大きく、第1次打ち上げ時よりもロシアの責任は重大であり、第3 次の打ち上げは難航するとみられている」とのことですが、すると前回と大体同じようなミスだったのでしょうか?

 打上げ前後の韓国のメディアを見ると、多くの韓国民がテレビの実況を注視しているんですねー。ひるがえって、日本の過去のロケット打上げの時はどうだったんだろう、とふり返っても、何も思い出せません。

 「東亜日報」のサイト中の今年3月の記事を見ると、日本のロケット開発の歴史を要領よく紹介してくれています。

 それによると、
 日本が、米国の技術で作った1段ロケットに日本産の2段ロケットを搭載した「N1ロケット1号機」を種子島宇宙センターで打ち上げたのが75年9月だったので、韓国が今年6月に羅老号の再打ち上げに成功すれば、単純計算で35年間の技術格差があるわけだ。
・・・とのことです。

また、
 種子島宇宙センターの面積は、約9平方キロメートルで、米ケネディ宇宙センター(404平方キロメートル)よりは小さいが、韓国の羅老宇宙センター(4.95平方キロメートル)よりも2倍近く広い。
・・・とあります。

 全然知りませんでした、という日本人は私ヌルボだけではないと思います。
 日本人も、南極観測船宗谷のように(古い!)、昔は国の進める科学関係プロジェクトにも大きな関心と期待を持っていたんですけどねー。今金星探査機「あかつき」に対して熱い関心を持って注目している人はどれぐらいいるんでしょうね?