学問空間

『承久記』『五代帝王物語』『とはずがたり』『増鏡』『太平記』『梅松論』等を素材として中世史と中世文学を研究しています。

歴史学関係16団体の会員数(その5)

2015-05-29 | 歴史学研究会と歴史科学協議会
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 5月29日(金)07時54分32秒

住友陽文氏(大阪府立大学教授)が「いま日本史研究会の会員数は3000人弱ぐらいかな。歴研と重複してない人も結構いるしね」とツイートしているのを見つけて、あれれと思って「学会名鑑」で改めて検索したら、

【個人会員】 個人会員:2403(人) 連名会員:77(人) 海外会員:12(人)
【団体会員】 大学等会員:310(団体) 書店会員:99(団体)
データ更新日:平成26年10月14日

となってますね。
「連名会員」とは何かというと、日本史研究会会則第5条に、

--------
本会に入会をのぞむ者は、住所・氏名および職業を明記し、会費年8,500円(半年分納も可)をそえて、本会に申し出るものとする。同一世帯を形成している夫婦、親子、兄弟姉妹などで二人以上の者が会員であることを希望している場合、連名会員として申し出ることができる。連名会員については会誌一部の頒布をうける。

とありますが、文章が本当にひどいですね。
素直に読めば「同一世帯を形成している夫婦、親子、兄弟姉妹などで二人以上の者」が「連名会員」で、その「連名会員」全員が「会誌一部の頒布をうける」ことになりそうですが、これでは一番大事な会費の扱いが不明で、会費を人数分払っても会誌を1部しかもらえないように読めてしまいます。
ま、そんな不合理なことはありえず、同一世帯の複数人が会員であることを希望する場合、一人は普通の個人会員として扱って会費を払ってもらい、残りの人は「連名会員」で、会費を払わなくてよいけど、会誌も世帯で一部しか送らないから、みんなでそれを読んでね、と「解釈改憲」せざるをえないですね。
こういう文章を読むと、文学部は本当に莫迦ばっかりだな、と思ってしまいます。
偏見です。
わはは。

ちなみに第5条の前半は、

-------
本会の趣旨に賛同し、所定の手続きを経たものは、誰でも会員となることができる。
会員は、本会の行なう諸種の会合・事業に参加し、会誌に研究を寄稿することができ、会誌『日本史研究』の頒布をうける。
-------

ということで、要は金さえ払えば「誰でも会員となることができる」のであって、日本史研究会の会員であることは歴史研究者としての質を保証するものでないどころか、歴史研究者であることすら保証しない訳ですね。

ま、そんなイヤミはともかく、前回投稿ではあまり深く考えずに日本史研究会の会員数を2403人としてしまいましたが、これは「連名会員」77人と「海外会員」12人を加えた2492人とすべきでしたね。
ちなみに<【団体会員】 大学等会員:310(団体) 書店会員:99(団体) >だそうですから、全て合計すると2901で、日本史研究会の内情に詳しいらしい住友陽文氏の「いま日本史研究会の会員数は3000人弱ぐらいかな」というツイートと整合性が取れますね。

また、歴史学研究会のサイトを見ると、

------
歴史学研究会は、職業・所属・年齢・専門を問わず、会の綱領・会則に賛同する人が自由に入会し参加できる、誰にでも開かれた全国的な学術団体です。現在、会員数は約2,200名で、年一回大会・総会が開かれています。

とあり、「学会名鑑」の2088人(データ更新日:平成27年1月21日)と百人以上のズレがありますが、これは時期の違いによる変動でしょうね。
前回投稿では13800人にするために若干無理な数字合わせをしてしまいましたが、日本史研究会・歴史学研究会のような大きな団体では時期的なものだけでも百人単位の変動があるでしょうし、特に四月に入って各団体とも新入会員が増えたはずですから、最新データで単純に合計すると13800人くらいにはなるんでしょうね。

以上、マニアックな興味から色々書いてしまいましたが、実は私にとって一番の驚きは歴史学研究会より日本史研究会の方が会員数が多いということで、そうなると日本史研究会は六波羅探題みたいなものとした我が「歴研幕府論」も、ちょっと危うくなってしまいますね。
日本史研究会を中心に据えた権門体制論に変説すべきか否か。

「歴史学研究会幕府」〔2014-04-26〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/42750aab1ea3f4ab74dcc230fe099987
「歴研幕府」の「地頭職」補任権〔2014-04-28〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/2f4434a6395b6080b9168c26a5ebf39b
「歴研幕府」の繁栄〔2014-04-30〕
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/3c1fb002a3e26595b233bb6dbc9977fd 
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