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「元徳元年の『中宮御懐妊』」

2010-09-01 | 東島誠『自由にしてケシカラン人々の世紀』
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2010年 9月 1日(水)07時32分57秒

>筆綾丸さん
>網野氏の『異形の王権』
暫く前にこの掲示板で話題にした東島誠氏の『自由にしてケシカラン人々の世紀』 (講談社選書メチエ) が、『異形の王権』に依拠して、「後醍醐天皇は変態性欲の持ち主であり、かなりアブノーマルな人物であった」と評していたように、『異形の王権』の影響力は今でも圧倒的ですね。
そして、『異形の王権』における後醍醐天皇像の基礎を支えているのが百瀬今朝雄氏の「元徳元年の『中宮御懐妊』」(『金澤文庫研究』274号、1985年)です。
百瀬氏はいつも冷静な、というか冷ややかな文章を書く人なのに、この論文に限ってはずいぶん熱がこもっていて、かなり興奮して書いたのだろうなという感じがします。
内田啓一氏以外、百瀬氏のこの論文を批判した人はあまりいないようですが、相当問題がありますね。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

後醍醐の奉請髭(ぶしょうひげ) 2010/08/31(火) 20:15:34
小太郎さん
後醍醐天皇というと、網野氏の『異形の王権』が強烈ですが、内田氏の『後醍醐天皇と
密教』は、網野氏の後醍醐像における無精髭を剃ぎおとすような異議申立があって、
面白いですね。
坂口太郎氏の論文、読んでみます。
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