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歌会始に関するアンタ何様批評【平成27年版】

2015-01-15 | 歌会始
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2015年 1月15日(木)11時20分36秒

>筆綾丸さん
篠弘氏の

送られし古本市のカタログに一冊を選(よ)るが慣ひとなりぬ

は、一昨年の

ゆだぬれば事決まりゆく先見えて次の会議へ席立たむとす

よりは多少マトモになりましたね。

【歌会始】日本文藝家協会理事長・篠弘氏の変てこな歌


ただ、暇を持て余した老人の暇つぶしの歌としてはそれなりに結構だと思いますが、何でこんなものを歌会始に出そうとするのか、そして何故それを回りにいる人が誰も止めようとしないのかが謎です。
これとは対照的に、春日真木子氏の

緑陰に本を繰りつつわが呼吸(いき)と幸(さき)くあひあふ万の言の葉

は、召人という立場をきちんと踏まえた良い歌ですね。
春日真木子氏は尾上柴舟の系統を継ぐ歌人だそうですが、こういう調べを重んじた古風な歌は、例の独特の非常に長い節廻しに合いますね。
他方、篠弘氏の歌を含め、意味だけしか追わない現代歌人の大半の歌は長調子で反復して歌われるとある種の滑稽感が出てきて、ちょっと聴くに耐えないですね。

春日真木子

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。

粥杖と納豆と黍団子 2015/01/14(水) 18:35:32
小太郎さん
http://mainichi.jp/opinion/news/20150114k0000m070102000c.html
http://www2.ntj.jac.go.jp/unesco/kabuki/jp/5/5_04_18.html
毎日新聞の一面下欄の「余録」に、『とはずがたり』の粥杖の話が引用されているので、びっくりしました。後深草院の名が全国紙の一面に載ったのは、もしかすると、空前の出来事かもしれませんね。『三人吉三廓初買』ではありませんが、こいつぁ春から縁起がいいわえ(?)。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13HAQ_T10C15A1CR0000/
歌会始の選者(篠弘)の歌ですが、新年に宮中で「古本市」を詠む感覚は遁世者のようで、なかなか凄味がありますね。また、入選歌のなかには「本」を詠み込まないルール違反で意味不明の歌がありますが、雉と云い鬼と云い島と云い、新年に何故なのかということはさておき、これは桃太郎の鬼退治の話でしょうか。(「桃太郎の鬼退治」という「絵本」が「日本」にはある、ということか。なぜこの歌が選ばれたか、新年の謎です)

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO81829260Q5A110C1EL1P01/
http://www.akitafan.com/special/detail.html?special_id=80
日経新聞で初めて知ったのですが、真偽はともかく、納豆の発祥には後三年の役の八幡太郎が関係していたのですね。
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