五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

大津絵

2009年10月12日 | 第2章 五感と体感
知人に頼まれた大津絵の表装をいよいよ始めました。
大津絵とは、江戸時代、琵琶湖のほとりで広がったヘタウマで面白可笑しくデフォルメした民衆の絵です。今でいえば、イラストとか風刺画とか、そんな感じのものです。

預かったものは江戸時代のもの、だと思います。掛け軸に仕立ててあったものをばらして洗いにかけるところから始めなくてはなりません。

どんな和紙で裏打ちしているのか。。。霧吹きをかけて触ってみるまでわかりません。

古い家の納戸の匂い。カビや埃の匂いもここまで凝縮されると古き文化の尊い匂いです。
霧吹きをかけると、ふわぁっとその匂いが広がります。

こういう作業をしていると時間が経つのも忘れてしまいます。気づくとあたりは真っ暗。
一枚一枚裏打ち紙をはがすことができれば苦労はしなのですが、やってみると、三回裏打ちされていることがわかり、一枚はがすと、もう一枚が見えてきます。

汚れた本紙(作品)も、和紙をひいたり新聞紙をひいたりして、お湯で絞ったタオルで丁寧に叩いていきます。

本紙は平成21年の空気に直に触れ、ちょっと鮮やかさが蘇ってきました。

日本の文化は、裏打ちの文化です。修復するには表からだけではできません。
どこまでできるか…今回私の初挑戦の犠牲になった「ギョロ目の弁慶さん」(絵)、鎌を振らずに見逃してちょうだいね…

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