5月2日なのですが、用を足してフタを閉めたら、パッキンと割れてしまったのです。まさか、こんなところが割れる何て!驚きでした。
実は前日に、パソコンのマウスのコードが断線して交換していたのです。2日続けてのトラブルの発生です。話は逸れますが、その3日後に自転車の後輪がパンクしました。
それで、洗浄便座を交換したのが去年の1月28日です。前の便座はほぼ15年使用しました。水が漏れるようになり、現在の製品と交換したのです。もちろん自分で取り付けました。
一年の保証期間は過ぎているのですが、普通に使っていてフタが割れるのは、製品として問題ではと思い、ネットでいろいろ検索すると、同一メーカーの同一型番の製品でまったく同じように割れているのです。
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http://bbs.kakaku.com/bbs/22005010233/SortID=10604971/
それで、わたくしは、メーカーの相談室に電話を掛けたのです。
「割れる現象はこれまでありましたか?」
「いいえ、わたくしは聞いておりません」
「ネットにはいろいろ載っていますが知りませんか?」
「わたくしは知りませんです」
応対したのは若い男性なのですが、正直で嘘が苦手な真面目な方のようで、いかにも“知らないふり”をしているのがわかるのです。
フタが割れたと初めて聞いたのならば、それなりに状況を把握しようと、いろいろ聞いてくる筈ですが、こちらが云う事を、“はい”とか“そうですか”と気のない返事をするだけで、まったく割れには興味が無い様子で、質問はまったくしてこないのです。
そこで、
「この件は、もしかして、この相談窓口ではなく、別の窓口なの?」
「いえ、ここでお受けしております」
「あなた、今、類似の相談が無いかPCの画面を見なが応対していますよね?」
「はい」
「それにも出てないと云うこと?」
「はい、そうです」
「ネットにはいろいろ載っているのに、まったく、そう言う相談は無いのね?」
「はい、わたくしは、知りません」
「あなた、さっきから“わたくし”は聞いてませんとか、わたくしは知りませんとか、云っているけど、“私は”あなた個人に聞いているのでは無いのですよ、製造メーカーとして、組織として、割れの現象を把握していないのか?と、聞いているのです。個人的見解は聞いていません」
「はい、そうですね、申し訳ありません」
「兎に角、修理をお願いします。でも、現象的には無償修理だと思っているけど」
「はい、それは、現物を確認してからと云う事で・・・・・・・」
「まぁ、そうだろうね。それでかまわないけど」
「それでは、5日の日に伺う事でよろしいですか、時間の方は朝のうちにご連絡致します」
それで、最後に
「わたしは、プラスチック成形の品質管理を30年ほどやっていたが、どう見てもこのフタは強度が不足していると思う。フタの左側に“ダンパー装置”が付いているので、閉めるときの応力はすべて、左側に集中する構造であり、それに他の機種と比較しても、フタの厚みが薄い、また、ダンパー効果が強すぎると思う、それなのに、応力集中する部分のコーナーの“R”が小さ過ぎる。設計強度がギリギリで、ダンパー効果と成形加工のバラツキを吸収することが出来ず、割れの現象が発生しているので、強度の対策した製品でなければ、再発の危険性が高いと思う」
そして、それに対して、
「はい、判りました、大変、貴重なご意見を頂き、まことにアリガトウ御座います、関係部署に伝え、参考にさせて頂きます」
との、大変、心のこもらない言葉、心のこもらない口調で、相談係りとの電話を終えたのです。
それで、5日の午前中にサービスマンが来て、現物を確認し無償となったのですが、サービスマンも相談窓口の担当者と同じく、割れに関しては“わたくしは、聞いてません、知りません”との見解でした。
その日、部品の手配の関係から、13日に交換に伺いますとの連絡があり、翌日に、部品の手配が予定より早くなったので、8日に伺うとなったのでした。
それで、これが交換されたフタです。
フタ側面のA部と、フタ上面のB部の箇所が、割れたモノと比較して、大きくRが付いているのです。明らかに強度不足を認識して形状変更を行っていたのです。
※比較の為に割れた箇所を右に置いてみました。
メーカーとしては、便座のフタが割れても、重大事故に繋がる欠陥ではないとの認識で、割れたことを“メーカーの相談窓口”に云って来た場合いに限って無償対応をしているのでしょう。
“販売店”に云って来たり、黙って修理部品を購入する客には、フタの料金、郵送料をしっかり頂いているようです。
でも、しかし、フタが割れるのは開閉時です、細かな破片が飛び散る事もあるのです。その破片が眼に入る可能性もあります。小さな子供ほど、割れる箇所からの距離が近く危険なのです。
昨日は、パロマの事故の刑事裁判があり、経営者が有罪判決を受けました。死者が20数人も発生しているのですから、当然の判決です。
便座のフタが割れても、経営者が刑事責任を問われることは無いと思いますが、“知っていながら、知らんぷり”は、とても、とても、問題のある行為です。本質的には、パロマと同じです。
利益の為なら手段を選ばず、金儲がすべて、儲けた奴が勝ち、そんな風潮はいつまでも続きません。企業は商品を売るのではなく、“信用”を売るのです。でも、日本人は忘れっぽいから多少の事は大丈夫だと思っているかも?
個人としては、道義的にもやれない事を、企業人としては、道義もへったくれもなくなるのです。きっと、パロマの社長も個人的には立派な人格者なのです、たぶん。社長の地位が判断を狂わせたのです。
まぁ、馬の耳に念仏でしょうか? 馬に失礼か?
それでは、また明日。