はい! 認知機能低下防止対策として、先日、本を購入し、パラパラ、ボチボチ、ページを捲る今日この頃なのです。
それで、その本ですが、「吉見俊哉さん」と云う、1957年生まれの御年67・8歳の東大名誉教授の方が、2018年にハーバード大学で行った講義を書籍化したものです。
「アメリカ・イン・ジャパン・・・ハーバード講義録」 2025年1月17日 第1刷 発行 岩波新書 1166円(税込み)
それで、講義ですが、受講者は当初、著者が想定していた白人アメリカ人は少数で、多くがアジアや中南米からの留学生だったそうです。
これは、一般人でも想定内だと思うのです。米国人の日本への関心は薄く、日本人の米国への関心とても高く、非対称なのです。それにしても、社会学者として想定外とは、これ如何に? と、思ったりしたのです。
それでは、本題に入ります。
冒頭の「はしがき」です。本には大概、「はしがき」があって、「本文」があって、「あとがき」があります。この本には「あとがき」はありませんでした。
まあ、それは、それとして、この本の「はしがき」ですが、
『・・・ 「日本の中のアメリカ」は、「アメリカの中の日本」に文字どおり「抱擁」されてきたことを認めざるを得ない。この「抱擁」は、占領期に始まったと云うよりも・・・・・・黒船の「来航」やプロテスタント宣教師による学院創立の時点から始まっていたと言えなくもない・・・』
「抱擁」・・・ですか、なかなか生暖かい表現、アメリカでの講義を意識しての表現? 日米双方から見ても、第三者から見ても、政治、経済、外交、軍事において、そのものズバリの「従属」と認識します。
「言えなくもない」との、自信の無い表現には、オーイ!大丈夫か? と思ったりしました。
日米関係を、敗戦からではなく、「黒船来航」の時点から、捉えているのには、それなりに「眼から鱗」でした。
そして、先ずは手始めとして、宗教、教育による、洗脳・支配です。先兵として、プロテスタント宣教師による、「学院創立」について、なるほど ! そう云えば! そうそうだよな、と、思ったり。
新島襄の「同志社 1875年」とか、宣教師の創立した「立教 1874年」、「明治学院 1863年」「関西学院 1889年」、「青山学院 1874年」、「東北学院 1886年」等々。
調べて見たら、カトリック系大学では、著名どころとしては「上智大 1913年」、「フェリス女学院 1870年」19世紀前後から、敗戦後においても、「聖心女子大1948年」とか、著名、無名の、プロテスタント・カトリックの教育機関は、数えきれないほど全国隈なく設立されていました。
それで、現在の米国に対する著者の立ち位置ですが、
『・・・トランプ大統領は、意図的なのか本能的なのかわからないが、周期的に事件を起こす。とんでもない差別発言や、大統領令、スキャンダル等々・・・、そのようなことが繰り返されている間に、アメリカ人の平衡感覚が、少しずつ狂い始める。二十一世紀のアメリカは、徐々にこの狂気を受け入れてきた』
『2024年11月の大統領選挙で明らかになったのは、このような平衡感覚の喪失が、トランプ自身によるものという以上に、すでにアメリカ社会の内部崩壊が深く進行していることの現れであり、もはやこの内部崩壊は、長期的に回復不可能・・・』
『・・・より多くのアメリカ国民が、おそらくは自己利益だけの為にトランプ大統領の再選を選んだのだ』
うん、かなり、大胆な認識。かなりな部分で同意できる。
でも、しかし、トランプとカメラ・ハリスの総得票数の差は、ほんの数パーセント、そして、民主党と共和党の支持基盤は固定しており、一部のスイング・ステートでの、民主党の票が共和党に流れた数パーセントの票差。
大統領選の勝敗は、一部の選挙区の、スイングステートの、 数万人の投票行動で決まる? 不思議。
と云う事は、内部崩壊と云うよりも、建国時より内包していた、分裂と対立が再発したものと考えます。去年だと思いますが、分裂・対立から内戦勃発を描いた映画がヒットしていました。まさに、第二次南北戦争。
と、云う事で、「はしがき」で、すべてが語られ、提起され、本文は、それらの具体的証明がなされています。
私としては、「はしがき」だけで、お腹いっぱいになりました。本分は、斜めに、突っ走って読み飛ばしました。じっくり読んだとしても、悲しい事に、歳のせいで、直ぐに記憶の彼方に消え去ってしまうのです。
本文でなるほど ! と思ったのは、「ディズニーランド論」です。娯楽分野におけるアメリカ幻想・羨望の注入です。
1950年生まれの私としては、今にして思うと、アメリカ製テレビドラマ、ララミー牧場・名犬ラッシー・ローハイド・パパは何でも知っている・スーパーマン、そして、そして、日テレ「ディズーニーランド」と云う番組で、冒険の国、開拓の国、お伽の国、未来の国を、眼を輝かせ、心をときめかせ画面を見つめていました。
上級国民は高等教育で、下級国民は娯楽で、理想の国、正義の国、夢の国、アメリカを注入・洗脳されていたのでした。
そして、大国は、アメリカは、恐怖心を植え付けるのも巧みなのです。中国、ロシア、北朝鮮への恐怖心を煽り、日本にアメリカの武器を売りつけています。
8月は過去の戦争への反省の月で、いろいろ「過去の戦争」の悲惨さが語られ、平和誓ったり、祈ったり・・・。しかし、しかし、これって「新たなる戦争」に対して、屁の突っ張りにもなりません。
屁の突っ張りにもならない、ので、新聞・テレビ等の各マスコミが、8月だけ、とても、とても、感情的・抽象的な「過去の戦争」への反省と、平和への誓いを、垂れ流すのです。
すべて、一時の、反省と誓いで、平和は、一丁上がりなのです。
何て、事を綴ると、反論のコメントが来たりするのです。が、しかし、現在、日本は、世界は、戦争に向かって動いているのは、明らかな事実。
やられる前にやる、侵略される前に叩く、攻撃こそ最大の防衛と、互いににらみ合い、互いに軍備増強に狂奔しています。これぞ、まさに、戦前。
話が、暗い方向に・・・。
それでも、しかし、人類の英知を信じたいと思います。
本日は、これにて、認知機能低下防止対策を終了します。
それでは、また。